泉鏡花の『婦系図』は歌舞伎でどう表現される?歌舞伎界のレジェンド共演とは!?
💡 泉鏡花は明治から大正時代にかけて活躍した小説家である。
💡 代表作に『高野聖』『婦系図』などがある。
💡 彼の作品は幻想的な世界観と詩的な文体で知られている。
それでは、第一章、泉鏡花の生涯と作品についてお話していきましょう。
泉鏡花の生涯と作品
はい、泉鏡花は、幻想的な世界観と詩的な文体で知られる作家ですね。
公開日:2024/08/20
✅ 泉鏡花の中編小説「高野聖」は、高野山の修行僧が旅の途中で出会った若者に、自分が昔体験した不思議な話を語る物語です。
✅ 物語は、現在の場面と回想の場面に分かれており、回想シーンでは、修行僧が飛騨の山を越える途中で出会った妖しい美女とその夫、そして馬引きの男など、個性的な登場人物が登場します。
✅ 物語の中で、妖しい美女の正体や彼女が持つ不思議な力、そして修行僧が遭遇した出来事を通して、現実と非現実が混ざり合った幻想的な世界が描かれます。
さらに読む ⇒本を読む人ブログ出典/画像元: https://matsukazechiri.blog/kouyahijiri-izumikyouka/幻想的な世界観と、登場人物たちの心理描写が印象的ですね。
泉鏡花は明治から大正時代にかけて活躍した小説家です。1873年11月4日に金沢で生まれ、幼い頃に母を亡くしました。彼の作品は幻想的な世界観と詩的な文体で知られています。1890年に小説家を志し上京し、尾崎紅葉に師事しました。1892年に『日出新聞』で「冠弥左衛門」を連載し文壇デビューを果たしました。その後、数々の傑作を発表し、大正、昭和にかけて文豪として称えられました。彼の作品は、観念小説と幻想文学の融合が特徴です。観念小説では、作者の思考や理念を作品に反映させ、幻想文学では異世界や超自然的な要素を描きます。鏡花の作品は、登場人物の心理状態や内面の葛藤を詳細に描写し、読者を虚実の境界が曖昧な世界へと引き込みます。代表作には、「外科室」、「高野聖」、「草迷宮」、「歌行燈」などがあります。彼の作品は、当時の文壇において異端的であり、斬新な要素が多く取り入れられていました。その独特な作風は、現代においても新鮮な魅力を持ち続けています。
ええ、鏡花の作品は、現実と非現実の境界線が曖昧で、読者を不思議な世界へと誘ってくれますね。
へぇ~、ホンマに?じゃあ、鏡花って、どんな作品を好んで書いとんねん?
私も、鏡花の作品は大好きです。特に『高野聖』の幻想的な世界観には、心を奪われました。
『婦系図』の物語
はい、それでは次に『婦系図』の物語についてお話します。
✅ 早瀬主税は恩師の娘・妙子の縁談相手である河野英吉から無礼な扱いを受け、恩師との関係を犠牲にしてまで縁談を破談にしようとします。
✅ 主税は掏り事件に巻き込まれ職を失い、河野家への復讐を誓って静岡へ移住します。
✅ 静岡で河野家の秘密を暴き、復讐を果たした主税は、愛人のお蔦の死を悼み、自分も命を落とします。
さらに読む ⇒花組芝居出典/画像元: https://hanagumi.ne.jp/reki/n6/02211900.html家族主義と個人主義の対立が、悲劇的な結末へと導く物語ですね。
『婦系図』は、明治時代の東京と静岡を舞台に、ドイツ語文学者の早瀬主税が、河野家という名家に翻弄される様を描いた泉鏡花の長編小説です。早瀬は、河野家の長男・英吉の求婚相手であるお妙の縁談を阻止しようとしますが、その過程で自身の過去や河野家の秘密を知り、家族主義と個人主義の対立に巻き込まれていきます。早瀬は、河野家の美しい次女・菅子との出会いをきっかけに、河野家の人々と親しくなり、彼らの弱みを知ります。河野家では、家族の繁栄のために結婚が重視され、個人の感情や倫理は軽視されていました。早瀬は、河野家の隠された過去を暴露することで、彼らの家族主義的な価値観を揺さぶり、家族崩壊へと導きます。物語は、早瀬、河野家の人々、そして早瀬の元恋人であるお蔦の複雑な関係が交錯し、悲劇的な結末を迎えます。早瀬は、河野家の家族主義に抗い、自身の信念を貫きますが、その行動は彼自身をも破滅へと導きます。
『婦系図』は、鏡花の代表作の一つであり、家族のしがらみと個人の自由というテーマが深く描かれています。
ほぉ~、家族のしがらみって、ホンマに厄介やな。でも、個人の自由も大事やで。
『婦系図』は、難しいテーマですが、とても考えさせられる作品だと思います。
「錦秋十月大歌舞伎」での『婦系図』上演
では、第三章は「錦秋十月大歌舞伎」での『婦系図』上演についてです。
公開日:2024/10/03
✅ 「錦秋十月大歌舞伎」は時代物の名作から新作まで多彩な演目が揃い、芸術の秋にふさわしい公演となっている。
✅ 初日の夜の部は、片岡仁左衛門と坂東玉三郎の初共演となる「婦系図」が上演され、昼の部は近松門左衛門の時代物の名作「平家女護島 俊寛」や、曽我兄弟の仇討ち物語を舞踊劇にした「音菊曽我彩」、そして「権三と助十」などが上演された。
✅ 「俊寛」では尾上菊之助の初役となる俊寛が、孤島での暮らしぶりが窺える憔悴した姿を見せ、観客を物語の世界に引き込み、予想外の展開にハラハラドキドキさせられる。また、「音菊曽我彩」では、曽我十郎と五郎兄弟が父の敵である工藤祐経と対面する場面が新たに描かれ、可愛らしい稚児姿での登場に場内は明るい雰囲気に包まれた。そして「権三と助十」では、中村獅童と尾上松緑によるコミカルな演技が繰り広げられ、観客を楽しませた。
さらに読む ⇒ぴあエンタメ情報出典/画像元: https://lp.p.pia.jp/article/news/383365/index.html?detail=true歌舞伎で『婦系図』がどのように表現されるのか、興味深いですね。
10月2日から26日まで歌舞伎座で上演される「錦秋十月大歌舞伎」では、昼の部には近松門左衛門作「『平家女護島』俊寛」、松岡亮脚本「『音菊曽我彩』稚児姿出世始話」、岡本綺堂作「『権三と助十』神田橋本町裏長屋」が上演され、夜の部には成瀬芳一演出の泉鏡花作「『婦系図』本郷薬師縁日柳橋柏家湯島境内」、竹柴潤一脚本、坂東玉三郎監修、今井豊茂演出の「『源氏物語』六条御息所の巻」が上演されます。昼の部では、尾上菊之助が「俊寛」の俊寛僧都役、中村獅童が「権三と助十」の権三役を演じるほか、尾上右近、尾上眞秀、尾上菊五郎、中村松緑、中村東蔵など、人気役者が多数出演します。夜の部では、坂東玉三郎が「婦系図」のお蔦役、「源氏物語」の六条御息所役を演じるほか、片岡仁左衛門、市川染五郎、中村時蔵、坂東彌十郎らが共演します。チケットは9月14日1000より一般販売開始です。
歌舞伎という伝統芸能で、鏡花の小説がどのように表現されるのか、注目ですね。
歌舞伎で『婦系図』かぁ~、どんな感じなんやろか?めっちゃ気になるわ!
歌舞伎は、見たことがないので、ぜひ行ってみたいです。
映画「真砂町の先生」
それでは、第四章は映画「真砂町の先生」についてです。
✅ 泉鏡花は、明治後期から昭和初期にかけて活躍した日本の小説家で、幻想文学の先駆者として知られています。
✅ 代表作に「高野聖」「婦系図」「歌行燈」などがあり、江戸文芸の影響を受けた怪奇趣味とロマンティシズムが特徴です。
✅ 金沢生まれで、尾崎紅葉に師事し、初期の代表作「夜行巡査」「外科室」で評価を得、「高野聖」で人気作家となりました。
さらに読む ⇒Wikiwand出典/画像元: https://www.wikiwand.com/ja/articles/%E6%B3%89%E9%8F%A1%E8%8A%B1映画「真砂町の先生」は、原作小説の世界観をどのように映像化しているのでしょうか。
「真砂町の先生」は、1907年に発表された泉鏡花の小説を原作とする1934年の映画作品です。参謀本部で翻訳官を務める早瀬主悦は、静岡から来た友人の河野秀臣と息子栄吉の訪問を受けます。秀臣は、主悦の旧友である酒井俊蔵の娘・妙子を栄吉の嫁にしたいと、主悦に仲介を頼みます。映画は、当時の社会風俗や恋愛模様を描いた現代劇で、田中絹代、岡譲二、志賀靖郎など、当時のスター俳優が出演しています。原作小説は泉鏡花の中でも特に有名な作品で、映画化も何度も行われていますが、この1934年の作品は、その先駆けとして高い評価を受けています。
映画「真砂町の先生」は、原作小説の世界観を見事に映像化していると思います。
え、映画もあるんか?内容はどうなんや?
映画「真砂町の先生」は、原作小説の内容をどのようにアレンジしているのか、気になります。
以上、泉鏡花の『婦系図』と歌舞伎の関係についてお話ししました。
💡 『婦系図』は、歌舞伎で上演されることで、新たな魅力を発揮する。
💡 歌舞伎役者の演技によって、鏡花の描いた登場人物たちが生き生きと蘇る。
💡 伝統芸能と文学の融合が、観客に新たな感動を与える。