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老化細胞を除去する薬が開発されたって本当?老化細胞除去で健康寿命延伸の可能性とは!?

老化細胞を除去する薬が開発されたって本当?老化細胞除去で健康寿命延伸の可能性とは!?
📘 この記事で分かる事!

💡 老化細胞を除去することで、健康寿命を延伸できる可能性がある。

💡 老化細胞は、加齢とともに体内に蓄積し、様々な加齢に伴う疾患の原因となる。

💡 老化細胞の代謝特異性を標的とした抗加齢療法の開発が進められている。

それでは、老化細胞除去について詳しく解説していただきます。

老化細胞除去による健康寿命延伸の可能性

「老化細胞」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

🔖 関連記事の要約!老化細胞を除去する薬で「健康寿命120年時代」がやって来る!

公開日:2021/03/31

老化細胞を除去する薬で「健康寿命120年時代」がやって来る!

✅ 老化の仕組みは未だ完全には解明されておらず、特に「最大寿命を決める老化」の原因は不明である。しかし、近年、細胞の炎症蓄積が「健康寿命を決める老化」に影響していることがわかってきた。

✅ 東大の中西真教授率いる研究チームは、老化細胞を除去する薬を開発し、マウス実験で動脈硬化や糖尿病などの改善、健康寿命の延ばし効果を確認した。

✅ 生物の老化は多様であり、人間のように加齢とともに死亡率が上がる生物もいれば、カメやワニのように死亡率が変わらない生物もいる。老化は、生殖と遺伝子の維持という観点からも重要な役割を果たしている可能性がある。

さらに読む ⇒週プレNEWS週プレNEWS出典/画像元: https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2021/03/31/113364/

マウスで効果が確認されたとのことですが、人間にも同じように効果があるのでしょうか?

加齢に伴い増加する老化細胞は、本来の役割を終えても体内に残る細胞であり、炎症性物質を分泌することで周囲の組織や臓器の機能低下、さらには動脈硬化や糖尿病などの老化に伴う疾患リスクを高める可能性があります。そのため、老化細胞を除去することで健康寿命を延伸できる可能性が注目されています。東京大学医科学研究所の中西真教授らの研究グループは、老化細胞の生存に必須な遺伝子であるGLS1を同定し、GLS1を阻害することで老化細胞を除去できる可能性を見出しました。GLS1は、老化細胞が生き残るために重要な役割を果たす酵素であり、老齢マウスにGLS1阻害薬を投与した結果、腎機能の低下、肺の線維化、肝臓の炎症、動脈硬化の抑制、筋肉の若返りなどが確認されました。これらの成果は、老化細胞の除去による健康寿命延伸の可能性を示唆しています。

そうですね。老化細胞は、加齢とともに増加し、炎症性物質を分泌することで、周囲の組織や臓器に悪影響を及ぼすことが知られています。この研究は、老化細胞を除去することで、健康寿命を延伸できる可能性を示唆しており、非常に画期的な成果と言えるでしょう。

ほな、老化細胞って、ようするに、もう役立たずの細胞ってことやな?

老化細胞の除去は、健康寿命を延ばすだけでなく、老化に伴う様々な病気の予防にも繋がるんですね。

老化細胞の代謝特異性を標的とした抗加齢療法の開発

老化細胞は、体内に蓄積すると、どのような悪影響があるのでしょうか?

🔖 関連記事の要約!新たなフェーズに入った老化研究(城村由和)
新たなフェーズに入った老化研究(城村由和)

✅ この記事は、老化研究の進歩、特にモデル生物を用いた研究成果と老化治療の新たな展望について解説しています。

✅ 具体的には、センチュウや酵母を用いた研究から、老化が遺伝子によって制御されていることが明らかになり、インスリン/IGF-1シグナル伝達経路(IIS)やSIR遺伝子など老化と寿命に影響を与える重要な経路が明らかにされました。

✅ さらに、細胞老化が加齢性疾患の原因の一つと考えられるようになり、細胞老化を標的とした老化治療の研究が進められています。

さらに読む ⇒Home | 医学書院Home | 医学書院出典/画像元: https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2023/3499_02

老化細胞の代謝特異性に着目した抗加齢療法って、具体的にはどういうものなのでしょうか?

研究グループは、新たな老化細胞の純培養法を構築し、老化細胞の生存に必須な遺伝子群をスクリーニングした結果、グルタミン代謝酵素GLS1が老化細胞の生存に重要であることを発見しました。さらに、老化細胞ではリソソーム膜に損傷が生じ、細胞内pHが低下することでGLS1の阻害剤に対する感受性が高まることも明らかにしました。老齢マウスや加齢関連疾患モデルマウスにGLS1阻害剤を投与した結果、さまざまな臓器・組織における老化細胞の除去、加齢現象の改善、肥満性糖尿病、動脈硬化症、非アルコール性脂肪肝 (NASH) などの症状改善が見られました。これらの結果は、老化細胞の代謝特異性に着目した新しい抗加齢療法の可能性を示唆しています。

老化細胞の代謝という観点からの研究は、非常に興味深く、今後の抗加齢療法開発に大きな期待が持てます。

老化細胞って、体の中にゴミみたいなもんが溜まっていくみたいなもんなんやな。

老化細胞の代謝特異性って、難しい言葉ですが、老化細胞には普通の細胞とは違う特徴があるってことですよね?

悪玉老化細胞の特定と新たな治療ターゲット

悪玉老化細胞って、どういう細胞なのでしょうか?

🔖 関連記事の要約!不老不死に挑む>(3)「老化細胞」の除去 慢性炎症抑え 若さ保つ:東京新聞デジタル
不老不死に挑む>(3)「老化細胞」の除去 慢性炎症抑え 若さ保つ:東京新聞デジタル

✅ 老化細胞を除去することで、老化を遅らせ、健康寿命を延ばす研究が進んでいる。

✅ 東京大学の中西真教授らのチームは、老化細胞を除去する「GLS1阻害剤」を開発し、マウス実験で加齢現象の改善を確認した。

✅ この阻害剤は、将来的には慢性腎臓病や肺線維症などの治療薬として実用化されることが期待されている。

さらに読む ⇒東京新聞 TOKYO Web東京新聞 TOKYO Web出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/304195

PD-L1老化細胞の発見は、老化細胞除去のターゲットを絞り込む上で、大きな意味を持つのではないかと思います。

中西教授らは、様々な種類の老化細胞の中でも特に悪玉の老化細胞である「PD-L1老化細胞」を特定しました。PD-L1は免疫細胞のT細胞を抑制する役割を持つタンパク質であり、PD-L1老化細胞は、炎症性サイトカインを大量に分泌し、周囲の組織に深刻なダメージを与える可能性があります。この発見は、老化細胞除去の新たなターゲットとなり、より安全で効率的な老化抑制への道を開く可能性を示唆しています。

PD-L1老化細胞は、免疫細胞の働きを抑制することで、老化を促進する可能性があるため、重要なターゲットとなりますね。

悪玉老化細胞って、体の中にいる悪党みたいなもんか?

PD-L1って、初めて聞きました。免疫細胞の働きを抑制するって、どういうことですか?

老化細胞の代謝特異性とGLS1阻害剤

老化細胞は、なぜグルタミン代謝酵素GLS1を活性化するのでしょうか?

🔖 関連記事の要約!グルタミン代謝の阻害が老化細胞を除去し、加齢現象を改善することを解明

公開日:2021/01/20

グルタミン代謝の阻害が老化細胞を除去し、加齢現象を改善することを解明

✅ 東京大学などの研究グループは、老化細胞の除去に効果的なグルタミン代謝阻害剤を発見しました。

✅ 老化細胞は、リソソーム膜の損傷により細胞内pHが低下し、生存のためにグルタミン代謝酵素GLS1を活性化させてアンモニアを産生することでpHを調整しています。

✅ GLS1阻害剤は老化細胞の死滅を誘導し、老齢マウスにおいて加齢現象や加齢関連疾患を改善することが確認されました。この発見は、抗加齢療法や老年病、生活習慣病の予防・治療薬開発に繋がる可能性を秘めています。

さらに読む ⇒ 大学ジャーナルオンライン 大学ジャーナルオンライン出典/画像元: https://univ-journal.jp/78440/

GLS1阻害剤は、老化細胞の死滅を誘導するだけでなく、加齢関連疾患の改善にも効果があるという点が素晴らしいですね。

研究グループは、老化細胞がリソソーム膜の損傷により細胞内pHが低下し、その結果、グルタミン代謝酵素GLS1の阻害剤に対して感受性を示すことを発見しました。老齢マウスや加齢関連疾患モデルマウスにGLS1阻害剤を投与した結果、様々な臓器・組織の加齢現象、老年病、生活習慣病が改善されました。この研究成果は、老化細胞の代謝特異性を理解し、それを標的とする薬剤開発の可能性を示唆しています。健康寿命の延伸だけでなく、がんや動脈硬化などの老年病の予防・治療にも貢献が期待されています。

老化細胞の代謝特異性を利用したGLS1阻害剤は、非常に効果的な治療薬になる可能性を秘めていると思います。

GLS1阻害剤って、老化細胞を撃退する魔法の薬みたいなもんか?

GLS1阻害剤が、老化細胞を死滅させるって、すごいですね!

世界初の老化細胞除去薬「GLS1阻害薬」の開発

GLS1阻害薬は、どのようなメカニズムで老化細胞を除去するのでしょうか?

🔖 関連記事の要約!老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が加齢現象・老年病・生活習慣病を改善させることを証明
老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が加齢現象・老年病・生活習慣病を改善させることを証明

✅ 老化細胞はリソソーム膜に損傷が生じ、細胞内pHが低下することでグルタミン代謝酵素GLS1に対する感受性が高まることを発見しました。

✅ 老齢マウスや加齢関連疾患モデルマウスにGLS1阻害剤を投与すると、組織・臓器における老化細胞が除去され、加齢現象、老年病、生活習慣病が改善することが確認されました。

✅ 本研究は、老化細胞の代謝特異性を標的とした老化細胞除去による、新たな抗加齢療法の開発に貢献する可能性を示唆しています。

さらに読む ⇒新潟大学新潟大学出典/画像元: https://www.niigata-u.ac.jp/news/2021/81991/

老齢マウスの健康状態が改善されたとのことですが、具体的な改善点はどのようなものですか?

中西真教授らの研究グループは、老化細胞を除去する薬(セノリティクス)の開発を進めており、世界初の老化細胞除去薬「GLS1阻害薬」は、種類が異なる老化細胞を一網打尽に除去する画期的な新薬候補として注目されています。ヒトで言えば70歳代くらいに相当する老齢マウスにGLS1阻害薬を投与した結果、腎機能の低下、肺の線維化、肝臓の炎症などが改善され、臓器の機能が向上しました。また、血液中の炎症物質であるTNF-αやIL-6が若いマウスと同程度になり、肥満による動脈硬化も改善されました。さらに、握力の低下や脂肪組織の萎縮も抑制され、運動能力や代謝機能が向上するなど、老齢マウスの健康状態が改善されました。これらの研究結果から、GLS1阻害薬は老化細胞除去による健康寿命延伸の可能性を秘めていることが示されました。

GLS1阻害薬は、老化細胞除去による健康寿命延伸の可能性を示唆する重要な研究成果です。

老化細胞除去薬って、もうすでに開発されてるんか?

GLS1阻害薬が、老化細胞を除去することで、健康寿命を延伸できるなんて、夢のようです!

今回の内容から、老化細胞除去は、健康寿命延伸だけでなく、様々な疾患の予防や治療にも貢献する可能性があることが分かりました。

🚩 結論!

💡 老化細胞除去薬の開発が進められている。

💡 老化細胞は、リソソーム膜の損傷により細胞内pHが低下し、グルタミン代謝酵素GLS1に対する感受性が高まる。

💡 GLS1阻害剤は、老化細胞の死滅を誘導し、加齢現象や加齢関連疾患を改善する効果が期待される。