香港デモはなぜ起きた? 親中派と若者の間の溝が深まる香港の民主化運動の現状とは!?
💡 香港の政治では、親中派の影響力が強まっている。
💡 若者の政治への関心が低迷している。
💡 香港のアイデンティティと中国政府の関係が変化している。
それでは、最初の章に移りましょう。
香港政治における親中派の影響力と若者の政治への関心の低迷
香港の政治状況は、近年大きく変化していますね。
公開日:2021/12/20
✅ 2021年12月19日に行われた香港の立法会選挙で、中国政府寄りの親中派が圧勝し、親中派は90議席中82議席を獲得しました。
✅ 今回の選挙は、中国政府による香港選挙制度の変更後初めての実施され、事前審査によって事実上民主派は排除されました。
✅ 投票率は過去最低を記録し、一部の民主活動家からはボイコットや白票の投票が呼びかけられていましたが、中国政府は「秩序の回復した」新時代であると主張しています。
さらに読む ⇒BBC Home - Breaking News, World News, US News, Sports, Business, Innovation, Climate, Culture, Travel, Video & Audio出典/画像元: https://www.bbc.com/japanese/59724667親中派の圧勝は、香港の民主化運動にとって大きな痛手ですね。
香港では、近年、親中派の組織力と民主派の組織力の差が顕著になってきました。民主派候補の得票数は親中派に届かず、特に独立派は代表する候補者が不在で、投票に行かない人も増えています。親中派は組織票が強く、地域住民の集まりなどが積極的に投票を呼びかけています。一方、香港の若者たちの政治に対する関心が薄れているという声も聞かれます。2016年の立法会選挙では雨傘運動の元リーダーが当選したものの議員資格が無効となり、若者たちに政治への無力感が広がっています。さらに、ソーシャルメディアの利用状況の変化も、政治への関心に影響を与えています。若者たちはフェイスブックよりもインスタグラムやスナップチャットを好む傾向があり、写真や動画が中心のこれらのプラットフォームで、どのように政治を伝えられるかが課題となっています。
そうですね。若者の政治への関心が薄れているのは、深刻な問題です。
ホンマやなぁ。若いもんは、スマホばっかり見てて、政治には興味ないんやろか?
私も、政治のことよく分かりません。でも、香港の未来が心配です。
香港のアイデンティティと中国政府による影響力拡大
香港のアイデンティティは、非常に複雑な問題ですね。
公開日:2023/06/04
✅ 香港では、かつて天安門事件の追悼集会が行われていたビクトリア公園において、中国当局の統制が強まったことで、親中派団体が主催するイベントが開催され、中国ムード一色となっている。
✅ 長年にわたり天安門事件の犠牲者を追悼する「聖地」として知られていたビクトリア公園は、今では中国国旗が翻り、中国各地の文化や商品の販売が行われる場所へと様変わりした。
✅ 民主派の市民は、自由な発言が難しくなる中、ひそかに別の形で犠牲者の追悼を模索しており、香港における天安門事件の記憶継承は困難な状況にある。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20230604/k00/00m/030/172000cビクトリア公園の現状は、香港の自由が制限されていることを示していますね。
香港政府は、中国大陸との経済一体化を進めており、高速鉄道や海上大橋などを通じて、香港の香港らしさが失われつつあるという懸念も広がっています。中国政府による愛国教育が小中学校にも導入され、香港人の思想統制が行われているとの指摘もあります。今年で天安門事件から30年が経過しますが、香港では一党独裁に反対する声が高まっています。親中派は、一党独裁に反対するスローガンを問題視し、民主派への弾圧を強めています。
香港のアイデンティティは、中国と英国の文化が混ざり合った独特なものだと思います。
ビクトリア公園、昔はデモの聖地やったなぁ。今は、中国一色やもんな。
中国政府の影響力が強くなっているのは、少し怖い気がします。
香港デモ 若者たちの抗議活動と警察・司法当局との対立
香港のデモは、若者たちのエネルギーを感じますね。
✅ 香港国際空港で数百人の民主派活動家が到着ロビーを占拠し、3日間の抗議行動を実施。これは「逃亡犯条例」改正案への反対運動の一環であり、香港での抗議活動は10週末連続となる。
✅ デモ隊は「香港の人々、加油(がんばれ)」と連呼し、プラカードを掲げ、到着客にデモの原因や要求を説明するチラシを配布するなど、空港内での抗議活動を展開した。
✅ 香港政府は現状維持戦略をとっているとみられ、空港当局は警備員を増員し、運航への影響を最小限に抑えるためにチェックインエリアへの入場規制などを実施している。
さらに読む ⇒ CNN ...出典/画像元: https://www.cnn.co.jp/world/35141154.html香港国際空港でのデモは、国際的な注目を集めましたね。
2019年6月、香港では過去最大規模のデモが複数回発生しました。その中心にいたのは、20歳前後の若者たちでした。彼らは、中国本土への犯罪者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対し、政府に抗議を行いました。若者たちは、2014年の「雨傘運動」ではまだ若く、デモに参加する機会がありませんでした。しかし、当時の経験から「一国二制度」が2047年に失効し、香港が中国に吸収される可能性を感じ、今回のデモに強い危機感を持って参加したと考えられます。彼らは、逮捕されるリスクを恐れながらも、マスクや偽名を使用し、ソーシャルメディアでの発言を慎重にするなど、巧みな方法で抗議活動を行いました。また、警察への不信感を募らせており、警察・司法当局との関係は悪化しています。今回のデモでは、若者たちの行動が政府に改正案の審議停止という結果をもたらしました。しかし、彼らの不安は解消されておらず、今後も香港では若者たちの抗議活動が続く可能性があります。
香港の若者たちは、自分たちの未来のために立ち上がっていると思います。
若者、ホンマにエネルギッシュやなぁ。でも、警察との対立は心配やなぁ。
私も、香港の若者たちを応援しています。
香港デモの根底にある市民の不安と抵抗
香港デモの背景には、市民の深い不安があるんですね。
✅ 2019年の香港デモの背景と経緯を多角的に分析し、「逃亡犯条例」改正問題や「一国二制度」の行方、そして2047年問題などを考察する。
✅ 政治、法律、経済、社会、文化、歴史、台湾問題など、関連分野の研究者たちの知見が集結し、香港危機の深層を解き明かす。
✅ 2020年6月30日に施行された国家安全維持法による香港社会の変化と、その背景となった2019年のデモについて、理解を深めることができる1冊。
さらに読む ⇒東京外国語大学 Tokyo University of Foreign Studies出典/画像元: https://www.tufs.ac.jp/tufstoday/books/2019/19122701.html香港市民が抱える不安は、私たちも理解する必要がありますね。
香港でのデモは、表面上は犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものです。しかし、その背景には、歴史的にイギリスの植民地であった香港が、中国に返還された後、中国政府による影響力が増加し、自由や自治が制限されることを懸念する市民の強い思いがあると考えられます。香港は「一国二制度」のもと、中国の一部でありながら独自の法律や自由を享受してきました。しかし、近年の出来事を通して、中国政府による香港への介入が強まっていることが懸念され、デモ参加者は、今回の改正案が可決されれば、香港は中国の他の都市と同様に自由や自治が制限されてしまうのではないかと危惧しています。特に、民主化の進展は遅々としており、行政長官の選出方法や立法会の構成は中国政府の影響が強く、市民の不満が高まっています。また、香港市民の多くは自分自身を中国人とは認識しておらず、歴史的、文化的、社会的にも中国とは異なる存在だと考えているため、中国政府による香港への影響力拡大への抵抗が強まっています。今回のデモは、こうした背景を理解した上で、香港市民の自由と自治を守るための強い意志の表れといえるでしょう。
香港デモは、自由を求める市民の意志の表れだと思います。
ホンマに、香港の未来は、どうなるんやろうなぁ。
香港の人々は、自由と民主主義を守りたいと思っているんですね。
「一国二制度」の行方と香港の未来
香港の未来は、不確実な状況にあると感じますね。
✅ 中国政府は、香港国家安全維持法を可決し、香港の高度な自治を支えてきた「一国二制度」の形骸化が決定的なものとなりました。
✅ 同法は、国家分裂や政権転覆、テロ行為、外国勢力との共謀による国家安全への危害など4つの犯罪類型を規定し、最高刑は終身刑となるため、香港での反政府・反中国活動に対する取り締まりが強化されると見られます。
✅ 中国政府は、香港返還時に一国二制度の50年間の堅持を約束していたにもかかわらず、同法成立には国際的な批判が強まっており、日本政府は「遺憾」を表明し、米国は香港への特別な地位見直しなど制裁措置を発表しました。
さらに読む ⇒香港安全法が成立 「一国二制度」の形骸化が決定的に:東京新聞 ...出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/38985「一国二制度」は、大きな岐路に立たされていると思います。
1997年の香港返還から25年が経過し、「一国二制度」の実験は折り返し地点に達しました。中国政府は当初、香港の自由と自治を50年間保証すると約束していましたが、近年は政治体制が変化し、市民的自由は制限されています。特に2020年の国家安全維持法施行以降、香港の政治状況は大きく変化しました。かつてはアジアの報道の自由の灯台であった香港は、現在では言論の自由が制限され、抗議活動も抑圧されています。民主派議員の許智峯氏は、多くの香港市民が「一国二制度」はすでに失われたと感じていると指摘しています。一方、中国政府はこれらの変化を「一国二制度」の改善と主張しています。香港の国際金融都市としての立場も、中国の台頭と競争により変化しています。香港は依然として国際的に認められた法制度と金融市場を有していますが、中国との緊張の高まりや「ゼロ・コロナ」政策の影響を受け、その将来は不透明です。今後の香港は、中国との関係、国際金融都市としての地位、市民的自由の維持という課題に直面することになります。2021年3月11日、中国の全国人民代表大会(全人代)は、香港の政治制度に抜本的な変更を加えることを全会一致で可決しました。これは、1997年の中国への香港返還以来、香港で行われてきた「一国二制度」という実験の終焉を意味します。香港は、中国に返還された後も、言論の自由、独立した裁判所、活気あふれる民主主義を維持してきました。しかし、中国政府は、香港の民主化運動の拡大を懸念し、近年、国家安全維持法(国安法)を制定するなど、香港への干渉を強めてきました。今回の香港の政治制度の変更は、香港の民主化運動にとって大きな打撃となることが予想されます。今後、香港の民主的な価値観は、中国政府の支配によってさらに制限されていく可能性があります。
「一国二制度」は、もはや機能していないと言えるかもしれません。
ホンマに、香港の将来は、どうなるんやろうなぁ。
香港の民主主義が守られることを願っています。
香港の現状は、私たちにとって重要な教訓になると思います。
💡 香港の政治では、親中派の影響力が強まっている。
💡 若者の政治への関心が低迷している。
💡 「一国二制度」は、大きな岐路に立たされている。