クルド人問題とは?シリア内戦、トルコ、アメリカ…その複雑な関係を紐解く?クルド人問題、その複雑な歴史と現在地とは!!?
長きにわたり国家を持たないシリアのクルド人。内戦とISとの戦い、米国の支援を経て自治を獲得するも、トルコの侵攻と米軍撤退で危機に。アサド政権との関係深化も、今後の自治権を左右する。国際社会との連携が、彼らの未来を左右する。
💡 クルド人は、トルコ、シリア、イラン、イラクなどにまたがる民族集団で、長きにわたり国家を持たない。
💡 シリア内戦において、クルド人勢力はISとの戦いで大きな役割を果たし、アメリカの支援も受けてきた。
💡 トルコはクルド人勢力をテロ組織とみなし、軍事侵攻を繰り返しており、国際社会も対応に苦慮している。
本日はクルド人問題について、様々な角度から掘り下げていきます。
まずは、この記事で皆様にお伝えしたい重要ポイントを3つご紹介しましょう。
民族の歴史と内戦の勃発
シリア内戦でクルド勢力が辿った道とは?
最初は中立、後に内戦へ参戦
クルド人の歴史は、国家を持たない中で、周辺国との対立や民族主義の高まりの中で形成されました。
シリア内戦への関与も、その歴史的背景と深く関係しています。

✅ シリア北東部のクルド人自治区ロジャヴァに対し、トルコが国境を越えて軍事侵攻を開始し、クルド人勢力との戦闘が激化。トルコはクルド人勢力YPGをテロリストと見なし、排除を目的としている。
✅ シリア国内は複数の勢力が混在し、アサド政権、クルド人勢力、トルコが支援する勢力などが領土を分割支配している。トルコの軍事行動は、米国の利害と対立する可能性もある。
✅ トルコの侵攻は、アフリンでの戦闘の長期化や、市民の死傷者を増加させている。国際社会は、トルコの軍事行動に対して非難を避け、事態の収拾を図ろうとしている。
さらに読む ⇒–素敵な情景とクリエイティブ出典/画像元: https://kokai.jp/%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%86%85%E6%88%A6%E3%81%A8%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%89%E4%BA%BA%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B4%E3%82%A1%EF%BC%88rojava%EF%BC%89%E3%81%AE%E8%A1%8C%E6%96%B9/内戦勃発までのクルド人の歴史、そして内戦への関わりについて、非常に多岐にわたって解説されており、理解が深まりますね。
シリア北部に居住するクルド人は、トルコ、シリア、イラン、イラクなどにもまたがる2500万~3000万人の民族集団で、長きにわたり国家を持たない状況下にある。
シリアにおけるクルド人の歴史は、セーブル条約以降に形成された民族主義と、フランス委任統治下での優遇、独立後のアラブ民族主義による差別政策との対立の中で形作られてきた。
ハーフィズ・アサド政権下では弾圧を受けながらも、対話による権利改善を求める政党も存在した。
2011年の「アラブの春」勃発後、クルド民族主義勢力は一旦中立の立場を取ったものの、シリア内戦が激化する中で、最終的に内戦へと参戦することになる。
内戦初期には、イラクKDPの支援を受けたクルド国民評議会と、PKKの影響下にある民主統一党(PYD)との間で対立が生じ、内部抗争が勃発した。
PYD配下の人民保護部隊(YPG)は、アサド政権が撤退した後、治安維持の主導的役割を担うようになる。
一方、KDPはPYDの勢力拡大を警戒し、両勢力を含む上部組織、クルド最高委員会を発足させた。
クルド人の歴史的背景と内戦への関わりについて、非常に分かりやすく解説してくださり、ありがとうございます。この複雑な問題の理解を深める上で、貴重な情報です。
ISとの戦いと勢力拡大
シリア内戦で、クルド勢力は何を築き、何に苦悩した?
自治と衝突。独自の統治と他勢力との対立。
ISとの戦いにおけるクルド人勢力の役割は、国際的な注目を集めました。
また、クルド人勢力内部の対立も、今後の動向を左右する重要な要素です。

✅ クルドは、オスマン帝国崩壊後、民族自決の波に乗り遅れ、周辺国の対立や国際社会の思惑の中で、長らく国家を持てずにいた。
✅ シリアのクルド勢力は、PKK党首オジャランの思想に基づき、国家に代わる「民主連邦」の構築を目指している。これは、小さなコミュニティが主体となり、民族や宗教の違いを超えてボトムアップで連邦を形成するシステムである。
✅ シリア内戦において、PKKと関係の深いPYD/YPGが勢力を拡大。アサド政権との対立もあるが、クルドの権利を認める政権であれば協力する姿勢も見せている。しかし、クルド勢力内でも対立があり、統一した動きには至っていない。
さらに読む ⇒–専門家の解説と教養のポータルサイト出典/画像元: https://synodos.jp/opinion/international/20107/ISとの戦いにおけるクルド人の活躍は、国際的な支援を得る上で大きな影響を与えたことがよく分かりますね。
シリア内戦の中で、クルド民族主義勢力は当初「第三極」的な立場を保っていたが、「イスラーム国」(IS)との戦闘を通じて内戦の「主軸」へと組み込まれていく。
アメリカなどの支援を受けたクルド人勢力(PYD/YPG)は、ISを撃退し、シリア北東部を実効支配するに至った。
アサド政権による抑圧からの解放後、ダーイシュ(IS)との戦いを通じて地域を支配し、独自の文化と制度を築き上げた。
彼らは、独自の治安部隊、政治機関、教育システムを構築し、トルコ軍、イスラム過激派、アサド政権軍との衝突を繰り返した。
クルド労働者党の指導者オジャラン氏の思想に影響を受け、ナショナリズムを否定する一方で、事実上独立国家のような統治を行っている。
彼らは、アラブ人、キリスト教徒、エジディ教徒などを受け入れる一方、自分たちの「民主的自治」の外で活動する人々に対しては厳格な姿勢を示している。
クルドの人たちがISと戦った話、まるで映画みたいやな。でも、そんだけ苦労して自分たちの土地を守ったのに、まだ完全に安定してないってのが、なんか複雑な気持ちになるわ。
次のページを読む ⇒
トルコとクルド勢力の対立激化!米軍撤退でシリア情勢は混迷。クルド人の自治権は?アサド政権との関係は?揺れる国際情勢を読み解く。