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インド外交の変遷と未来:モディ政権下の課題と展望は?モディ政権による外交・経済政策の転換と課題

21世紀のインド外交を読み解く!モディ政権下で変貌を遂げる外交戦略を徹底解説。ヒンドゥー・ナショナリズムを基盤に、多角的な同盟と経済外交を推し進めるインド。中東政策、カシミール問題、LNGインフラ整備…その複雑な戦略と課題を浮き彫りにする。連立政権下の行方、中国との関係、そして日本の役割とは?インドのダイナミズムを凝縮した一冊。

📘 この記事で分かる事!

💡 モディ政権下でインドの外交政策は、非同盟主義から多角的なアプローチへと転換し、国際社会での存在感を高めています。

💡 経済成長を背景に、インドはインフラ整備を加速させ、LNGインフラへの投資を積極的に行っています。

💡 カシミール問題は、インド国内の政治的課題として存在し、国際社会からの関心も高い問題です。

本日は、インド外交の転換期におけるモディ政権の役割、外交政策、経済政策、そして国内政治に焦点を当て、その現状と将来展望について解説していきます。

インド外交の転換点:モディ政権の台頭と新たな方向性

インド外交、モディ政権でどう変わった?

多角的な同盟と民族民主主義への転換。

インドは、モディ政権下でナショナリズムを強め、外交・安全保障政策を転換しています。

民主主義の後退も国際的に指摘されており、評価改善に向けた対策が講じられています。

権威主義化するインド ──モディ政権の10年と次期総選挙

公開日:2023/12/04

✅ 日本とインドは「普遍的価値」を共有しているとされてきたが、モディ政権下でインドの民主主義が後退し、国際的な評価も悪化している。

✅ V-Demやフリーダムハウスなどの機関がインドの民主主義後退を指摘し、政府はこれに反論するとともに、評価改善に向けた対策を講じている。

✅ モディ政権は「民主主義の母国」としてのイメージを国内外にアピールしているが、近年の権威主義化により、インドは異なる政治体制へと変化しつつある。

さらに読む ⇒nippon.com出典/画像元: https://www.nippon.com/ja/in-depth/a09501/

モディ政権の外交政策は、インドを大国へと導くための大きな転換点と言えるでしょう。

しかし、国内の民主主義後退という課題も無視できませんね。

21世紀に入り、経済成長を遂げ国際的な地位を高めたインドは、世界的な大国を目指し外交政策を転換しています。

2014年のナレンドラ・モディ政権(BJP)発足は、この変化を加速させました。

モディ政権は、独立後のインド国民会議(Congress)政権下で確立された「世俗主義」という政治原則に疑問を呈し、新たな方向性を模索し始めました。

国内では「民族民主主義」を追求し、外交政策では、従来の非同盟主義を徐々に放棄し、複数の同盟を組み合わせる多角的なアプローチへとシフトしています。

BJPは、ヒンドゥー教を国民的アイデンティティとして推進し、ヒンドゥトゥバ(Hindutva)を掲げ、ムスリムコミュニティを標的にしています。

このような状況下で、モディ政権は中東に対し、経済的利益、安全保障、そして複雑な地域の地政学に対応するため、多面的なアプローチを採用しています。

興味深いですね。インドの外交政策の変化は、国際政治におけるパワーバランスの変化とも関連しているように思えます。非同盟主義からの転換という点も、今後の動向を注視する必要があります。

モディ外交の強みと課題:ナショナリズムとプラグマティズムの狭間で

モディ政権の外交、何が変わった?

トップダウン型で強硬姿勢、独自の外交を展開。

モディ政権は、ナショナリズムとプラグマティズムの間でバランスを取りながら、外交を進めています。

連立政権となったことで政策運営に変化が生じる可能性もあります。

2024年インド総選挙)第4回 第3期モディ政権の外交課題と展望(伊藤 融)

✅ 2024年インド総選挙の結果、モディ政権は3期目を迎えましたが、BJP単独での過半数割れにより連立を組む地域政党の影響力が強まり、外交・安全保障政策への影響は限定的と見られています。

✅ モディ政権は「先進国インド」の実現を目標とし、海外からの投資が不可欠であるため、西側諸国との関係を重視しています。対中関係は悪化しており、中国依存からの脱却を図っています。

✅ 西側諸国との関係では、人権問題や民主主義に関する懸念から軋轢が生じています。しかし、外交・安全保障政策は、モディとBJPの国家目標に資する方向で進むと予想されます。

さらに読む ⇒アジア経済研究所 - アジア経済研究所出典/画像元: https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2024/ISQ202420_026.html

モディ政権の外交は、まさに二律背反というか、難しい舵取りを迫られている状況ですね。

西側諸国との関係も、今後の課題となりそうです。

モディ政権の登場は、従来のインド外交からの脱皮を象徴しています。

モディ首相主導の「強い連邦政府」が復活し、トップダウン型の政策決定が顕著になりました。

首相と側近たちが外交・安全保障政策を主導し、外務省や伝統的なシンクタンクの影響力は低下しました。

モディ首相はヒンドゥー・ナショナリズムを基盤とし、安全保障問題では強硬姿勢を示し、インドの価値観発信や在外インド人との連携を強化する独自の外交を展開しています。

具体的には、日米豪との連携を強化しつつ、中国やパキスタンとの関係をヘッジする政策も行っています。

日本との関係は「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」に格上げされ、インド太平洋概念の受容とこれらの国々との連携強化を重視しています。

しかし、第3期モディ政権は連立政権となり、政権基盤が脆弱で、政策調整が必要となる可能性があり、経済改革の遅延や「ヒンドゥー国家」路線の希薄化も予想されます。

いやー、ほんまに難しい舵取りやなぁ。でも、インドが世界で存在感増してるのは間違いないから、目が離せへんわ。政治家も大変やね!

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モディ政権の経済外交と大胆な政策を解説!中国との関係、カシミール問題、中東政策に迫る。インフラ整備と課題、今後のインド外交の行方も分析。