日比EPAと経済協力関係:深化するパートナーシップの現在地と未来への課題?日比EPAの経済効果と安全保障連携、今後の展望
日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)は、貿易・投資を促進し、安全保障協力も深める戦略的パートナーシップ。インフラ整備、看護師受け入れなど多岐にわたる分野で連携する一方、有害廃棄物の問題など課題も。東アジア共同体構想を見据えた重要な一歩だが、EPAの効果は限定的で今後の展開が鍵。日比関係は、制度化を通じてフィリピンの発展を支える。
💡 日比経済連携協定(EPA)は、両国間の貿易・投資を促進し、経済協力を強化する目的で締結されました。
💡 EPAは、物品貿易の関税撤廃に加え、人材育成、インフラ整備、安全保障分野での協力も推進しています。
💡 日比EPAは、東アジア共同体構想における重要な一歩であり、今後の両国の関係強化に期待が寄せられています。
本日は、日比EPAを中心に、両国の経済協力と安全保障における連携について掘り下げていきます。
まずは、日比EPAの始まりと現状について、ご紹介いたします。
日比EPAの始まりと深化
日比関係、どう進化? EPA、ODA、安全保障… 焦点は?
経済から安全保障へ、協力関係を強化。
日比EPAは、2000年代初頭に始まり、近年では安全保障分野での協力も進んでいます。
第40回日比経済合同委員会会議では、今後の関係強化に向けた議論が交わされました。
✅ 日比経済委員会は、フィリピン・マニラで第40回日比経済合同委員会会議を開催し、「日本とフィリピンの次の10年に向けた関係強化」をテーマに、様々な分野での議論を行いました。
✅ 会議では、クリエイト法、食糧生産、人材活用、投資拡大などについて議論され、平子代表世話人は、日本の経験やテクノロジーの活用、人材育成の必要性などを示唆しました。
✅ 会議に先立ち、両国代表団はフィリピン運輸大臣を表敬訪問し、大臣は日本からの支援に感謝の意を表明し、両国の協力関係の重要性を強調しました。
さらに読む ⇒日商 Assist Biz出典/画像元: https://ab.jcci.or.jp/article/97331/会議では、様々な分野での協力について議論がなされ、両国の関係強化への強い意志が感じられました。
特に、日本の技術や経験の活用、人材育成の重要性が示唆された点が印象的です。
日本とフィリピンは、経済連携協定(EPA)を通じて関係を深めています。
2003年には、両国の経済関係の概観とEPAによる経済効果を分析した合同調整チームの報告書が発表されました。
この報告書は、貿易・投資の自由化と円滑化、協力分野に焦点を当て、物品貿易、投資、自然人の移動など多岐にわたる分野での協力の可能性を提示しました。
2017年には、フィリピンへのODAと民間投資を促進するため、日比経済協力インフラ合同委員会が設置されました。
2023年、日比関係は強化され、特に米国の影響を背景に安全保障分野での協力が進んでいます。
そして、2024年3月には、マニラで第15回合同委員会が開催され、インフラ整備、防災、保健分野での円借款の調印が行われました。
なるほど、日比EPAの深化は、両国の経済構造をより強固にするだけでなく、安全保障面での連携強化にも繋がっているんですね。2003年の報告書で示された協力の可能性が、現実のものとなってきているというわけですね。
EPAの戦略的意義と国内の賛否
日比EPA、その裏で何が?国民を揺るがした懸念とは?
有害廃棄物輸入の懸念、様々な問題点が指摘。
EPAの戦略的意義は、東アジア、ASEAN諸国全体との経済連携を強化し、将来的な東アジア共同体の実現を視野に入れている点にあります。
しかし、国内では様々な意見があります。
✅ 自由貿易協定(FTA)は、関税や非関税障壁を撤廃し貿易や投資を拡大するための協定で、経済連携協定(EPA)はFTAより広範囲の取り組みを含む。
✅ FTAはGATT・WTOに代わる迅速なルール作りとして活用されており、日本も複数のFTAを締結・交渉中である。
✅ 世界では465件のFTAが確認されており、日本は24件のFTA・EPAに関わっている。
さらに読む ⇒リベラルアーツガイド|-人文社会科学の第一歩をガイドする-出典/画像元: https://liberal-arts-guide.com/free-trade-agreement/EPAは、貿易自由化だけでなく、人材育成など多岐にわたる分野で協力しており、その戦略的意義は大きいと言えるでしょう。
しかし、国内での反対運動もあったんですね。
日比EPAは、日本にとってシンガポール、メキシコに続く3つ目の経済連携協定として昨年大筋合意し、東アジア共同体構想における重要な一歩となりました。
その戦略的意義は、東アジア、ASEAN諸国全体との経済連携、そして将来的な東アジア共同体の実現を視野に入れている点にあります。
EPAは、物品貿易の関税撤廃とフィリピン人看護師の就業に関する優遇措置を主な内容としています。
しかし、フィリピン国内では、EPAに対する反対運動も起きました。
その発端は、日本からの有害廃棄物輸入に関する懸念であり、貿易、投資、人の移動、国内労働者への影響、経済効果、憲法との整合性など、様々な問題点が指摘されました。
50以上のNGOが集まり「JPEPA批准阻止連合」(MJJC)が結成され、国民は上院議員へのロビー活動や情報提供を通じて、JPEPAがフィリピンに不利であることを訴えました。
えー、反対運動があったんすね!まぁ、どんなええことでも反対する人おるからなぁ。でも、日本からの有害廃棄物輸入ってのは、ちょっと引っかかるなぁ。もっと国民にも分かりやすく説明せんと、アカンってことやな!
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日比EPAで経済連携強化!貿易拡大、インフラ支援、人材交流も。安全保障協力も進み、フィリピンの持続的発展を後押し。今後の展開に注目!