社会情動的スキルって幼児期から大切なの?幼児期教育の重要性とは!?
💡 社会情動的スキルは、学力とは異なる大切な能力です。
💡 幼児期からの教育が、社会情動的スキルの発達に大きく影響します。
💡 社会情動的スキルは、将来の成功と幸福に繋がると言われています。
それでは、最初の章に入っていきましょう。
社会情動的スキルの重要性と幼児期教育
本章では、社会情動的スキルと幼児期教育の関係について詳しくご説明します。
公開日:2024/02/02
✅ 「ペリー就学前プロジェクト」は、低所得層のアフリカ系アメリカ人幼児を対象に、就学前教育の重要性を検証した社会実験です。3歳から4歳の子供たちを、就学前教育グループと非教育グループに分け、教育を受けたグループは、社会スキルや非認知能力を育む活動を30週間実施しました。
✅ 追跡調査の結果、就学前教育を受けたグループは、成人後の年収、犯罪歴、高校卒業率において、非教育グループより高い成果を示し、非認知能力が人生の成功に大きく影響することを実証しました。
✅ この研究から、IQよりも「生きる力」と呼ばれる非認知能力、例えば、自発性や社会性などが、子供たちの将来を左右する重要な要素であることが明らかになりました。この成果は、保育所保育指針など、現在の幼児教育の根幹をなす考え方となっています。
さらに読む ⇒ひなたぼっこ保育園出典/画像元: https://hinata-bokko.ed.jp/%E3%80%8C%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%B0%B1%E5%AD%A6%E5%89%8D%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%80%8D%E3%81%A8%E9%9D%9E%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E8%83%BD%E5%8A%9B%E3%81%AE%E9%87%8D/ペリー就学前プロジェクトは、社会情動的スキルの重要性を示す、非常に興味深い研究ですね。
ベネッセ教育総合研究所は、OECDとの共同研究で、社会情動的スキルが学力テストでは測れない心の動きであり、目標達成、感情のコントロール、他者との協働の3つの要素で構成されることを明らかにしました。ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ヘックマン教授は、就学前教育が社会情動的スキルを育むことを示し、ペリー就学前プログラムでは、質の高い就学前教育を受けた子どもは、そうでない子どもと比べて、学業成績、高校卒業率、持ち家率、平均月収が高く、生活保護受給率や逮捕率が低くなりました。これは、就学前教育がIQではなく、社会情動的スキルを育むことで、社会的な成功と幸福度を高めることを示しています。OECDのレポートは、社会情動的スキルは生涯を通じて伸ばすことができ、「スキルはスキルを生む」ため、人生の早い時期に身につけることが重要であると述べています。ベネッセ教育総合研究所の調査では、幼児期の生活習慣が社会情動的スキル、そして認知的スキルに影響を与えることがわかりました。
ええ、この研究は、社会情動的スキルが人生の成功に大きく影響することを明らかにしました。
ほんまやなぁ、やっぱり小さい頃の教育って大事なんやなぁ。
私も、小さい頃から色々な経験をして、社会情動的スキルを育みたいと思います。
日本の乳幼児を取り巻く環境変化
続いて、日本の乳幼児を取り巻く環境変化について見ていきましょう。
✅ 未来を生きる子供たちにとって必要な5つの資質・能力として、「主体的に生きる力」「多様な人々と生きる力」「協力して生きる力」「感謝して生きる力」「誇りを持って生きる力」の必要性を説いています。
✅ これらの資質・能力は社会情動的スキルと密接に関係しており、子供たちが成長する中で身につけることができる一方、大人の支援が不可欠であると主張しています。
✅ 子供たちが楽しく主体的に学べる環境整備の重要性を訴え、認知科学の知見から、社会情動的スキルは「気持ちの通い合う人のつながり」「いつも変わらずに応援してくれる人たちの存在」「安心して戻れる場所」「一生振り返ることのできる温かい記憶」といった要因によって高まることを説明し、従来の日本の教育における課題と、今後の教育改革の方向性を示唆しています。
さらに読む ⇒CRN 子どもは未来である出典/画像元: https://www.blog.crn.or.jp/lab/10/13.html日本の乳幼児を取り巻く環境は大きく変化していますね。
2019年9月25~27日にインドネシア・ジャカルタで開催されたCRNアジア子ども学研究ネットワーク(CRNA)第3回国際会議で行われた講演では、日本の乳幼児の環境変化と社会情動的スキルに関する内容が取り上げられました。講演では、乳幼児の生活環境の変化、社会情動的スキルの発達、親の関わりと社会情動的スキルとの関係、そして園での体験と社会情動的スキルとの関係の4つのトピックが取り上げられています。乳幼児とその親の関係には、親になる年齢の広がり、赤ちゃんと接した経験の不足、共働きの増加、保育時間の長い園への通園増加、親との関わり増加などが挙げられます。
近年、核家族化が進み、親の世代も変化しています。
そうやなぁ、昔と比べて、子供と親の関係も変わってきているわなぁ。
私も、将来は子供とたくさん触れ合えるようになりたいです。
社会情動的スキルの発達と重要性
では、社会情動的スキルの発達と重要性について、詳しく解説していきます。
公開日:2020/09/16
✅ 「ペリー就学前プロジェクト」は、1962年から1967年にかけてアメリカ・ミシガン州の低所得者層家庭の3~4歳児を対象に実施された、就学前教育の効果を検証する大規模な長期追跡調査です。
✅ この調査では、就学前教育を受けた子供と受けなかった子供を比較した結果、前者のほうが14歳時点での学力、高校卒業率、40歳時点の収入や持ち家率などが優れていることが明らかになりました。
✅ 研究者のジェームズ・J・ヘックマン教授は、この結果から、就学前教育によって非認知能力が向上したことが長期的効果をもたらしたと分析し、幼児期における投資の重要性を訴えています。
さらに読む ⇒父親がもっと楽しくなる|FQ JAPAN 男の育児online出典/画像元: https://fqmagazine.jp/58812/cfeducation01/ペリー就学前プロジェクトは、社会情動的スキルが、学力や収入に大きな影響を与えることを証明しましたね。
社会情動的スキルは、感情のコントロール、他者との協働、目標の達成といった力を指し、ジェームズ・ヘックマンのペリー就学前プログラムなどの研究で、その重要性が示されています。OECDの研究では、社会情動的スキルは生涯を通じて発達させることができ、認知的スキルを支えるとともに支えられる関係にあることが明らかにされています。社会情動的スキルは、「目標の達成」、「情動の抑制」、「他者との協働」の3つの要素に分けられ、いずれも幼児期から児童期にかけて発達していきます。質の高い乳幼児の教育とケア(ECEC)は、SDGsの目標4のターゲットのひとつとして位置付けられ、子どもの幸福と将来の国の発展にとって不可欠です。
この研究は、社会情動的スキル育成の重要性を改めて示すものです。
やっぱり早いうちから教育した方がええんやな!
社会情動的スキルって、将来の成功に繋がるんですね。
日本の教育改革における社会情動的スキルの位置づけ
日本の教育改革における社会情動的スキルの位置づけについて解説していきます。
✅ 記事は、新しい学習指導要領で重視される「思考力」をどのように授業で育成していくかについて、具体的に解説している。
✅ ベネッセ教育総合研究所の伊藤素江氏が開発した「批判的思考力」育成教材と、それを活用した明星高校の授業事例を紹介している。
✅ 従来の「活動主義」から「資質・能力主義」への転換、そして「批判的思考力」の育成が、国語教育における課題解決の鍵となると論じている。
さらに読む ⇒ベネッセ教育情報 | みつかる、明日のまなび。出典/画像元: https://benesse.jp/berd/special/manabi/manabi_25.html新しい学習指導要領では、社会情動的スキルが更に重視されるようになっていますね。
日本の教育改革では、すべての子どもに育成すべき「資質・能力の3つの柱」が定義されており、3つ目の柱である「学びに向かう力、人間性」は社会情動的スキルとほぼ同じ意味合いを持ち、日本の教育制度において不可欠な役割を果たします。講演では、日本の幼児を対象とした縦断調査(幼児期から小学生の家庭教育調査・縦断調査)から、子どもの社会情動的スキル(学びに向かう力)の発達についてさらに詳しく解説されています。
日本の教育改革は、社会情動的スキルの育成に力を入れています。
日本の教育も変わってきてるんやなぁ。
社会情動的スキルを育てる授業ってどんな授業なんでしょうか?
社会情動的スキルに関する研究の目的と意義
最後に、社会情動的スキルに関する研究の目的と意義についてお話します。
✅ 第4期教育振興基本計画におけるウェルビーイングは、子供たちの主観的な幸福感を向上させるための重要な要素であり、友達との関係、教師との関係など、他者とのつながりが大きな影響を与えていることが示されています。
✅ 具体的には、友達関係や教師サポートが主観的な幸福感に強い相関関係を持つ一方で、成績や社会経済的背景はそれほど影響を与えないという結果が出ています。
✅ そのため、児童生徒のウェルビーイングを高めるためには、教師のウェルビーイング向上のためのサポート体制整備や、子供たちが自ら好きな科目に打ち込めるような学習環境の提供などが重要になります。
さらに読む ⇒文部科学省出典/画像元: https://mext-gov.note.jp/n/n42c929e35460社会情動的スキルは、将来の学力やウェルビーイングだけでなく、人生の幸福度にも影響を与えますね。
本研究は、社会情動的スキルが将来の学力やウェルビーイングに与える影響に着目し、将来の学力やウェルビーイングを予測する社会情動的スキルを特定し、その発達的変化と学校教育における育成方法を検討することを目的とする。社会情動的スキルは、従来の学力テストでは測定できない心の性質であり、目標達成、他者との協働、情動制御などの側面を持つ。近年、社会情動的スキルの重要性が認識され、将来の賃金、健康、犯罪率などの予測因子として注目されている。しかし、社会情動的スキルは多岐にわたるため、将来の学力やウェルビーイングに特に重要なスキルは明らかになっていない。本研究は、将来の学力やウェルビーイングを予測する社会情動的スキルを特定し、それらのスキルがどのように発達し、学校教育の中でどのように育成できるか明らかにすることで、教育実践に大きなインパクトをもたらす。また、社会情動的スキルに関する長期的な調査や育成方法に関する研究は国際的にも少ないため、本研究は世界的にも先進的な学術的意義を持つ。
社会情動的スキルは、子供たちのウェルビーイングを高めるために非常に重要です。
わかってきましたなぁ、社会情動的スキルってホンマに大事やな。
社会情動的スキルを育むことで、将来の幸福度を高められるんですね。
本日は、社会情動的スキルの重要性について多くの情報が得られました。
💡 社会情動的スキルは、学力とは異なる重要な能力です。
💡 幼児期からの教育が、社会情動的スキルの発達に大きく影響します。
💡 社会情動的スキルは、将来の成功と幸福に繋がると言われています。