年収の壁問題、各党の減税案はどうなる？（所得税、社会保険、労働意欲への影響？）年収の壁引き上げ案、与党と国民民主党の減税シミュレーション

それでは、年収の壁問題について、詳しく見ていきましょう。

まずは、この問題で何が起きているのか、そしてその解決策についてご紹介します。

年収の壁問題の背景と各党の提案

年収の壁問題は、日本の労働市場における大きな課題の一つです。

今回は、各党が提案する減税案について、その内容と背景を探ります。

年収の壁」引き上げ与党案で、期待の減税額は？年収万円の人は国民民主案なら万円だったけど…：東京新聞デジタル

✅ 2025年度の与党税制改正大綱における年収の壁の引き上げ案は、国民民主党案に比べて減税効果が小幅で、定額減税よりも手取り増の幅が小さい。

✅ 与党案の減税額は年収500万円でも1万円程度と試算され、国民民主党案（13万3000円）との差が大きい。

✅ 引き上げ幅が20万円にとどまったことが減税効果を小さくした要因で、特に年収約190万円以上の人は給与所得控除拡大の恩恵を受けにくい。

さらに読む ⇒東京新聞出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/374971

減税額の差や、減税効果の対象となる年収層の違いなど、様々な角度から議論が交わされていることが分かりますね。

日本の労働市場には、103万円と130万円を筆頭に、複数の「年収の壁」が存在し、これが労働意欲の抑制や経済への悪影響をもたらしています。

103万円の壁は所得税の課税基準であり、130万円の壁は社会保険料の加入基準です。

この問題に対し、国民民主党は103万円の壁を178万円に引き上げる減税策を提唱しました。

これは、低所得層の所得向上と、労働時間の調整による収入抑制を防ぐことを目的としています。

一方、与党は財政への影響や制度の簡便さを考慮し、123万円を壁とする修正案を提示。

さらには、年収200万円以下の層を対象に150万円に引き上げる案も浮上しています。

これらの提案は、それぞれ労働者の手取り収入、税収への影響、そして扶養控除制度への影響を考慮したものです。

与党と国民民主党の間の溝を埋めるべく、現在も協議が続けられています。

なるほど、党によって減税の恩恵を受けられる層が異なるのですね。個々の状況に合わせて、どの案が有利なのかをしっかり見極める必要がありそうです。

減税シミュレーションと財政への影響

Chapter-2では、各党の減税シミュレーションと、その財政への影響について詳しく見ていきます。

万円の壁の引き上げによる減税額の試算

✅ 国民民主党が提言する基礎控除75万円引き上げによる減税の効果を試算し、年収200万円から2700万円までの減税額を提示しています。

✅ 試算では、年収が増えるにつれて減税額も増加する傾向があり、特に高所得者層ほど減税効果が大きくなることが示されています。

✅ 記事では、所得税や住民税の計算方法、Excelや確定申告書を活用した減税額の試算方法についても触れています。

さらに読む ⇒個人事業で開業しよう出典/画像元: https://www.private-business.jp/kakutei/103wall-simulation.html

減税による手取り収入の変化や、それによる消費への影響など、多角的な視点からの分析が興味深いですね。

各党の提案による減税効果は、年収別にシミュレーションされています。

例えば、178万円の壁が実現した場合、年収300万円の労働者は約11万円の減税となり、これは年収の約3.78%に相当します。

より広範な年収層を対象としたシミュレーションも行われており、年収200万円から2000万円までを詳細に比較しています。

123万円の壁の場合、給与所得控除が増えるのは年収190万円未満の人に限られます。

これらの減税策は、可処分所得の増加による個人消費の拡大、ひいてはGDPの押し上げを期待されています。

国民民主党の減税策が実現した場合、約725万人の給与所得者が恩恵を受け、年間約1033億円の所得税が減額されると推計されています。

ただし、減税分の多くが貯蓄に回る場合、GDPへの影響は限定的であるとの試算もあります。

財源の問題も重要であり、与党が178万円ではなく123万円を提案した背景には、財政への配慮があります。

減税で消費が拡大するのはええけど、その財源どないすんねん！国民の生活を良くするのはええことやけど、ちゃんと将来のこと考えなあかんで！