JR西日本、赤字ローカル線をどうする? (経営課題と未来像)ローカル線存続の危機とは!?
💡 JR西日本の経営状況は、コロナ禍の影響で深刻化している。
💡 長谷川一明社長は、地方分散と非鉄道事業による収益拡大で経営立て直しを目指す。
💡 ローカル線の維持は難しい状況だが、地域との協働で将来を考える必要がある。
それでは、第一章、コロナ禍におけるJR西日本の経営課題から始めさせていただきます。
コロナ禍におけるJR西日本の経営課題
コロナ禍の影響は、鉄道業界全体に大きな打撃を与えているようですね。
公開日:2021/01/22
✅ JR西日本は、新型コロナウイルスの影響で利用客が減少し、経営が苦しい状況にある。
✅ 長谷川一明社長は、地方分散と非鉄道事業による収益拡大を経営の柱とし、収益改善を目指している。
✅ 具体的には、新幹線や特急など収益性の高い路線への集客強化、地方路線の維持と新サービス導入、不動産・ホテルなどの非鉄道事業への進出などを検討している。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20210122/ddn/008/020/002000c長谷川社長の戦略は、鉄道事業にとどまらない多角的な事業展開で、今後の状況次第では有効な手段となるかもしれませんね。
JR西日本は、2021年3月期に過去最大の赤字を計上しました。コロナ禍による利用客減少が主な原因です。2022年3月期は不動産売却益により最終黒字を見込むものの、安定的な収益確保には至りません。長谷川一明社長は、鉄道事業に依存しない収益源の拡大、物流事業への参入、旅客事業の柔軟な対応を進めていく方針を表明しました。変化への対応を促すため、割引切符などの企画を迅速に実行する体制を構築し、トライ・アンド・エラーを許容する企業文化を醸成していくとしています。コロナ禍はJR西日本にとって大きな試練となっていますが、長谷川社長は変化への対応を加速させることで、新たな成長軌道に乗せる意欲を示しています。
はい、まさにその通りです。コロナ禍は、鉄道事業にとっても大きな転換点と言えますね。
ほんまやな、コロナの影響は、経営だけやのうて、人々の行動パターンも変わってもうて、鉄道業界も大変やな。
コロナ禍で、電車に乗る機会も減りましたし、経済状況も不安定なので、今後の経営が心配です。
関西における鉄道の未来像
第二章は、関西における鉄道の未来像についてお話いただきましょう。
✅ JR西日本長谷川社長は、不採算のローカル線の存廃については、地域の公共交通として地方自治体が議論の主導権を持つべきだと考えていると表明しました。
✅ 特に輸送密度が低い大糸線(新潟県糸魚川市など)は、存廃検討レベルにあるとの認識を示しており、具体的な存廃判断は地域側の意向を重視する姿勢を示しました。
✅ 一方で、ローカル線の維持には多額の費用が必要となることから、地域側の財政負担や、地域活性化への貢献など、具体的な議論を促す必要性を強調しています。
さらに読む ⇒新潟日報デジタルプラス | 新潟県内のニュース、話題出典/画像元: https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/340189地域との連携を重視した考え方は、これからの地域交通のあり方にとって重要ですね。
長谷川一明社長は、神戸新聞社のインタビューに応じ、関西における鉄道の意義や赤字ローカル線問題、将来像について語りました。長谷川社長は、鉄道が日本の近代化をリードしてきた歴史を振り返りつつ、コロナ禍による社会変容が鉄道業界に大きな影響を与えていることを指摘しました。特に、人口減少とモータリゼーションの発達によって、鉄道は新たな時代を迎えていると述べています。赤字ローカル線問題については、沿線自治体や住民との連携による地域交通の最適化を重要視し、兵庫県における協議会設立の動きを高く評価しました。今後の関西における鉄道の役割として、うめきた新駅やリニア中央新幹線、北陸新幹線大阪延伸による海外とのつながり強化や、神戸空港の国際化による関西のハブ化などを挙げました。鉄道の将来像については、都市のコンパクトシティー化や地方の中核都市間を結ぶ鉄道の重要性を強調し、安全性の向上とともに、デジタル技術を活用したシームレスなサービス向上に力を入れていく考えを表明しました。長谷川社長は、鉄道が安全で快適な輸送モードとして、社会に貢献していくことを目指すと語りました。
そうですね。地域住民との連携なしには、持続可能な鉄道はあり得ません。
なるほどな、鉄道は地域にとって大切なインフラやけど、時代に合わせて変わっていかんとあかんねん。
関西の鉄道は、観光客だけでなく、地元の人々にとっても大切な存在なので、未来に向かって発展していくことを期待しています。
赤字ローカル線の現状
第三章では、赤字ローカル線の現状について詳しく見ていきましょう。
✅ JR西日本は2021年度の輸送密度を発表し、中国地方のローカル線10路線21区間で1キロ当たりの1日平均乗客数が2千人を下回ったことを明らかにした。
✅ JR西日本は、これらの区間について「JR単独での維持は困難」と発表しており、ローカル線の存続が危ぶまれている。
✅ 記事では、芸備線の輸送密度が特に低いことが示されており、5つの区間で2千人を下回っていることが報告されている。
さらに読む ⇒中国新聞デジタル出典/画像元: https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/223273輸送密度の低さは、ローカル線の維持の難しさを物語っていますね。
JR西日本は、2020〜22年度の営業収支が年度平均で237億8000万円の赤字だったと発表しました。これは、乗客の少ないローカル線17路線30区間における数値で、1キロメートル当たりの1日平均利用者数(輸送密度)が19年度で2000人未満の区間が対象となっています。赤字幅は19〜21年度と比べてやや縮小しましたが、地方の路線を巡る事業環境は厳しい状況です。特に、芸備線の東城―備後落合間は、100円の運輸収入を得るための経費が最も多く、1万5516円となっています。JR西日本は、利用者の少ない地方の路線について、収支を公表するのは3回目となります。輸送密度が2000人未満の区間について、「大量輸送という鉄道の特性を発揮できておらず、維持が難しい」と強調しています。22年度時点で、20路線33区間が輸送密度2000人を下回るなど、利用者の減少に歯止めがかかっていません。
はい。赤字ローカル線の問題は、単に鉄道事業者の問題ではなく、地域社会全体の課題として捉えるべきです。
ええっ、100円の収入を得るために1万5516円の経費がかかってるって!? ほんまに厳しい状況やな。
利用者の減少は、少子高齢化や人口減少の影響もあるのでしょうか?
赤字ローカル線の再構築に向けて
第四章は、赤字ローカル線の再構築に向けて取り組む現状についてです。
✅ JR西日本は、利用が低迷している芸備線の備中神代~備後庄原間について、国に「再構築協議会」の設置を要請しました。これは、全国で初めて協議会制度を利用した要請となります。
✅ 協議会では、鉄道存続かバスなどへの転換かを沿線自治体と協議し、原則3年以内に結論を出す予定です。
✅ JR西日本は、同区間を維持できないとし、沿線自治体は廃線を警戒していたため、議論が平行線をたどっていましたが、地域公共交通の再編関連法が施行されたことを受け、JR西日本が設置要請に踏み切りました。
さらに読む ⇒山陽新聞デジタル|さんデジ出典/画像元: https://www.sanyonews.jp/article/1459836地域公共交通の再編関連法の効果が期待されますね。
赤字路線の存廃議論を含めた議論を促すため、改正地域公共交通活性化再生法が10月に施行されました。JR西日本は、同改正法に基づく初の事例として、芸備線の備中神代―備後庄原の68.5キロメートルについて、再構築協議会設置を要請しました。沿線自治体が協議会に参加する意向を示したことを受け、国土交通省は「できるだけ早く設置したい」と表明しており、今後、再構築協議会を設置する方向で調整が進められます。JR西日本は、地域と連携して、より良い姿を構築したいと考えています。しかし、鉄道の維持を断念し、バス路線に切り替えようとしても運転手不足の問題が課題として残ります。
再構築協議会は、地域と鉄道事業者が協力して、最適な交通手段を検討する場として期待されています。
なるほど、協議会の設置は、地域住民の意見を反映する良い機会やな。
運転手不足の問題は、深刻ですね。地域公共交通の維持は、人材確保も課題です。
赤字ローカル線問題と今後の議論
最終章は、赤字ローカル線問題と今後の議論についてです。
公開日:2022/04/16
✅ JR西日本は、利用の少ないローカル路線の赤字額を初公表し、沿線自治体と今後の路線のあり方を議論したいと表明した。
✅ 同社は、ローカル路線の赤字が巨額であり、非常に切迫した状況にあるとして、関係する自治体に対して協議を呼びかけた。
✅ 兵庫県、鳥取県、関西広域連合、岡山県など、関係する自治体もローカル線の維持や活性化に向けて、JR西日本と連携して議論を進める意向を示している。
さらに読む ⇒@kobeshinbun出典/画像元: https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202204/0015217544.shtml国や地方自治体も、交通政策を見直す必要があると感じますね。
JR西日本は、2022年4月に赤字ローカル線の収支を公表し、社会的な議論を引き起こしました。長谷川一明社長は、国鉄から引き継いだ線区の利用客が大幅に減少し、人口減少も加わり、すべての路線を維持するのが困難な状況であると説明しました。これは特定の線区や鉄道事業者の問題ではなく、社会的な問題であると認識する必要があると強調しました。さらに、国土交通省の検討会で、国や地方自治体の交通行政・町づくりの在り方として議論が進められるようになった点を評価し、今後の議論に期待を表明しました。JR西日本の赤字ローカル線の維持・活性化策を検討する兵庫県の協議会が開催され、県や沿線市町は誘客イベントの充実などの対策を取りまとめました。しかし、JR西は、現状維持ではなく未来志向の議論を求め、路線維持だけでなく、別の交通機関への転換など、地域交通の幅広い議論を訴えました。JR西は、これまでの利用促進策が効果を発揮せず、利用者が激減している現状を指摘し、ノスタルジーではなく現実直視で議論を進める必要性を強調しました。一方、県は、協議会を通して厳しい状況を認識し、利用促進のための枠組みができたことに大きな意味があると述べています。協議会は今後も継続される予定です。JR西日本は、17路線30区間の収支を公表し、沿線自治体に協議を求めています。これは、利用者減少による収支悪化が深刻化している状況を明らかにし、地域の交通網のあり方について改めて議論を促すためです。長谷川社長は、鉄道が必ずしも輸送効率が高いとは限らず、利用者にとって便利なものではない場合もあることを指摘し、悪循環を解消するために、データに基づいた議論を必要としています。特に中国地方では、10路線21線区について申し入れを行い、地元自治体との協議を進めていく予定です。JR西日本は、コロナ禍による旅客収入の減少を受け、経営改善に取り組む。短期的な対策として投資の取捨選択を行い、経営改善を図る。長期的な対策としては、非接触、ソーシャルディスタンス、キャッシュレス化など、コロナ禍で生まれた新しい生活様式に合わせた事業のあり方を模索していく。また、日本の人口減少を見据え、経営のダウンサイジングも検討していくとしている。
赤字ローカル線の問題解決には、地域住民、鉄道事業者、行政の連携が不可欠です。
ほんまに、鉄道事業者だけで抱え込める問題やないねん。国や自治体も責任持って考えてくれんと。
地域に愛されるローカル線は、未来へ繋げたいですね。
今回の記事では、JR西日本の経営課題や赤字ローカル線問題について解説しました。
💡 JR西日本は、コロナ禍の影響とローカル線問題で経営難に直面している。
💡 地域との連携による再構築協議会が設置され、今後の議論が注目される。
💡 赤字ローカル線の存廃は、地域住民の生活や経済への影響を考慮し、慎重に検討する必要がある。