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横尾忠則の芸術は死とどう向き合っている?老境の美学とは!!?

横尾忠則の芸術は死とどう向き合っている?老境の美学とは!!?
📘 この記事で分かる事!

💡 横尾忠則は、戦争体験が作品に影響を与えていることを明かしている。

💡 横尾忠則は、Y字路作品を精力的に制作している。

💡 横尾忠則は、老いを受け入れつつも新たな挑戦を続けている。

それでは、横尾忠則さんの芸術世界を紐解いていきましょう。

幼少期から画家への道

戦争体験が、横尾忠則さんの作品にどのような影響を与えているのか、興味深いですね。

🔖 関連記事の要約!横尾忠則さんが少年時代に見た空襲の赤 「何を描いても戦争の臭いがする」 創作の背景を聞いた:東京新聞 TOKYO Web
横尾忠則さんが少年時代に見た空襲の赤 「何を描いても戦争の臭いがする」 創作の背景を聞いた:東京新聞 TOKYO Web

✅ 美術家・横尾忠則さんは自身の戦争体験が創作に影響を与えていると語り、5歳の時に経験した空襲の記憶や、学校で戦闘機に遭遇した際の恐怖体験が、鮮やかな色彩で死をにおわせる作品に反映されていることを明かしました。

✅ 特に「火の用心」などの赤い絵画シリーズは、空襲で染まった空の色を想起させるものであり、戦争体験が直接的に表現されているわけではないものの、画面全体を赤くすることで、戦争に対する批判的なメッセージを込めていると述べています。

✅ 横尾さんは、戦争の経験を通して「考えることを強制される」ことに疑問を持ち、絵を描く際には頭の中を空っぽにして感覚的に制作することを重要視しています。それは、戦争体験によって培われた「考える間も与えられない状況」への反応であり、社会全体が答えを求めることに対する批判でもあります。

さらに読む ⇒東京新聞 TOKYO Web東京新聞 TOKYO Web出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/351059

戦争の記憶が、鮮やかな色彩で表現されているのが印象的ですね。

横尾忠則は、1936年兵庫県生まれ。幼少期に養父母の元、自然豊かな環境で育ち、戦争体験が彼の創作の根幹をなす「死」というテーマに影響を与えた。特に終戦間際の空襲体験は、死を意識させると同時に、社会への扉を開く出来事として記憶されている。横尾は、幼少期から絵を描くことを模倣行為として捉え、独自の表現を追求するようになる。高校時代には絵画教師の影響で油絵を始め、武蔵野美術学校への進学を決意する。

ええ、戦争という重いテーマを、独特な表現で昇華させているのが素晴らしいですね。

戦争体験って、ホンマに人の人生を大きく変えまっせ。横尾さんの作品から、その重みを感じますわ。

戦争の記憶が、横尾さんの作品にこんなにも深く影響を与えていることに驚きました。

画家としての挑戦

Y字路作品、面白そうですね。

🔖 関連記事の要約!横尾忠則ワーイY字路☆20年間描き続けた闇と色彩のY字路【横尾忠則現代美術館】

公開日:2024/02/27

横尾忠則ワーイY字路☆20年間描き続けた闇と色彩のY字路【横尾忠則現代美術館】

✅ 横尾忠則は2000年からY字路作品を描き始め、現在までに150点以上制作しています。本展ではその中から69点を展示し、横尾忠則のY字路作品の魅力に迫ります。

✅ 本展では、横尾忠則がY字路作品を描き始めたきっかけとなった西脇の夜の風景を描いた初期作品「暗夜光路 N市‐Ⅰ」や、カラフルなY字路作品、近年発表された「回転する家」など、様々なY字路作品を見ることができます。

✅ 横尾忠則はカラフルなY字路作品よりも、闇をテーマにしたY字路作品を高く評価しているようです。闇に包まれたY字路は、どこか懐かしさを感じさせる一方で、人間の理解を超えた何かが存在するような、ぞっとするような魅力も持ち合わせています。

さらに読む ⇒SfumartSfumart出典/画像元: https://sfumart.com/column/18012/

闇をテーマにしたY字路作品、見てみたいです。

横尾忠則は、長年グラフィックデザイナーとして活躍後、1980年にニューヨーク近代美術館で見たピカソの個展に衝撃を受け、画家になることを決意した。これは、ピカソの作品自体よりも、彼の生き方に影響を受けた結果であった。クライアントの要望に応えるグラフィックデザインから、自己表現を追求できる絵画へと移行し、様々なテーマに挑戦していく。1980年代には、身体性の回復をテーマにリサ・ライオンとのコラボレーションや陶板による作品制作を行う。また、自身の制作場所であるアトリエでは、ガラスや鏡、羽根などをコラージュしたり、複数のパースペクティブを組み合わせたりするなど、新たな表現に挑戦し始めた。この頃から、夢に現れた滝というモチーフが繰り返し登場し、人間の原始的な信仰の世界や浄化作用、想像力の源泉を表現するようになる。1990年代には、子供の頃からの記憶や体験、風景などをコラージュした独特の世界観の作品を制作するようになる。1990年代半ばからは、空襲、死、宇宙空間などを表現する赤い絵画の連作に取り組み、2000年代には、少年時代の模型屋の写真をモチーフにした「Y字路」シリーズを制作する。これらの作品は、横尾の代表作となり、人生の岐路や異界の入り口を象徴している。

Y字路は、人生の分岐点を象徴するモチーフとして、多くのアーティストに愛されてきましたね。

Y字路って、人生の岐路みたいやなぁ。横尾さんの作品は、そこらへんをホンマに深く表現してはるんやな。

Y字路作品、いろいろな種類があるんですね!

老いを受け入れるアーティスト

横尾忠則さんは、老いを受け入れることについて、どのように考えているのでしょうか?

🔖 関連記事の要約!横尾忠則・85歳【ウィズコロナの貴重すぎる筆談取材】「朦朧と旺盛に」

公開日:2021/09/10

横尾忠則・85歳【ウィズコロナの貴重すぎる筆談取材】「朦朧と旺盛に」

✅ 横尾忠則さんは、耳が聞こえなくなり、視覚と聴覚の境界線が曖昧になったことで、現実と夢の区別がつきづらくなっている。しかし、その状況を楽しむように、朦朧とした意識の中で旺盛に作品を生み出し続けている。

✅ 70歳を機に肉体と精神の乖離が解消され、肉体の変容を受け入れ始めた横尾さんは、コロナ禍において、マスクを題材とした「WITH CORONA」シリーズを発表。過去作品にマスクをコラージュすることで、マスクの存在が日常に溶け込んだ新たな現実を表現している。

✅ 横尾さんは、アートの根源は遊びであり、楽しむことであると考えているため、コロナ禍においても、遊びの精神でマスクアートに取り組んでいる。50年以上前に撮影された、マスクを着けた自身のポートレートが、コロナ禍において改めて注目を集めている。

さらに読む ⇒婦人画報デジタル | 食も文化もウェルネスも。「本物」がここにある婦人画報デジタル | 食も文化もウェルネスも。「本物」がここにある出典/画像元: https://www.fujingaho.jp/culture/interview-celebrity/a37371242/fujingaho-yokootadanori-20210910/

コロナ禍でマスクアートに取り組むとは、斬新ですね。

横尾忠則は、85歳にしてなお旺盛な創作意欲を持ち、現実と夢の境目が曖昧になるほど、自身の感覚が変化していることを語ります。5年ほど前から耳が聞こえなくなり、視覚にも影響が出ていると明かし、聴覚と視覚のつながりについて考察しています。また、70歳を機に肉体年齢と精神年齢が一致し、肉体の変容を意識するようになったと語ります。さらに、コロナ禍においても、マスクアートという新たな表現を生み出し、遊び心を持って創作を続けている姿が印象的です。半世紀以上前に撮影されたマスクを着けたポートレートが、現在の状況と重なり、アートが未来を予見していた可能性を示唆しています。横尾さんの言葉からは、年齢を重ねてもなお、創作への情熱と探求心を持ち続け、変化を恐れずに受け入れる柔軟な姿勢が伝わってきます。

老いを受け入れることは、容易なことではありませんが、横尾さんはそれを新たな表現へと繋げているのが素晴らしいですね。

コロナ禍でマスクアートって、なかなか思いつきませんわ。横尾さん、さすがやなぁ。

マスクアート、コロナ禍の状況を表していて、すごく考えさせられます。

老境の美学

老境の美学、興味があります。

🔖 関連記事の要約!これが88歳の作品!? 葛飾北斎が老いてから描いた画が強烈すぎる

公開日:2023/01/03

これが88歳の作品!? 葛飾北斎が老いてから描いた画が強烈すぎる

✅ この記事は、葛飾北斎の「波の絵」以外の傑作を紹介しており、晩年の作品に焦点を当てています。

✅ 北斎の晩年の作品は、色彩感覚、構図、画風において非常に独創的で、80歳を超えてもなお、衰えを感じさせない高い芸術性を示しています。

✅ 記事では、「八方睨み鳳凰図 下絵」、「甲州石班沢」、「文昌星図」、「田植図」、「雪中虎図」、「向日葵図」、「木曽路ノ奥阿弥陀ケ滝」、「千絵の海 甲州火振」、「鍾馗騎獅図」、「手踊図」、「迦陵頻伽」など、北斎の代表的な作品が紹介されており、それぞれの作品の特徴や裏話を詳しく解説しています。

さらに読む ⇒幕末ガイド | 写真と名言、年表で志士を身近に。幕末がわかる総合サイト | 幕末ガイド幕末ガイド | 写真と名言、年表で志士を身近に。幕末がわかる総合サイト | 幕末ガイド出典/画像元: https://bakumatsu.org/blog/2012/12/hokusai.html

北斎の晩年の作品には、独特の魅力がありますね。

88歳の誕生日を迎え、米寿の祝いを受けた著者は、友人知人から多くの祝福を受けた一方で、近年亡くなった友人たちを偲び、人生の長さと儚さを実感する。平均寿命を超え、百歳時代を迎えられる可能性について考え、老化による体力・知力低下と、それでもなお絵を描くことへの意欲を語る。若い頃は努力して下手な絵を描いていたが、老いてからは自然と下手な絵を描くようになり、それは画家が目指す究極の表現だと考える。北斎の晩年の言葉から、老いによる身体的制限を受け入れ、計算や計画抜きに自由に表現できる境地を想像する。自身の死について、急性心筋梗塞の経験から恐怖を感じていないことを述べ、老齢は人生の醍醐味を味わえる時期であり、絵画表現においても新たな境地が開かれると期待する。

北斎は晩年、ますます精力的に作品制作を続けましたね。老いによる衰えを感じさせない、そのエネルギーは素晴らしいです。

北斎は、晩年こそホンマに絵描きとして開花したんやなぁ。老いも悪くないって、ホンマに思わされますわ。

北斎の晩年の作品、すごく力強くて、見ていて感動します。

芸術と死生観

横尾忠則さんの死生観は、どのように表現されているのでしょうか?

🔖 関連記事の要約!僕は輪廻転生を信じています」 開催中の「横尾忠則 寒山百得展」をもっと楽しむ2冊 『時々、死んだふり』

公開日:2023/11/19

僕は輪廻転生を信じています」 開催中の「横尾忠則 寒山百得展」をもっと楽しむ2冊 『時々、死んだふり』

✅ 横尾忠則さんの「寒山百得展」は、中国の僧侶「寒山」と「拾得」をモチーフにした完全新作展で、102点の作品が展示されています。横尾さんは、寒山にトイレットペーパーを持たせたり、便器を登場させたりと、伝統的なモチーフを大胆に解釈した作品を発表しています。

✅ 2022年に心筋梗塞で倒れた横尾さんは、自身の死生観について2冊のエッセイを出版しました。「時々、死んだふり」では、心筋梗塞の体験や「死んだふり」という概念を通して、自身の作品と死との関係について考察しています。「死後を生きる生き方」では、幼少期の神秘体験や霊魂、死後の世界についての独自の考え方を語っています。

✅ 横尾さんは、絵を描くことを「魂との対峙」と捉え、考えずに魂が感知することに集中して作品を制作しています。作品を通して、「死」を恐れるのではなく、むしろ遊びの要素として捉え、生と死の境界線を曖昧にすることで、新たな表現に挑戦しています。

さらに読む ⇒BOOKウォッチBOOKウォッチ出典/画像元: https://books.j-cast.com/topics/2023/11/19022300.html

死を遊びの要素として捉えるとは、独特な考え方ですね。

横尾忠則は、2023年度文化功労者に選出された87歳の現代美術家です。2023年は東京国立博物館での個展「横尾忠則寒山百得」展を開催し、自身の老いと病、描く日々について綴った著書を2冊出版するなど、精力的な活動を続けています。インタビューでは、個展のテーマである「寒山拾得」について、固定化した様式を持たず、日々の気分で描き方が変わっていくことを、食事に例えて説明しました。また、寒山と拾得という2人のキャラクターは、東洋的な「ふたつでひとつ」の思想を表しており、西洋的な二元論とは異なる考え方であることを指摘しました。さらに、近著『時々、死んだふり』の内容に触れ、五感が衰えるにつれて、肉体に従って絵を描くようになったことを語りました。これは、死を意識し、自我への執着から解放される「死んだふり」の状態であり、生命維持の本能から逆の状態を選ぶことの興味深さを述べています。頭で考えず、体の感覚に従う描き方は、自我や理屈に振り回されない、無意識に近づくものであり、横尾さんは一貫して、脳に従わない、頭で考えないことを重要視していることを強調しています。横尾忠則氏は、87歳という高齢を迎え、自身の死を現実的に捉え始めています。以前は、個人的な悩みや執着に囚われていたものの、年齢を重ねるにつれて、それらが不必要になり、死への恐怖心も薄れてきたと感じています。氏は、日本社会に見られる「年相応に生きろ」という価値観に疑問を抱き、年齢に関係なく、自分らしく生きることが重要だと訴えています。年齢を重ね、死が身近になっても、白黒はっきりさせずに、曖昧に生きていたいと願っています。

横尾さんは、死を恐れるのではなく、むしろそれを作品に取り込むことで、生と死の境界線を曖昧にしているんですね。

死を遊びの要素って、ホンマに横尾さんらしい考え方やなぁ。でも、ホンマに深いなぁ。

死生観をテーマにした作品って、すごく難しいと思うんですけど、横尾さんの作品は、すごく考えさせられます。

横尾忠則さんの芸術世界は、深く、そして魅力的なものですね。

🚩 結論!

💡 横尾忠則は、戦争体験や老いといった人生の経験を作品に投影している。

💡 横尾忠則は、Y字路作品やマスクアートなど、独自の表現に挑戦し続けている。

💡 横尾忠則は、死生観をテーマに、生と死の境界線を曖昧にする作品を制作している。