絵本市場はなぜ成長している?出版不況と少子化を乗り越えるとは!!?
💡 絵本市場は、出版不況や少子化にも関わらず、近年成長を続けている。
💡 教育政策による読書推進活動や、書店でのイベント増加が、絵本市場の活性化に繋がっている。
💡 従来の枠を超えた多様な作品が登場し、新たな読者層を獲得している。
それでは、絵本市場の現状について詳しく見ていきましょう。
絵本市場の隆盛:出版不況と少子化を乗り越える
絵本市場の隆盛、興味深いですね。
✅ 出版不況や少子化にも関わらず、絵本市場は好調で、それは教育政策による読書推進活動、書店やイベントなど絵本と触れ合う場の増加、そして従来の枠を超えた多様な作品を生み出すことで、新たな読者層を獲得していることが要因です。
✅ 特に、自治体の「ブックスタート」や学校の「朝の読書」といった活動は、絵本を読む機会を増やし、絵本人気に貢献していると言えるでしょう。
✅ また、書店でのイベントや絵本専門美術館・図書館の増加、オンラインイベントなど、多様な場で絵本に触れる機会を提供することで、新たな読者を獲得し、絵本市場の活性化に繋がっています。
さらに読む ⇒世界を、彩り豊かに出典/画像元: https://www.toppan-colorer.co.jp/column/3680なるほど、絵本市場は多様な要因が複合的に作用して成長しているんですね。
近年、出版業界全体が縮小傾向にある中、絵本市場は拡大傾向にあります。特にコロナ禍以降は堅調に推移しており、少子化にもかかわらず、読み聞かせの重要性が認識され、知育の一環として絵本が注目されています。書店では絵本コーナーが充実し、取次会社トーハンのデータでも、創作絵本の売上はコロナ禍前と比べて増加しています。この好調な絵本市場の背景には、教育政策による読書推進活動、書店でのイベント増加、従来の枠を超えた多様な作品が登場していることなどがあります。2001年の「子どもの読書活動の推進に関する法律」施行以降、自治体や学校は、読書推進活動に力を入れており、特に「ブックスタート」や「朝の読書」活動は、絵本への関心を高める上で重要な役割を担っています。書店では、読み聞かせ会やおはなし会、作家によるサイン会やトークショー、原画展、ワークショップなど、イベントが盛んに行われてきました。また、絵本専門美術館や図書館も増え、親子で参加できる大規模なブックイベントも開催されています。近年では、従来の絵本の枠を超えた作品が登場しており、新たな読者の獲得にも繋がっています。例えば、発想力や創造力を育む絵本や、大人も楽しめるような深みのある絵本など、多様な作品が出版されています。
そうですね。特に、コロナ禍以降は、絵本が子どもの心の安定や学習に役立つという認識が高まりました。
ホンマやな、うちの子も絵本大好きやねん。最近は、大人向け絵本も出てきて、親父もハマっとるわ。
私も、絵本を読むのが好きです。最近は、大人向け絵本もたくさん出ているので、興味があります。
子供たちの読書量は増加傾向にあるが、読解力向上に課題
では、続いて、子供たちの読書量について見ていきましょう。
✅ 2018年のPISA調査で、日本の読解力は前回より12点低い504点となり、OECD加盟国中11位に順位を下げました。特に自由記述問題での正答率が低く、問題文からの引用のみで、自分の考えを他者に伝わるように記述できていない傾向が見られました。
✅ 文科省は、読解力だけでなく、コンピューター方式への移行も成績低下に影響している可能性があるとみている。2015年から導入されたコンピューター方式は、オンライン上の形式から取った電子メールや投稿文などを素材に出題される特徴があり、日本の生徒が慣れていないことが影響している可能性があります。
✅ 一方、日本の数学的リテラシーは527点(1位)、科学的リテラシーは529点(2位)で、世界トップレベルを維持しました。上位にはアジアの国が多く、読解力、数学、科学ともに「北京・上海・江蘇省、浙江省」(中国)が1位、シンガポールが2位、マカオ(中国)が3位でした。
さらに読む ⇒日本教育新聞電子版 NIKKYOWEB出典/画像元: https://www.kyoiku-press.com/post-210466/日本の読解力低下の原因は、デジタル化の影響もあるんですね。
日本の児童書市場は、近年ブームが到来し、売上は堅調に推移しています。これは、1990年代に問題視されていた「子どもの本離れ」が、2000年代以降改善傾向にあることを示唆しています。実際、学校図書館協議会による調査では、小中学生の読書量は増加傾向にあり、高校生も不読率が減少しています。しかし、OECDの学力調査PISAでは、日本の子供の読解力は2000年にフィンランドに敗れ、その後も低迷しています。日本の教育現場では、ICT機器を使った教育が遅れているため、デジタル時代の読解力向上に課題が残されています。
デジタルネイティブ世代の子供たちは、紙媒体よりもデジタルメディアに慣れ親しんでいるため、読解力の低下につながっている可能性があります。
やっぱり、デジタルネイティブやと、紙媒体を読むのは難しいんかな?
私は、スマホやパソコンで文章を読むことが多いので、紙媒体と比べて集中力が続かないと感じます。
出版業界の現状:電子出版市場の成長と紙媒体市場の復活
続いて、出版業界全体の現状について見ていきましょう。
✅ 2023年の出版市場は1兆5963億円、コミックが6937億円、書籍(コミックを除く)が6369億円、雑誌(コミックを除く)が2657億円だった。
✅ 市場占有率はコミックが43.5%、書籍(コミックを除く)が39.9%、雑誌(コミックを除く)が16.6%で、コミックが書籍を上回っている。
✅ コミック市場は2000年以降、安定して成長を続けており、特に電子コミックの普及が著しい。書籍市場は近年、緩やかな減少傾向にあるものの、電子書籍市場の拡大により、全体としては底堅い推移を見せている。雑誌市場は縮小傾向が続いているが、近年は電子雑誌の増加が見られる。
さらに読む ⇒特定非営利活動法人HON.jp / HON.jp News Blog / HON.jp Books / NovelJam / 群雛ポータル出典/画像元: https://hon.jp/news/1.0/0/47277コミック市場は、電子書籍の普及によって大きく成長しているんですね。
日本の出版販売額は1996年をピークに下降傾向にあります。雑誌市場は特に激減し、2016年には書籍の売り上げを下回りました。書籍市場は高齢者にシフトしつつありますが、教育系分野は比較的堅調です。電子出版市場は大きく拡大しており、特に電子コミックの成長が著しいです。紙+電子の出版市場では、コミックのシェアが4割を超え、拡大傾向にあります。詳細なデータは「出版指標年報」に掲載されています。2021年の出版市場は、電子出版市場の成長が著しい一方、紙媒体の書籍市場も15年ぶりに増加しました。その要因として、絵本や図鑑、学習漫画などの児童書や文芸書の売れ行きが好調であったことが挙げられます。絵本市場は、2000年以降、売上高が約1.5倍に伸びており、児童書の35.5%を占めています。特に近年は、定番のロングセラー作品の売れ行きが好調であり、世代を超えて読み継がれる普遍的なコンテンツとしての魅力が、市場の安定に貢献しています。
電子書籍の普及は、出版業界に大きな変化をもたらしています。今後も電子書籍市場は拡大していくと考えられます。
コミック市場の勢いは、ホンマにすごいな。うちも電子コミックはよく使ってますわ。
電子書籍は、持ち運びやすくて便利なので、よく利用しています。
児童書市場の現状:コロナ禍特需の反動と今後の展望
では、最後に、児童書市場の現状と今後の展望について見ていきましょう。
公開日:2024/11/10
✅ 2023年の児童書推定販売金額は前年比6.5%減の863億円と、2年連続で前年割れとなりましたが、これは電子出版を除く紙の書籍・雑誌合計の推定販売金額が19年連続で前年比マイナスであることを考えると、健闘していると言えるでしょう。
✅ 2020年には児童書推定販売金額が930億円と12年ぶりに900億円台に乗せ、2021年には10年間のピークとなる967億円を記録しました。これはコロナ禍で子どもたちが自宅で過ごす時間が増え、親が図鑑などを買い与える「特需」があったためです。
✅ 少子化と子どもの活字離れが懸念される中、児童書の売れ行きは出版界のみならず、日本社会の将来を占う上で重要なデータです。今後、児童書市場がどのように推移していくのか注目されます。
さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASSC81SKQSC8OXIE057M.htmlコロナ禍特需は、一時的なものであったようですね。
2023年の児童書推定販売金額は前年比6.5%減の863億円と2年連続で前年割れとなりました。一方で、同年の電子出版を除く紙の書籍・雑誌合計の推定販売金額は同6.0%減の1兆612億円と19年連続で前年比マイナスが続いています。15歳未満人口の減少を考慮すると、児童書は健闘していると言えるでしょう。2020年には930億円、2021年には967億円とコロナ禍における「特需」の影響もあり、児童書は近年好調でしたが、2023年は減少に転じました。コロナ禍での自宅待機時間が増加したことで、親が子どもに図鑑などを買い与えたことが特需につながったと考えられています。今後、少子化による児童書市場への影響や、読書離れとの関係が注目されます。
児童書市場は、コロナ禍特需の影響で一時的に伸びましたが、今後、少子化や読書離れによる影響が懸念されます。
コロナ禍で、親御さんは絵本買ってあげたんかな?
最近は、スマホやゲームばかりで、本を読む時間が減っている気がします。
絵本市場の未来:出版業界と社会全体の取り組みが鍵
絵本市場の未来について考えていきましょう。
✅ ブックスタートは、0歳児健診などの機会に、絵本と読み聞かせ体験をセットでプレゼントする活動で、全国の64%にあたる1,115自治体で実施されています。
✅ イギリス発祥で、2001年に日本で始まり、教育的価値よりも「赤ちゃんの幸せ」を重視し、官民協働で市民ボランティアが参加している点が世界から注目されています。
✅ スウェーデンでは、2014年からブックスタートを試験的に開始し、図書館や保健センターなどで絵本パックをプレゼントしています。日本と同様に、子どもの人生に大きな価値をもたらすと考えられており、スウェーデンの担当者は日本の取り組みを参考に自国の活動を充実させたいと考えています。
さらに読む ⇒PR TIMES|プレスリリース・ニュースリリースNo.1配信サービス出典/画像元: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000097323.htmlブックスタートは、子どもの読書習慣形成に貢献する素晴らしい取り組みですね。
日本の絵本市場は、出版業界の取り組みと社会全体の意識変化によって活況を呈しています。特に、自治体による『ブックスタート』運動の普及は、0歳児から絵本と触れ合う機会を増やし、読書習慣の基盤を築く上で大きな役割を果たしています。また、絵本専門士の資格取得者や認定絵本士養成講座の設立は、絵本に関する専門知識と技能を持った人材育成を促進し、質の高い絵本制作と普及を後押ししています。一方、近年の物価高騰は絵本の価格にも影響を与えていますが、高額なものでも、内容や質に納得感のある絵本は依然として人気を博しています。絵本は、情報教育や知育だけでなく、紙媒体ならではの豊かな世界観を提供し、大人も子どもも楽しめるものです。今後も、出版業界や社会全体の取り組みによって、絵本はますます発展していくことが期待されます。
ブックスタートは、子どもの読書への興味関心を育む上で、非常に効果的な取り組みです。
ホンマやな、ブックスタートって素晴らしい取り組みやな。
私も、小さい頃から本を読む機会が多く、読書が大好きになりました。
絵本市場は、出版業界と社会全体の取り組みによって、今後も発展していくことが期待されます。
💡 絵本市場は、教育政策や書店イベントなどにより、活況を呈している。
💡 子供たちの読解力は課題だが、デジタル化に対応した教育が必要とされている。
💡 出版業界は、電子出版市場の成長と紙媒体市場の復活という変化を迎えつつある。