王毅外相の外交戦略とは?欧州・米ロとの関係を読み解く(?)王毅外相の外交手腕:ウクライナ、米ロ、欧州との駆け引き
2024年、王毅外相が多角的な外交を展開。欧州への協調呼びかけ、ウクライナ問題での積極姿勢、米国の新政権との関係模索。中露関係を重視する中、欧州との溝も。複雑化する国際情勢の中、中国の思惑と各国の思惑が交錯する。
💡 王毅外相は、欧州との関係強化を目指し、経済協力を重視しつつも、中ロ関係が障壁となっている。
💡 中国は、ウクライナ和平に向けた米ロ協議を支持し、建設的な役割を担う姿勢を示している。
💡 中国は、ウクライナとの関係を強化し、和平交渉への関与と大国としての存在感を示そうとしている。
それでは、中国の外交政策に関する全体像を掴んでいきましょう。
まずは、この記事で皆様に知っていただきたい3つのポイントをご紹介します。
欧州へのアプローチと中ロ関係の影
中国、欧州との関係強化狙うも、最大の障壁は?
ロシアとの関係が欧州との協調を阻む。
本章では、中国と欧州の関係に焦点を当て、王毅外相のミュンヘン安全保障会議での発言内容を詳しく見ていきましょう。

✅ 王毅外相はミュンヘン安全保障会議で演説し、中国の発展、中国と世界の関係、中国と欧州の協力について中国側の立場を説明した。
✅ 中国は他国との対立ではなく信頼できるパートナーであり、制度の輸出や競争は行わないと表明し、欧州との関係は戦略的観点から捉え、パートナーとして包括的な協力を継続・開拓したいと述べた。
✅ 中国EU関係、中国EU投資協定、多国間主義、新疆問題についても言及し、虚偽情報や政治ウイルスによって関係が損なわれないように、強固な民意と社会の基盤を固める必要性を訴えた。
さらに読む ⇒人民日報出典/画像元: http://j.people.com.cn/n3/2021/0526/c94474-9854236.html中国は、欧州との関係を戦略的に捉え、経済的な協力を深めたいと考えていることが分かります。
しかし、ロシアとの関係が対中政策に影響を与える可能性があり、今後の動向が注目されますね。
2024年、中国の王毅外相はミュンヘン安全保障会議で、欧州各国に対し、世界情勢の変化に関わらず、中国が安定をもたらす力となると呼びかけ、協力を促しました。
これは、トランプ前大統領の再選による米国の政策変更を懸念する欧州に対し、関係強化の機会と捉えたものです。
王氏は、国内経済の低迷と米中摩擦という課題を抱える中、EUとの関係修復を急務としており、地政学的・思想的な対立を超えて協力すべきだと訴えました。
しかし、専門家は、中国がロシアとの関係を重視している点を、欧州との協調における大きな障壁と指摘。
実際、ロシアのウクライナ侵攻以降、中露両国は関係を強化し、中国はロシアへの制裁を批判せず、経済的支援も行っています。
このため、欧州は中国の海外政策に警戒感を強め、対中政策の見直しを進めています。
なるほど、中国は欧州との関係強化を模索しているんですね。経済的な繋がりを重視しつつ、ロシアとのバランスをどう取るのか。今後の外交戦略を占う上で、非常に興味深いポイントですね。
米ロ協議への支持と米中関係の模索
中国、ウクライナ和平に本気? トランプ氏支持の真意とは?
政治的解決を支持。実質関与は懐疑的。
次に、王毅外相がG20外相会合で示した、米ロ関係に対する中国の姿勢とその背景について見ていきましょう。
公開日:2025/02/21

✅ 中国の王毅外相が、G20外相会合で、ウクライナでの戦争終結に向けたトランプ前米大統領のロシアとの合意を目指す姿勢を支持。
✅ 中国は、米ロ関係の改善やウクライナ危機の政治的解決に概ね前向きであり、『平和に資する全ての努力を支持する』と表明し、建設的な役割を果たし続ける意思を示唆。
✅ 専門家からは、中国がウクライナの復興への参加を視野に入れ、交渉のドアを開いたままにしたい意向や、欧州安全保障構造への関与を強めたい思惑も指摘されている。
さらに読む ⇒ロイター 経済、株価、ビジネス、国際、政治ニュース出典/画像元: https://jp.reuters.com/world/ukraine/ZRN4E3S5PNI6ZI6LNADNQW47ZA-2025-02-21/中国は、米国との関係改善にも意欲を示し、トランプ前大統領との関係に期待している様子が伺えます。
地政学的リスクを避ける姿勢は、今後の外交戦略にも影響を与えそうですね。
王毅外相は、G20外相会合でも、ウクライナでの戦争終結に向けたトランプ氏のロシアとの合意を目指す姿勢を支持しました。
中国外務省は「平和に資する全ての努力を支持する」と表明し、政治的解決に向けた建設的な役割を担うと強調。
しかし、アナリストからは、中国は地政学的リスクを避けたいと考えており、現時点での実質的な関与には懐疑的な見方が出ています。
中国は、ウクライナ復興への参加も視野に入れ、交渉のドアを開けておきたいと考えているという見解も。
また、米国との関係においては、トランプ氏が習近平国家主席との関係はコロナ以前は良好だったと述べ、両国が世界のあらゆる問題を解決できる可能性にも言及しました。
王氏は、米国の新政権が「正しい選択」をし、協力することで課題を克服できると述べ、互恵的な協力と誤解の解消を期待している姿勢を示しました。
うーん、中国はしたたかやなぁ。米ロの仲を取り持ちつつ、自分の利益も確保しようとしてる。トランプさんとの関係も利用して、上手く立ち回ってるわ。
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中国とウクライナが友好関係を再確認。中国はウクライナ危機解決に積極関与し、米国との関係にも揺さぶりをかける。