「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」は本当?東大総長の名言の真実東大式辞の真実とは!?
💡 「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」は東大総長の大河内一男氏が1964年の卒業式で述べた言葉として有名です。
💡 しかし、この言葉は実際に大河内氏が述べたものではなく、19世紀イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの『功利主義論』からの引用であることが分かっています。
💡 さらに、大河内氏はミルの言葉を改変して使用していたことも明らかになっています。
それでは、東大総長の名言として有名な「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」について、詳しく見ていきましょう。
「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉の真実
この言葉は、東大生にとって非常に印象深い言葉として、語り継がれてきたものです。
✅ 「肥った豚より痩せたソクラテスになれ」という言葉は、東大総長の大河内一男氏が1964年の卒業式で述べた言葉として有名だが、実際には19世紀イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの『功利主義論』からの引用である。
✅ 大河内氏はミルの言葉を「肥った豚より痩せたソクラテスになれ」と改変し、あたかも自身の言葉であるかのように発言した。
✅ ミルの原文は「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい」であり、大河内氏の改変により本来のメッセージが歪められている。
さらに読む ⇒INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-出典/画像元: https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/20170129/p3実際にミルの言葉を引用したとしても、その改変によって本来のメッセージが歪められているのは、残念なことです。
1964年の東京大学卒業式で、当時の総長である大河内一男先生が述べたと言われる「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉は、実はいくつかの誤解や間違いに基づいている。まず、この言葉は、大河内先生自身のオリジナルではなく、19世紀イギリスの哲学者、ジョン・スチュアート・ミルの『功利主義論』からの引用である。大河内先生は式辞の中でミルの名前を挙げているものの、マスコミはそれを無視して、まるで大河内先生自身の言葉であるかのように報道してしまった。さらに、ミルの原文は「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい」であり、「肥った豚」や「痩せたソクラテス」といった表現は含まれていない。大河内先生は、ミルの言葉を自分の言いたいことに合わせて勝手に改変してしまった可能性がある。そして、実際には卒業式のスピーチで、大河内先生はこの部分を読み飛ばして、この言葉は言っていないのだという。マスコミは卒業式のスピーチの原稿を入手して報道したため、大河内先生がこの言葉を言ったことになってしまった。このように、大河内総長の「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉は、複数の誤解や間違いに基づいたものであり、実際には大河内先生が言った言葉ではないことがわかる。
そうですね、この言葉は、東大生の意識に大きな影響を与えたことは事実です。しかし、実際には誤解に基づいているということですね。
へぇ~、知らんかったわ。てことは、大河内先生は、ミルの言葉を勝手にパクって、自分の言葉のように言ったってこと?
えーっと、つまり、大河内先生は、ミルの言葉を少し変えて使っていたってことですか?
「レファレンス協同データベース」の活用事例
なるほど、ミルの言葉は、単に快楽を増やすだけでなく、質を高めることの大切さを訴えているのですね。
公開日:2023/03/10
✅ 「太った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉は、功利主義者であるジョン・ステュアート・ミルが、快楽の量だけでなく質の重要性を訴えたものです。
✅ ミルは、ベンサムの功利主義を引き継ぎながらも、質的な快楽、つまり人間らしく価値ある快楽を追求する重要性を主張しました。
✅ それは、単に快楽を増やすだけでなく、自由な生き方を手に入れ、質を高めることで、より充実した人生を送るべきだという主張です。
さらに読む ⇒ダイヤモンド・オンライン出典/画像元: https://diamond.jp/articles/-/318554このレファレンス協同データベースは、図書館の様々な情報を提供してくれるので、非常に役立ちますね。
2019年1月23日配信予定のメルマガ金原.No.3401では、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している「レファレンス協同データベース」を紹介しています。このデータベースは、図書館におけるレファレンスサービスや一般利用者の調査研究活動を支援することを目的として、レファレンス事例、調べ方マニュアル、特別コレクション、参加館プロファイルに関するデータを蓄積し、インターネットを通じて提供しています。メルマガでは、国士舘大学図書館・情報メディアセンターが作成したレファレンス事例を紹介しています。この事例は、東京大学総長の言葉「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ」の出典に関する質問への回答プロセスが詳細に記載されています。事例によると、この言葉は1964年の東京大学卒業式で、当時の総長であった大河内一男氏が引用したJ.S.ミルの「功利主義論」からの言葉であることが判明しました。メルマガでは、このレファレンス事例を紹介することで、図書館は単に本を貸し出すだけの場所ではないことを強調しています。
まさにその通りです。ミルの功利主義は、単なる快楽主義ではなく、質の高い充実した人生を送ることを重視した考え方です。
へぇ~そうなんや。図書館って、ただ本を貸し出してるだけやと思ってたけど、こんなもんもあるんやな。
このデータベースは、図書館のレファレンスサービスに関する情報がたくさん載っているんですね。
石井洋二郎学部長の式辞
石井学部長の式辞は、非常に興味深いですね。
公開日:2018/06/13
✅ 東大の卒業式における「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉は、当時の総長である大河内一男先生が言ったとされてきたが、実際には19世紀イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの『功利主義論』からの引用であり、大河内先生は自分の言葉として語ったわけではない。
✅ さらに、大河内先生はミルの言葉を自分の解釈で「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」と改変しており、原文の意味と大きく異なる。
✅ 実際には卒業式のスピーチでこの部分は読み飛ばしており、マスコミは原稿の内容に基づいて報道したため、大河内先生が言ったと信じられてきた。
さらに読む ⇒ハフポスト - 日本や世界のニュース、会話を生み出す国際メディア出典/画像元: https://www.huffingtonpost.jp/2015/04/08/tokyo-university-speech_n_7022498.html情報があふれる現代だからこそ、真偽を確かめることの重要性を訴えかける石井学部長の言葉は、深く心に響きます。
更に、メルマガでは、東京大学教養学部平成26年度学位記伝達式における石井洋二郎学部長(当時)の式辞も紹介されています。石井学部長は、自分の経験を踏まえ、この「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉を例に挙げ、学生たちに社会に出た後の生き方を説いています。石井学部長は、この言葉を例に挙げ、インターネット時代において、情報があふれる中で真偽を確かめることの重要性について訴えかけています。
石井学部長の言葉は、時代を超えて、学生たちに大切なメッセージを与えてくれるでしょう。
なるほどね、情報過多の時代やから、ホンマに正しい情報を見つけるのは難しいわな。
石井学部長は、インターネット時代における情報リテラシーについて話していたんですね。
東大式辞の真実
この本は、東大の歴史と社会との関わりを考える上で、非常に貴重な資料ですね。
✅ 本書は、明治維新以降の日本の激動の時代を、東京大学総長の式辞を通して振り返る。特に日清戦争、日露戦争、太平洋戦争、そして戦後復興、学生運動、冷戦終結に至るまでの重要な歴史的転換期における大学の役割と社会との関係について考察している。
✅ 本書は、各時代における社会状況や政治情勢を背景に、当時の東大総長が学生たちにどのようなメッセージを送り、どのような理念を共有していたのかを具体的に示す。戦争への突き進む時代には国家への貢献を訴え、戦後民主主義の到来とともに平和と自由を追求する姿勢、さらには学生運動を経て大学における多様性と国際性への意識が芽生えていく様子が浮かび上がってくる。
✅ 本書は、歴史の中に埋もれた東大総長の言葉を通して、現代社会における大学や教育の役割、そして個人が生きていく上で大切な価値観について考えさせる。特に、今日の社会では失われつつある「ノブレス・オブリージュ」や「公共心」といった概念を、歴史的な視点から再考する機会を提供する。
さらに読む ⇒新潮社出典/画像元: https://www.shinchosha.co.jp/book/610988/東大の式辞を通して、日本の近現代史を振り返ることができる点は、非常に興味深いですね。
東京大学の式辞歴代総長の贈る言葉」は、明治・大正から現代までの東大式辞を通して、日本の近現代史を紐解く一冊です。東大式辞にまつわる数々の伝説、特に有名なのは、元東大副学長・石井洋二郎氏が指摘した、大河内一男元総長の「肥った豚よりも瘦せたソクラテス」にまつわる3つの誤りや、難解で長時間にわたった1999年の蓮實重彦総長の入学式スピーチなどが語られます。本書では、戦争、大学紛争、国際化など、激動の時代を背景に、歴代の総長たちが何を語り、何を語らなかったのかを分析し、式辞の言葉が持つ重みを実感させてくれます。
東大の歴史を、式辞という視点から考察した本は、非常に興味深いですね。
東大の式辞って、ホンマに色々あったんやなぁ。
歴史的な視点から、東大の式辞を読み解くことができて、とても勉強になりました。
東大式辞の多様性と魅力
東大式辞の多様性と魅力が、この本から伝わってきます。
公開日:2023/08/09
✅ 本書は、明治・大正から現代に至るまでの東京大学の式辞を、日本近現代史の歩みと重ね合わせながら読み解いていく。歴代の総長たちは時代の荒波の中で、何を語り、そして何を語らなかったのか。知られざる名演説はもちろん、ツッコミどころ満載の失言まで、時代を超えてなお生き続ける「言葉」の重みを実感させられる内容となっている。
✅ 特に有名なのは、伝説となっている1999年の入学式で読まれた、映画評論家としても有名な蓮實重彦総長の式辞である。内容は難解で47分間もあったため、当時の新入生の中には気分が悪くなって医務室に運ばれる学生もいたという。
✅ 本書では、東大の式辞が単なる「お祝いの言葉」ではなく、時代背景や社会状況を反映した重要なメッセージであることを明らかにし、大学が社会とどのように向き合ってきたのか、そして未来へ向けて何を語り継いでいくべきなのかについて考察する。
さらに読む ⇒BOOKウォッチ出典/画像元: https://books.j-cast.com/topics/2023/03/22020726.html東大式辞の伝説的なエピソードや、著名な来賓の祝辞なども紹介されていて、とても興味深いですね。
また、濱口竜介監督が眠りこけた伝説のスピーチや、安藤忠雄氏や上野千鶴子氏など、著名な来賓の祝辞も紹介され、東大式辞の多様性と魅力を浮き彫りにしています。
東大式辞は、単なるお祝いの言葉ではなく、時代のメッセージが込められているのだと、改めて感じましたね。
蓮實重彦総長の式辞は、ホンマに47分間も続いたんや!そりゃ、眠くなるわなぁ。
東大の式辞って、色々な人が書いていて、それぞれの個性が出ているんですね。
今回の記事では、東大総長の名言として有名な「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」が、実際には誤解に基づいたものであることが分かりました。
💡 「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」は、東大総長の大河内一男氏が1964年の卒業式で述べた言葉として有名です。
💡 しかし、この言葉は実際には大河内氏が述べたものではなく、19世紀イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの『功利主義論』からの引用であることが分かっています。
💡 さらに、大河内氏はミルの言葉を改変して使用していたことも明らかになっています。