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即身仏?山形の湯殿山信仰と、生きたまま土中に入る壮絶な修行とは!?即身仏とは一体!?

即身仏?山形の湯殿山信仰と、生きたまま土中に入る壮絶な修行とは!?即身仏とは一体!?
📘 この記事で分かる事!

💡 湯殿山信仰とは、山形県にある湯殿山を聖地とする信仰のことです。

💡 湯殿山信仰では、即身仏と呼ばれる、修行者が生きたまま土中に埋葬され、ミイラ化した遺体が安置されています。

💡 即身仏は、その壮絶な修行と、死後の加工によって生まれたものであり、宗教勢力間の対立や、厳しい自然環境での生存戦略が複雑に絡み合っています。

それでは、湯殿山信仰について詳しく見ていきましょう。

湯殿山信仰と即身仏の誕生

湯殿山信仰は、江戸時代には真言宗と天台宗の対立が深まっていたんですね。

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✅ この記事では、即身成仏行を行った修験者、鉄門海上人と真如海上人の二人を取り上げて、その修行の様子や即身仏となった背景について解説しています。

✅ 特に、鉄門海上人は江戸時代末期に武士と争い、注連寺に逃げ込んだ後、即身仏となることを決意し、3000日の修行を経て、62歳で土中入定したことが紹介されています。

✅ 真如海上人は、天明の飢饉を救うことを発願し、96歳で土中入定したことが語られています。二人の即身仏は、それぞれに異なる背景を持ちながらも、人々の苦しみを代わりに引き受けようとする捨身行であり、その精神は現代においても深く考えさせられるものとなっています。

さらに読む ⇒現代ビジネス | 講談社 @gendai_biz現代ビジネス | 講談社 @gendai_biz出典/画像元: https://gendai.media/articles/-/86500?page=1&imp=0

3000日の修行を経て土中入定…想像を絶する過酷さですね。

湯殿山信仰は、南北朝時代から続く、特に真言宗寺院で盛んな信仰で、その拠点寺院には、即身仏と呼ばれるミイラ化した修行者の遺体が安置されています。湯殿山は、古来より出羽三山の奥の院として崇められており、温泉が湧き出る巨岩が御宝前とされ、江戸時代には天台宗との対立が深まり、真言宗の支配下に置かれました。真言宗側は、湯殿山で一世行人と呼ばれる修行者を育成し、布教活動を通じて天台宗に対抗しました。一世行人は、僧侶や修験者とは異なる厳しい修行を行い、湯殿山の仙人沢に籠もり、冬山に生き延びるための独自の技術を習得したと考えられます。彼らは生きたまま棺に入り、土中に埋められる「土中入定」で葬られ、3年3カ月後に掘り出され、即身仏となりました。しかし、1960年代に行われた調査では、ほとんどの即身仏が死後に加工されていたことが明らかになりました。このように、湯殿山信仰の拠点寺院に安置される即身仏は、厳しい修行と、死後の加工によって生まれたものであり、その背景には、宗教勢力間の対立と、厳しい自然環境での生存戦略が複雑に絡み合っていることがわかります。

ええ、まさに信仰の力、そして、人間の精神力の凄まじさを感じますね。

いや~、ホンマにすごいわ。3000日って、ほぼ10年近くやで!

3000日って、本当に長い間ですね…命をかけて信仰に生きるって、すごいことだと思います。

湯殿山信仰の広がりと即身仏への道

湯殿山信仰は、長い年月を経て、各地に広がったんですね。

🔖 関連記事の要約!即身仏が語りかけるもの
即身仏が語りかけるもの

✅ 即身仏とは、自らの体を仏として捧げる極めて厳しい修行によって成仏したもので、飢饉や病の苦しみを代行して救うために修行に挑みます。

✅ 即身仏となるには、木食修行と土中入定という2つの修行が必要で、木食修行では山に籠り、木の実や山草のみで生活し、肉体の脂肪分を落とします。土中入定では、命の限界が近づくと深さ3mの穴に籠り、断食や鈴の鳴らし、お経を読みます。

✅ 即身仏は、ミイラとは異なり、人工的な加工や布でくるむことはなく、修行に耐え抜いた末に自然な状態で成仏したものです。現在では法律により、自ら望んで即身仏になることはできません。

さらに読む ⇒ 山形県の公式観光・旅行情報サイト 山形県の公式観光・旅行情報サイト出典/画像元: https://yamagatakanko.com/sokushinbutsu

即身仏になるまでの修行は、本当に過酷で、命がけですね…。

湯殿山信仰は、長い年月を経て、各地にその影響を広げ、現在では山形県内に6体の即身仏が庄内地方に、2体が置賜地方に存在しています。これらの即身仏は、江戸時代に湯殿山信仰の拠点となった寺院で護持されています。湯殿山系即身仏は、厳しい修行によって成し遂げられたもので、「仙人沢での山籠り、千日行、五穀断ち、十穀断ち、土中入定」といった段階を踏みます。仙人沢で行われる山籠り(千日行)は、三年、六年、九年と千日単位で続けられ、冬には雪の中で水垢離をとるなど、厳しい修行が行われました。次に、五穀断ち、十穀断ちといった木食行を行い、体内から脂肪と水分を取り除き、肉体を枯渇させることで、死後、即身仏となりやすい体を作ります。その後、土中入定を行い、鉦を打ち鳴らし読経をしながら三年三ヶ月間、土の中で過ごした後、掘り出され、即身仏として祀られます。修行は非常に過酷であり、多くの行者が途中で命を落としたとも伝えられています。現存する即身仏の裏には、多くの行者の犠牲があることを忘れてはなりません。

湯殿山信仰は、歴史と文化の深みを感じますね。

そこまでして、何で即身仏になろうとするんやろ?

修行の過程が詳しく書かれていて、当時の様子が想像できます。

即身仏への注目と安置寺院

即身仏は、貴重な存在なんですね。

🔖 関連記事の要約!日本のミイラ?即身仏を2体同時に拝観できる海向寺は異世界への扉か

公開日:2023/01/23

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✅ 即身仏は、長年の厳しい修行の末、瞑想状態で亡くなった仏様のことであり、エジプトのミイラのように防腐処理されたものではない。

✅ 即身仏になるための修行は、体づくりから始まり、木食修行によって脂肪を落とし、自分の命の限界を感じた後に漆の樹液を飲んで土中入定を行う。

✅ 厳しい修行の末、即身仏になった者はごくわずかであり、明治10年には即身仏になるための修行は禁止された。現在、全国には17体の即身仏が安置されており、貴重な存在となっている。

さらに読む ⇒庄内旅型録|庄内地方(酒田市・鶴岡市)の観光と体験庄内旅型録|庄内地方(酒田市・鶴岡市)の観光と体験出典/画像元: https://trip-catalog.shonai-airport.co.jp/introduce/article07/

海向寺には2体の即身仏が安置されているんですね。

2018年12月25日以前は地元の人々にのみ知られていた即身仏ですが、ミシュランガイドや小説への掲載により注目を集め、国内外から多くの人が訪れるようになりました。即身仏になるための修行は、「木食修行」と「土中入定」の2つに分かれます。木食修行は、山に籠り、米麦などを食べずに木の実や山草だけで過ごして肉体の脂肪を落とし、即身仏に近い状態に体をつくりあげる修行です。命の限界が近づいたと悟ると、深さ3mの穴に籠り、断食、鈴を鳴らし、お経を読む最後の修行「土中入定」に入ります。死後3年3ヶ月後に掘り起こされ、即身仏として安置されます。山形県にある海向寺、湯殿山瀧水寺大日坊、湯殿山注連寺には、それぞれ即身仏が安置されています。海向寺には忠海上人と円明海上人の2体の即身仏が安置されており、複数の即身仏を安置しているのは全国で唯一です。湯殿山瀧水寺大日坊には真如海上人の即身仏が安置されており、徳川将軍家の祈願寺であり、春日局が竹千代(後の第三代将軍徳川家光)のために祈願した寺として知られています。湯殿山注連寺には、鉄門海上人の即身仏が安置されています。各寺院では、即身仏になることを決めた僧侶たちの熱意や修行の厳しさを伝える貴重な資料が展示されています。

ミシュランガイドに掲載されたことで、注目度が高まりましたね。

ミシュランガイドに載ってるんや!そりゃ、観光客も増えるわな!

海向寺に行ってみたいです!

即身仏になるための修行

湯殿山での修行は、本当に過酷だったんですね。

🔖 関連記事の要約!即身仏:厳しい修行の果てに涅槃(ねはん)を目指したミイラ仏

公開日:2023/07/01

即身仏:厳しい修行の果てに涅槃(ねはん)を目指したミイラ仏

✅ 湯殿山信仰において、即身仏は真言宗寺院に多く安置されており、特に山形県庄内地方と置賜地方には6体と2体が存在します。これらの即身仏は江戸時代に湯殿山信仰の拠点となった寺院に安置され、湯殿山は古来より出羽三山の奥の院として崇められてきました。

✅ 江戸時代に湯殿山で修行を行った一世行人は、厳しい修行を経て即身仏となりました。彼らは木食行や湯殿山の仙人沢での修行を行い、冬は温泉ドームから湧き出る熱湯を利用して暖をとったとされます。しかし、1960年代の調査で、ほとんどの即身仏が死後に加工されたことが判明しました。

✅ 湯殿山での即身仏信仰は、真言宗が天台宗に対抗するために、布教活動を行うための手段として一世行人を活用したことに起因すると考えられます。しかし、一世行人は僧ではなく、髪の毛を伸ばし、修験者のような装束ではなく結袈裟を身につけており、湯殿山で宗教活動を行った集団の構成員として注目されています。

さらに読む ⇒nippon.comnippon.com出典/画像元: https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02008/

1960年代の調査で、加工されたことが判明したんですね。

即身仏は、生きたまま土中に入定し、死後、遺体が乾燥してミイラ化したものです。即身仏になるには、まず「木食行」と呼ばれる、米や麦などの穀物を断ち、草花や木の実だけを口にして命を繋ぎながら体内の水分や脂肪を削ぎ落としていく修行が必要です。木食行が終わると、土中に組まれた石室に生きたまま入り、「土中入定」と呼ばれる修行を行います。石室の中で、水と空気以外は一切口にせず、鈴や鉦を鳴らして無言の行を続け、やがて絶命します。遺体はその後、乾燥や衣装の手当などが施され、即身仏として祀られます。現在、日本国内で本物の即身仏が祀られている場所は17箇所あり、そのうち山形県には10箇所、新潟県には5箇所あります。

宗教勢力間の対立が、即身仏信仰に影響を与えたという点は興味深いですね。

加工って、どういうことなんやろか?

湯殿山の歴史や信仰について、もっと知りたいです。

即身仏になることへの挑戦と失敗

失敗すると、厳しい罰則が科せられるんですね。

🔖 関連記事の要約!‌即身仏に失敗するとどうなるの?過酷な修行の実態を解説【画像有】

公開日:2021/09/18

‌即身仏に失敗するとどうなるの?過酷な修行の実態を解説【画像有】

✅ この記事は、即身仏とは何か、その修行方法、失敗した場合の末路について解説しています。

✅ 即身仏はミイラ化した僧侶で、1,000日ごとの3つの修業によって達成されます。最初の1,000日は体脂肪を落とす、次の1,000日は木の皮と根だけを食べる、最後の1,000日は石室に生き埋めにされます。

✅ 即身仏に失敗した場合、処刑される、白骨化する、無縁仏で処分される、回収されずに忘れ去られるなどの末路が待っています。厳しい修行ゆえに多くの僧侶が失敗し、現存する即身仏はわずか17体ほどであるとされています。

さらに読む ⇒子供と一緒に楽しく遊べる手作りおもちゃ♪子供と一緒に楽しく遊べる手作りおもちゃ♪出典/画像元: https://okapon-info.com/archives/18117

即身仏になるのは、本当に困難だったんですね。

即身仏は、僧侶が厳しい修行を経て自ら地下の石室に入り、絶命することでミイラ化することを目指すものです。しかし、修行中に断念したり、遺体が腐敗したり、発見されないまま忘れられたりと、失敗に終わるケースも存在しました。修行に失敗した場合、僧侶は自害を命じられるなど厳しい罰則が科せられました。また、遺体が腐敗しミイラ化しない場合は、白骨化または無縁仏として供養されました。中には、遺体が見つからないケースもあり、その存在は文献記録のみで確認されることもありました。即身仏に失敗する主な原因としては、修行の過酷さに耐えかねて断念してしまうこと、遺体が腐敗してしまうこと、そして遺体が発見されずに忘れられてしまうことが挙げられます。厳しい修行と自然環境の影響によって、即身仏になることは非常に困難で、現存する即身仏は、これらの困難を克服した稀有な存在といえます。即身仏は、単なるミイラではなく、生きたまま自らの命を投げ打って衆生を救うことを目的に修行した僧侶であることから、今もなお人々に崇められています。

失敗するリスクを考えると、挑戦する僧侶の覚悟が凄いですね。

失敗したら、自害って、ホンマに厳しいな…。

修行の過酷さが伝わってきました。

今回の記事では、湯殿山信仰と即身仏について、その歴史と修行、そして、現代における注目度などについて解説しました。

🚩 結論!

💡 湯殿山信仰は、真言宗寺院を中心に、古くから続く信仰です。

💡 即身仏は、生きたまま土中に埋葬され、ミイラ化した修行者の遺体です。

💡 即身仏は、近年、ミシュランガイドや小説への掲載により注目を集めています。