女王エリザベス1世の肖像画に隠されたメッセージとは?~肖像画にみる女王のイメージ戦略と時代背景~?エリザベス1世の肖像画に見る、権力と美学
美貌と権威を絵画で操った、エリザベス1世。ペリカンやフェニックス、虹など、肖像画に秘められた象徴は、彼女の統治戦略そのもの。若々しさを保ち、理想の女王像を国民に植え付けた。無敵艦隊の勝利、真珠の純潔、そしてチューダー家のバラ…歴史と美が融合した肖像画は、今も私たちを魅了する。
💡 エリザベス1世は、肖像画を通して自身の権威を示し、国民に理想的な女王像を印象付けました。
💡 肖像画には、女王の権力、純潔、そしてイングランドの支配を象徴する様々なモチーフが使用されています。
💡 『アルマダの肖像画』は、スペイン無敵艦隊との戦いの勝利を記念し、エリザベス1世のイメージを決定づけました。
それでは、エリザベス1世の肖像画が持つ意味や、その背後にある時代背景について、詳しく見ていきましょう。
エリザベス1世の肖像画戦略
エリザベス1世は肖像画でどんなイメージ戦略を用いた?
権威と理想像の表現
エリザベス1世の肖像画は、彼女が統治者としていかに優れていたかを示しています。
公開日:2024/08/23

✅ 「虹の肖像画」は、エリザベス1世が虹を掴み、平和のシンボルである虹をコントロールする姿を通して、自身が国に平和をもたらす存在であることを示しています。
✅ 肖像画には、エリザベス1世の知性を象徴する蛇や、純潔と貞操を象徴する真珠など、様々なシンボルが描かれており、女王の権威とイメージを効果的に表現しています。
✅ 肖像画には、ローブに無数の目と耳が描かれており、エリザベス1世が周囲すべてを見聞きし、常に警戒していることを示唆しています。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://chrysan-the.uk/%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E6%9C%9D%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%8E%8B%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%99%E3%82%B91%E4%B8%96%E3%81%AE/エリザベス1世が肖像画を通して自己演出を行い、国民に強い印象を与えようとしたことがよく分かります。
特に『虹の肖像画』は印象的ですね。
エリザベス1世は、肖像画を通して巧みなイメージ戦略を用いて、権威を高め、国民に理想的な女王像を印象付けていました。
それぞれの肖像画には、女王の権威や理想像を表す象徴やイメージが込められています。
例えば、『ペリカン・ポートレート』では、女王が身に着けたペリカンブローチが、自らを犠牲にするキリストを象徴し、国家への献身を表現しています。
また、『アルマダの肖像画』では、フェニックスが「再生」と「純潔」を象徴し、女王の理想像を表現しています。
これは、エリザベス1世が、常に若々しく、清らかなイメージで国民に映ることを望んでいたことを示しています。
『1575年頃の肖像画』は、女王41歳頃の肖像画で、シワを描かずに若々しさを強調していることが特徴です。
この肖像画からも、エリザベス1世が、年齢を重ねても美しく、若々しいイメージを保ち続けることに強いこだわりを持っていたことが分かります。
『虹の肖像』では、虹、太陽、蛇、ガントレットなどのモチーフを通して、女王の権威と平和への願いが表現されています。
虹は平和と希望を、太陽は権威と力強さを、蛇は知恵と狡猾さを、ガントレットは防御と力強さをそれぞれ象徴しています。
これらのモチーフを組み合わせることで、エリザベス1世は、平和を維持しながら、強さと知恵を持って国を統治していくという意志を表現しています。
ガウアー作『エリザベス一世像』は、エリザベス1世の力強さと勝利を象徴する素晴らしい作品です。
ガウアーは、エリザベス1世の肖像画を通して、彼女の権威と卓越性を表現することに成功しました。
このように、エリザベス1世は、肖像画というツールを通して、自分のイメージを戦略的にコントロールすることで、権力を維持し、国民に理想的な女王像を印象付けることに成功しました。
エリザベス1世のイメージ戦略は、まさに先見の明があったと言えるでしょう。肖像画の解釈は奥深く、興味深いですね。
エリザベス1世の代表的な肖像画6選
エリザベス1世の肖像画が表現するイメージは?
女王の力強さと威厳
エリザベス1世の肖像画は、彼女の多面的な魅力を伝えています。

✅ エリザベス1世は数多くの肖像画を残しており、その中で「ペリカン・ポートレート」「フェニックス・ポートレート」「虹の肖像」など、自身のイメージを象徴的に表す作品が特に有名です。
✅ これらの肖像画は、ペリカンやフェニックス、虹など、特定のモチーフを用いることで女王自身の美しさ、力強さ、そして国への献身などを表現しています。
✅ これらの肖像画を通して、エリザベス女王は自分自身を神格化し、強いリーダーシップと国家に対する献身を国民に印象づけようとしていたことがわかります。
さらに読む ⇒’美術を中心にさまざまな文化史関連本をご紹介します出典/画像元: https://hannaandart.com/entry/pelican-portrait-and-phoenix-portrait-and-snakeペリカンやフェニックスといった象徴的なモチーフを通して、女王の自己犠牲や再生への願いが表現されているのが興味深いですね。
美しさも表現されているのが素晴らしい。
エリザベス1世の肖像画6点を紹介します。
1. 『ペリカン・ポートレート』(1573年頃):ニコラス・ヒリヤード作。
女王の胸に輝くペリカンは、自らを犠牲にするキリストを象徴し、国に身を捧げた女王自身を表しています。
女王の顔は陰影がなく、白い肌で美しく描かれています。
2. 『フェニックス・ポートレート』(1575年頃):ニコラス・ヒリヤード作。
再生と純潔を象徴するフェニックスが描かれ、エリザベスが手に持つ赤薔薇はテューダー家のシンボルです。
3. 1575年頃の肖像画(ダーンリー・ポートレート):女王41歳頃の肖像画で、後の肖像画のお手本となりました。
シワがなく、若く美しい処女王の姿が描かれ、手も美しく表現されています。
4. 『虹の肖像』(1600年頃):アイザック・オリヴァー作。
オレンジ色のガウンには眼と耳、左腕には王冠をかぶり赤いハートをくわえる蛇が描かれ、女王は世界のすべてを見聞きし、正義と慎重さを象徴しています。
5. 『アーミング・ポートレート』(1588年頃または1592年頃):マルク・ゲリエ作。
女王は鎧を着用し、力強さと威厳を表現しています。
鎧は防御と権力の象徴であり、エリザベスが統治者としての役割を果たす決意を示しています。
6. 『ダイアナ・ポートレート』(1592年頃):マルク・ゲリエ作。
狩猟の女神ダイアナに扮したエリザベスが描かれ、彼女の卓越した力強さと独立性を強調しています。
彼女は、純粋さと権威を象徴する白い鹿と手を組み、女王としての威厳と力強さを表現しています。
これらの肖像画を通して、エリザベス1世は自分のイメージを演出することで、国民に強い印象を与え、神格化へと導きました。
女王の肖像画コレクション、まるでファッションショーみたいやな!いろんなドレス着て、自分が一番輝いてる姿を表現してるんやろな。
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エリザベス1世の肖像画、圧巻!無敵艦隊撃退を象徴する絵画。女王の権威と勝利を、真珠や地球儀など、隠されたシンボルで表現。歴史的遺産を読み解き、その魅力を堪能あれ!