原広司の建築と思想:境界、都市、そして未来への問いかけ?建築家 原広司:境界論、京都駅、そして多様な作品群
建築家・原広司。88歳で逝去した巨匠の建築と思想を紐解く。集落、巨大建築、境界論…時代を超える建築哲学を、代表作「京都駅」「梅田スカイビル」を通して読み解く。世界旅行で培われた着想、機能主義への挑戦、多様な表情を生み出す建築の秘密とは?隈研吾ら後進に与えた影響、そして建築の未来へのビジョンを今、知る。
💡 原広司は、建築における境界の概念を探求し、空間のあり方や都市との関係性を深く考察しました。
💡 代表作である京都駅や梅田スカイビルは、都市と建築の融合を具現化したものであり、その設計思想が評価されています。
💡 原広司の建築は、単なる構造物ではなく、人々の生活や文化に寄り添い、未来へと繋がる可能性を秘めています。
本日は、建築家・原広司氏の建築と思想について、様々な角度から掘り下げていきます。
まずは、原広司氏の建築と思想について、全体像を掴んでいきましょう。
原広司:建築家としての歩みと初期の思想
原広司の建築、何が革新的だった?
「様相論」による、変化を重視した建築。
本章では、原広司の建築家としての歩みと、初期の思想に焦点を当てます。
「境界論」が生まれる背景や、伊東豊雄氏との共通点から見えてくるものとは。
公開日:2023/12/27
✅ 原広司は、閉じた空間に孔を開けることで生じる境界を建築のテーマとし、伊東豊雄の論考と同様に、都市的な境界の背後に存在するものを探求した。
✅ 原広司は、反転幾何学を通して境界を理解し、表面が持つ厚みのなさ、表裏の無効化、強靭さという特徴を強調し、谷口吉生と同様に両義性とアイロニーを備えていると論じられている。
✅ 記事は、原広司の「境界論」における「反転」という概念が、表面の性質を浮き彫りにし、美術評論家宮川淳の指摘や、赤瀬川原平の作品との関連を示唆している。
さらに読む ⇒ BUNGA NET出典/画像元: https://bunganet.tokyo/kurakata13/原広司氏の建築哲学は、まるでパズルのようですね。
それぞれの要素が組み合わさり、一つの大きな作品を形成していく様子は興味深いです。
東京大学名誉教授であり、2025年1月に88歳で逝去した建築家、原広司。
彼の建築家人生は、日本建築界に大きな影響を与えました。
原広司は、集落や巨大建築をテーマに、科学、哲学、古典を深く参照した独自の建築論を展開し、その難解さにも関わらず、隈研吾や山本理顕など多くの著名な建築家を輩出しました。
機能主義的な均質空間に対して「様相論」を提唱し、雰囲気や佇まいなど変化する要素を重視しました。
原広司は、建築家を目指したきっかけや原体験、そして建築的命題について語り、自身の人生や建築に対する考えを整理し始めていました。
原広司先生の建築に対する姿勢は、まさに探求者ですね。境界というテーマを軸に、様々な角度から考察を深めておられる。非常に興味深いです。
境界論と建築における表現
原広司が重要視した建築要素は?
境界とその表情、身体性。
この章では、原広司氏の「境界論」をさらに詳しく見ていきます。
空間の曖昧性や多層構造といったキーワードから、彼の建築思想の本質に迫ります。
公開日:2017/03/21
✅ 原広司の様相論は、近代建築の機能主義を乗り越えるために、空間の曖昧性や時間的変化を取り入れ、部分が全体を超える手法を提唱した。
✅ 様相論は、多値論理に基づき、建築に多様な様相(表情、雰囲気など)を取り込むことで均質空間を批判し、オーバーレイによる多層構造を特徴とする。
✅ 原広司の様相論は、ボトムアップ型の思考に通じ、ヤマトインターナショナルなどの建築作品に具現化されており、現代のまちづくりにも示唆を与えている。
さらに読む ⇒建築討論WEB出典/画像元: http://touron.aij.or.jp/2017/04/3587様相論という言葉に、なんだか惹かれますね。
画一的な空間ではなく、多様な表情を持つ建築、素晴らしいですね。
原広司は、1981年の論考「境界論」において、建築における境界の重要性を考察しました。
閉じた空間に開けられた「孔」が、光や風、人々を呼び込み、最終的に境界が意味を付与される過程を論じています。
伊東豊雄の「記号に覆われた都市」との比較を通して、原広司は境界を空間を分節する「皮膚」として捉え、同時に「表情」も持つと指摘。
インドのジャイプールの「風の街」を例に挙げ、境界の身体性への繋がりを強調しました。
また、谷口吉生の作品に見られる「反転」という手法との共通点も示唆しました。
数学的な反転幾何学を通じて、表面が持つ「厚みのなさ」、「表裏の無効化」、「強靭さ」という特徴を強調しています。
境界を皮膚として捉えるってのが面白いな。まるで生きてるみたいや。ジャイプールの風の街とか、めっちゃエモいやん!谷口吉生さんの作品との共通点も、さすが着眼点が違いますわ。
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建築家・原広司。世界を旅し、地域と調和する建築を創造。京都駅や梅田スカイビルなど、時間や光を味方につけた多様な作品群は、今も人々を魅了し続けている。