高等教育改革の行方は? 少子化・質保証・財源問題、大学再編の現状と課題とは?2040年を見据えた高等教育改革の全貌
日本の高等教育、大改革へ!少子化と国際競争に対応し、大学の質保証、規模適正化、アクセス確保を強化。2040年の学生減を見据え、第三者評価導入や再編・統合支援も。地域連携による教育機会均等化、財政支援充実も目指す。文科省、夏に政策パッケージ発表。
💡 2040年を見据えた高等教育のグランドデザインが提示され、学修者本位の教育への転換が目指されている。
💡 大学の質保証システムの再構築が提言され、第三者評価制度の導入が重視されている。
💡 少子化に対応するため、大学の再編・統合や縮小・撤退への支援が明確に打ち出されている。
それでは、まず高等教育改革の全体像について、詳しく見ていきましょう。
高等教育改革の幕開け
2040年には大学進学者がどれくらい減る?
約17万人減少の見通しです。
2017年の諮問から始まった高等教育改革。
社会の変化に対応し、日本の将来を担う人材育成を目指します。

✅ 2017年の文部科学大臣からの諮問を受け、中央教育審議会が約1年8ヶ月かけて審議し、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」をまとめ、2040年頃を見据えた高等教育の将来構想について検討が行われました。
✅ 答申は、SDGs、Society5.0、人生100年時代、グローバル化、地方創生といった社会変化を予測し、学修者本位の教育への転換、教育研究体制の多様性と柔軟性の確保、人口減少を踏まえた規模の見直しなどを提示し、高等教育改革の方向性を示しています。
✅ 答申は、教育の質保証、社会人や留学生の受け入れ拡大、地域ニーズに応じた連携・統合の推進などを通して、高等教育が日本の新しい価値創出に貢献することを目指し、必要な政策の着実な遂行を求めています。
さらに読む ⇒特集年に向けた高等教育のグランドデザイン:文部科学省出典/画像元: https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201901/detail/1421755.htm高等教育が日本の新しい価値創出に貢献することを目指す答申。
政策の着実な遂行が求められるという事ですね。
日本の高等教育は、国際競争の激化と「知の時代」の到来を受け、教育研究水準の維持・向上が急務となっています。
中央教育審議会は、2024年2月21日に文部科学大臣へ答申を提出し、大学の質の保証に関する新たなシステムの構築を提言しました。
この答申は、少子化による学生減少を見据え、高等教育の将来像を示しており、2040年には大学進学者が約17万人減少する見通しです。
なるほど。2040年を見据えて、かなり大胆な改革案が出てるんやな。少子化で学生減るの見越して、大学も変わらなあかんということか。
質保証システムの再構築
大学教育の質を上げるには?
第三者評価制度の導入と機構の役割強化。
大学評価や質保証業務に関する情報提供。
大学関係者にとって役立つ情報がまとめられています。

✅ 大学等で初めて評価や質保証業務を担当する人向けに、関連コンテンツを紹介するページ。
✅ 過去のセミナーやワークショップのイベントアーカイブ、教育の内部質保証に関するガイドライン、説明動画、利用ガイドを掲載。
✅ 大学評価について分かりやすく説明するコンテンツ「機構の大学評価早わかり」や、研修でのワークシートも提供。
さらに読む ⇒独立行政法人大学改革支援・学位授与機構大学質保証ポータル出典/画像元: https://niadqe.jp/information/human/質保証システムの再構築は、教育の質の向上、規模の適正化、アクセス確保の3点を柱としています。
答申の柱は、「質の向上」「規模の適正化」「アクセス確保」の3点です。
「質の向上」では、成績評価に基づく厳格な「出口における質保証」を促進し、大学の教育の質を評価する新たな制度の導入を提案しています。
これは、大学が人材育成や学術研究における責務を果たすためのものです。
現状の日本の大学の質保証システムは、設置認可、自己点検・評価、外部評価機関の評価に依存していますが、これらの要素を見直し、第三者評価制度の導入を重視しています。
具体的には、機関別評価と専門分野別評価を組み合わせ、大学評価・学位授与機構の役割を強化し、国際的な質の保証の情報ネットワークを構築するとしています。
いやあ、大学の質を保証するって、なかなか大変な作業ですよね。第三者評価制度の導入って、具体的にどんな感じになるんやろ?
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少子化に対応!大学再編、財政支援で高等教育を変革。地域連携強化、教育格差是正、そして10年後の未来へ。文科省が政策パッケージを策定。