部落問題とは?日本の歴史と差別、そして未来への課題(差別、同和地区、結婚、就職)?差別と向き合う。部落問題の歴史と現状
日本の被差別部落の歴史を紐解き、1000年前の起源から現代の課題までを解説。身分制度、差別意識、解放運動、同和対策事業、そして結婚・就職における差別問題に焦点を当てる。未解決の課題と、差別のない社会を目指すための啓発活動を紹介します。
💡 日本の部落問題は、江戸時代に身分制度によって固定化された被差別部落が起源です。
💡 明治維新後、解放令が出されましたが、差別意識は根強く残り、様々な問題が起きました。
💡 現代でも、結婚や就職における差別、同和地区の問題など、解決すべき課題が残っています。
それでは、まず日本の部落問題の歴史的背景から、現在の課題、そして未来への展望について、詳しく見ていきましょう。
日本の被差別部落の源流と身分制度の確立
日本の被差別部落、その始まりは?
1000年頃の「河原者」が源流。
部落問題は、日本の歴史の中で深く根付いた問題です。
その源流は、中世から近世にかけての身分制度に遡ります。
江戸時代には穢多や非人といった身分が定められ、差別されました。
公開日:2019/07/17
✅ 日本の部落問題は、職業差別に基づいた階級制度に起因しており、穢多や非人といった職業に就く人々への差別意識が根強く残っている。
✅ 江戸時代の階級制度において、穢多は死に関連する仕事(殯儀業、屠殺業など)に、非人は乞食や流浪者といった経済的に困窮した人々に割り当てられ、身分は世襲制とされた。
✅ 部落問題は、日本の伝統的な神道における「穢れ」の概念や、仏教の殺生を禁じる考え方が影響し、差別意識を助長する要因となった。
さらに読む ⇒風傳媒 | Storm.mg出典/画像元: https://www.storm.mg/lifestyle/1308190江戸時代の身分制度が部落問題の根幹にあると改めて認識しました。
特に、穢多や非人といった職業に対する差別意識が、現在にも影響を与えているという点は、深く考えさせられます。
日本の被差別部落の歴史は、1000年頃に遡る「河原者」などと呼ばれる人々がその源流である。
彼らは、死牛馬の処理、皮革製造、芸能などに従事し、賤民として差別を受けながらも、特別な能力を持つ存在として畏敬の対象でもあった。
身分は流動的であったが、神道や仏教の「ケガレ」観念は差別意識に影響を与えた。
15世紀後半の戦国時代には、皮革職人である「皮多」が武具の材料確保のために城下に集められ、死牛馬処理や皮革製造を担った。
江戸時代に入ると、身分制度は固定化され、被差別部落が制度的に確立する。
商品経済の発展による身分制の動揺に対し、幕府は締め付けを強化し、服装規制なども行った。
皮多は「穢多」と呼ばれるようになり、不浄視の側面が強まり、非人などの身分も出現。
身分・職業・居住地が固定され、身分移動は原則禁止となった。
なるほど、興味深いですね。中世から続く歴史の中で、差別がどのように形成され、固定化されていったのか。身分制度が、人々の生活や意識にどのような影響を与えたのか、もっと詳しく知りたいです。
抵抗運動と明治維新後の差別
被差別部落の解放運動、その始まりは何?
大正時代の全国水平社創立から本格化。
明治維新後、解放令が出されましたが、差別は簡単にはなくなりませんでした。
近代国家の形成過程において、被差別部落の人々は様々な困難に直面しました。
差別撤廃に向けた運動も起こりました。
✅ 明治維新後の近代国民国家形成における被差別民への差別問題に焦点を当て、その実態を複数の論文を通して実証的に考察した書籍。
✅ 本書は、職業観の形成、差別解除運動、様々な身分制度の解体、戸籍編成、分村運動、屠畜業、文明開化と差別、部落の起源説など、多岐にわたる視点から差別問題の歴史的変遷を分析している。
✅ 対象地域も畿内、兵庫、大和、近江など多岐にわたり、被差別民を取り巻く環境や人々の意識の変化を多角的に捉えている。
さらに読む ⇒株式会社解放出版社出典/画像元: https://www.kaihou-s.com/smp/book/b576053.html解放令が出された後も、差別がなかなか解消されなかったというのは、非常に重要なポイントですね。
制度が変わっても、人々の意識が変わらないと、問題は解決しないという教訓ですね。
1800年代には被差別部落の人々の抵抗運動が起こり、討幕運動の中で身分解放を求めて活躍する者も現れた。
明治維新後、1871年に賤称廃止令が出されたものの、差別意識を払拭する教育や職業選択の機会は十分に与えられなかった。
皮革・食肉産業への資本参入により貧困化が進み、農村では小作、都市では日雇い労働者として生活を余儀なくされた。
社会的には「元穢多」「新平民」「特種部落民」などと呼ばれ、差別は継続した。
このような状況下で、大正時代には部落解放を求める全国水平社が創立され、差別撤廃に向けた闘いが本格化した。
いやー、ほんま、明治維新で変わると思いきや、そう簡単にはいかんかったんやな。でも、そんな中でも闘い続けた人たちがいたってのは、希望やね。全国水平社の話とか、もっと詳しく聞きたいわ!
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歴史的背景を持つ同和地区。今も残る差別問題と、その解消に向けた取り組みを解説。結婚、就職、地域社会…あらゆる場面で、偏見をなくし誰もが尊重される社会を目指す。