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アート界を揺るがすパレスチナ問題:表現の自由と検閲、そして連帯の行方?ベネチア・ビエンナーレからMoMA職員の訴えまで:アート界のパレスチナ問題への対応

2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃後、アート界はパレスチナ問題への対応を迫られています。作品撤去、公開書簡、抗議活動…アーティストや美術館職員は連帯を示し、MoMA職員は倫理的責任を問う。アイ・ウェイウェイは西側諸国の検閲を批判、ローリー・アンダーソンは職を失う。文化財貸与中止の動きも。パレスチナ擁護への抑圧も強まる中、アート界の動向に注目。

アート界を揺るがすパレスチナ問題:表現の自由と検閲、そして連帯の行方?ベネチア・ビエンナーレからMoMA職員の訴えまで:アート界のパレスチナ問題への対応

📘 この記事で分かる事!

💡 ヴェネチア・ビエンナーレのイスラエル館代表が、停戦成立まで開館を拒否。

💡 MoMA職員が、イスラエルによる攻撃停止とMoMAの姿勢を問う公開書簡を発表。

💡 アイ・ウェイウェイが、西側における言論統制と自己検閲を批判。

まずは、アート界が直面しているパレスチナ問題への様々な対応について見ていきましょう。

芸術界の反応:パレスチナへの連帯

パレスチナ問題にどう対応すべきか?アート界は今、何を考えている?

抗議と連帯の動き

今回の記事では、ベネチア・ビエンナーレでの出来事から、世界のアート界がパレスチナ問題に対してどのように対応しているのか、その現状を詳しく見ていきましょう。

国際美術展のイスラエル館、「人質交渉成立まで出展せず」代表アーティストが表明
国際美術展のイスラエル館、「人質交渉成立まで出展せず」代表アーティストが表明

✅ ベネチア・ビエンナーレのイスラエル館代表アーティスト、ルース・パティア氏は、イスラエルとハマスの間で人質解放と戦闘休止の交渉が成立するまでは開館しないと表明しました。

✅ パティア氏は、イスラエルの軍事行動に対する抗議として、自身の出展作品よりも自身とコミッショナーに注目が集まっている現状を訴え、文化的ボイコットには反対する一方で、注目を活用して行動を起こすことを決めました。

✅ この表明は、ベネチア・ビエンナーレへのイスラエル参加禁止を求める署名活動や、最近のアカデミー賞やグラミー賞などでの抗議活動を受けてのものと考えられます。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.cnn.co.jp/world/35217847.html

パティア氏の決定は、表現の自由と政治的スタンスを巡る複雑な問題を示唆していますね。

文化的なボイコットとは異なるアプローチで、問題提起を行うという姿勢は興味深いです。

2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃以降、世界のアート界はパレスチナ問題に様々な対応を見せています

一部のアーティストは、パレスチナへの連帯を示す抗議行動として、展示から作品を撤去したり、イスラエルのヴェネチア・ビエンナーレ不参加を要求する公開書簡に署名したりするなど、積極的に行動を起こしています。

これは非常に興味深い動きですね。アーティストが自らの作品を通してではなく、声明という形で政治的なメッセージを発信するというのは、新しい表現方法と言えるかもしれません。文化的なボイコットとはまた違ったアプローチですね。

美術館の責任:MoMA職員の訴え

MoMA職員は美術館に何を求めている?

紛争への明確な立場

MoMA職員による公開書簡は、美術館が持つ倫理的な責任を問い直すものであり、大きな波紋を呼んでいます。

美術館の使命に反する──職員が書簡を通じ、イスラエルのガザ攻撃に対する上層部の「深い沈黙」を批判
美術館の使命に反する──職員が書簡を通じ、イスラエルのガザ攻撃に対する上層部の「深い沈黙」を批判

✅ ニューヨーク近代美術館(MoMA)の職員が公開書簡を投稿し、イスラエルによるパレスチナへの攻撃停止とイスラエル・ハマス間の「無条件停戦」、そして同館の上層部に紛争に対して毅然とした態度を取るよう求めた。

✅ 公開書簡では、イスラエルによる集団リンチ、大量虐殺、ガザ包囲の停止とイスラエル・ハマス間の「無条件停戦」を求めており、さらにMoMAに対し、パレスチナ・キャンペーン(PACBI)にコミットすることや、最低でもPACBIの原則と手法を学び、MoMAの活動の指針となる原則を策定、確立することを求めている。

✅ 公開書簡は、ガザの人道危機に対するMoMA上層部の「深い沈黙」について言及し、紛争に対するMoMAの現在の姿勢は美術館の使命に反すると批判し、パレスチナの文化遺産がイスラエルによる爆撃で損害を受けていることを強調している。

さらに読む ⇒(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/2043

美術館という公共性の高い場で働く人々が、明確な姿勢を求めるのは当然のことかもしれません。

組織としての倫理観が問われる事態と言えるでしょう。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の職員は、美術館の上層部に対して紛争に対する明確な態度をとるよう求める公開書簡を発表しました。

MoMA職員は、自分たちの職場がイスラエル・パレスチナ紛争に対して明確な立場をとることを要求しており、美術館の倫理的責任を問うていると言えるでしょう

MoMAの職員がこんなことまで言い出すとは、ちょっと意外やな。美術館も大変やなぁ。でも、こういう声が上がるってのは、それだけ問題が深刻ってことやろな。

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アイ・ウェイウェイが西側の検閲を批判!パレスチナ問題巡り、表現の自由は?芸術界で広がる連帯と抑圧。今後の動きに注目。