若者の投票率はなぜ低い?日本の政治参加の課題を探る日本の未来を担う若者の声は届いているのか!?
💡 日本のZ世代は、政治への関心が低い一方で、社会課題には関心を持っている。
💡 Z世代の投票率低下の要因は、政治への信頼度が低いことや、政治的無力感を感じていることにある。
💡 Z世代の政治参加を促進するためには、政治教育の充実や、政治への信頼回復が重要である。
それでは、第一章、Z世代の政治参加への課題について詳しく見ていきましょう。
Z世代の政治参加への課題
本章では、Z世代の政治参加への課題について解説していきます。
✅ 日本のZ世代は、衆院選の投票率が最も低く、社会課題に関心がある一方で、政治参加への意識が低いことが明らかになった。
✅ 政治への信頼度が低いことや、政治的無力感を感じていることが、Z世代の投票率低下の要因と考えられる。
✅ 政治への関心を高め、政治参加を促進するためには、若者にとって分かりやすく魅力的な政治教育や、政治への信頼回復が重要である。
さらに読む ⇒第一生命経済研究所TOPページ出典/画像元: https://www.dlri.co.jp/report/ld/381661.htmlZ世代の投票率の低さは、日本の政治の将来にとって大きな課題ですね。
2021年の衆議院選挙では、Z世代の投票率が6割近くと最も低く、60歳代との差は35ポイント近くに達しました。これは、社会課題に関心があっても、政治参加に繋がらないことを示唆しています。Z世代は社会課題に関心がある一方で、政治への信頼度が低く、政治参加の意識も低いです。政治家への信頼度は7割近くが「全く信頼できない」または「あまり信頼できない」と回答しており、政府への不信感も高いです。また、政治的無力感を感じており、自分たちが政治を動かす力はないと考えています。主権者教育の充実が課題です。Z世代は、政治は国会議員や官僚が動かしており、国民は動かせないと考えています。そのため、主権者教育を充実させ、政治への関心を高め、投票率向上につなげる必要があるのです。
そうですね。Z世代は、政治への関心が低いだけでなく、政治への信頼度も低いという現状があります。
ほんまやなぁ。若い世代は、政治家よりもYouTuberとかの方が信用してるんちゃうかな?
私も、政治のことよくわからないので、正直投票に行くのが怖い気持ちもあります。
若者の投票率の現状と理由
続いて、若者の投票率の現状と理由について見ていきましょう。
✅ 岡山市の環太平洋大学では、学生に選挙制度について理解を深めてもらうため、「期末レポート」を争点にした模擬選挙を実施しました。この取り組みを通して、学生は選挙が「公約」ではなく「候補者」を選ぶものであることを学び、投票の重要性を感じたようです。
✅ 東北大学の吉田浩教授は、若者の投票率が低いことにより、将来的な負担増加につながる可能性を指摘しています。過去26回分の国政選挙データを用いて分析した結果、若者の投票率が1%下がると、若者の負担が年間で1人当たり約4万7000円増えるという試算結果を発表しました。
✅ さらに、高齢者向けの社会保障と若者向けの社会保障の支出状況を分析した結果、若者の投票率が1%下がると、世代間の格差が年間で1人当たり約3万円広がるという結果も出ています。この2つの試算から、若者の投票率が1%下がることで若者は年間で約7万8000円損をするという結論に至りました。
さらに読む ⇒KSBニュース | KSB瀬戸内海放送出典/画像元: https://news.ksb.co.jp/article/14663303若者の投票率が低いことで、将来的な負担増加や世代間の格差拡大が懸念されるとは、深刻な問題ですね。
近年、若者の投票率の低さが問題視されています。少子化が進む中、若者の政治離れは、政治への若者の声の反映を難しくする懸念があります。2022年7月の参議院選挙では、10代・20代の投票率は30%台と、他の年代と比べて低いことが明らかになりました。過去20年の推移を見ても、20代の投票率は30%代と一貫して低い水準です。総務省の調査では、投票に行かなかった理由として、「選挙に関心がない」「投票所に行くのが面倒」「どの政党や候補者に投票すべきかわからない」などが挙げられました。東京都の調査では、20代の棄権理由として、「投票所に行くのが面倒」「仕事が忙しく時間がなかった」「候補者の人柄や政策がわからなかった」などが上位にランクインしました。
若者の投票率が低いことは、民主主義の根幹を揺るがす問題です。
えー、まじっすか?投票行かんと、将来損するってマジ?
投票に行くのが面倒だなって思ってたんですけど、将来的な負担に繋がるんですね。
投票率向上のための対策
では、投票率向上のための対策について考えていきましょう。
公開日:2022/06/23
✅ 横浜市では、18歳選挙権導入後も、20代は10代に比べて投票率が低い傾向にあり、その要因には就職活動など環境の変化による政治への関心低下、啓蒙や教育不足などが挙げられている。
✅ 市教育委員会と市選挙管理委員会は連携し、主権者教育に取り組んでおり、市会見学や政治参加の重要性を訴える授業などを行っている。
✅ 市選管は、若者への啓発活動として、Web広告や啓発キャラクターの活用など、新たな手法を取り入れている。
さらに読む ⇒タウンニュース | 神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙出典/画像元: https://www.townnews.co.jp/0117/2022/06/23/630580.html若者向けの啓発活動や主権者教育の充実など、多角的な取り組みが必要だと感じます。
若者の投票率向上には、選挙への関心を高めることが重要です。そのためには、政治への関心を高めるための教育や、若者にとってわかりやすく、興味を持てるような選挙情報の発信が求められます。また、投票の利便性を向上させるための取り組みも必要です。具体的には、不在者投票の制度の周知や、投票所へのアクセス向上などが挙げられます。第26回参議院選挙の結果を市区町村別の得票率で色分け地図として可視化し、過去の選挙結果と比較することで、地域ごとの投票傾向の変化を分析しました。分析の結果、各政党の得票率が高い地域は、過去と比較して大きな変化はみられず、ある程度固定されている傾向が見られました。一方、投票率については、全体的な低下傾向が続き、特に若年層の投票率が低いことが課題となっています。若年層の投票率向上のためには、SNS広告などの短期的な対策だけでなく、学校教育における主権者教育の充実や、日常生活における政治への関心を高める取り組みが重要であると結論付けられました。具体的には、学校教育において地理空間情報 (GIS) を活用し、地域ごとの投票率の差について生徒に考えさせる授業を取り入れることや、社会科以外の授業でも日常生活と政治を結びつける機会を提供することが有効と考えられます。
政治への関心を高めるための教育や、若者にとってわかりやすく興味を持てるような選挙情報の発信が重要です。
選挙のCMとか、もっと面白くしたらええんちゃうかな?
SNSとかで、選挙に関する情報がもっと発信されたら、興味を持つ人が増えるかもしれません。
若者の投票率低下の地域差と課題
本章では、若者の投票率低下の地域差と課題について見ていきましょう。
公開日:2022/07/07
✅ 2021年衆議院議員総選挙における10代有権者の投票状況を都道県別に分析した結果、京都府が最も高い投票率を記録した一方で、島根県、宮崎県、岩手県、山口県、茨城県が最も低い投票率を示しました。
✅ 18歳選挙権導入後も、若者の投票率は地域によってばらつきがあり、特に高校卒業後の県外移住などにより、若者の参加を阻害する要因が存在する可能性が示唆されました。
✅ 投票率の低い地域では、政治参加の技術を学ぶ機会や、若者にとって関心のある政策や候補者に関する情報提供の充実が課題として挙げられます。
さらに読む ⇒選挙ドットコム|日本最大の選挙・政治情報サイト出典/画像元: https://go2senkyo.com/articles/2022/07/08/69147.html地域によって投票率に差があるのは、様々な要因が考えられますね。
18歳選挙権導入後5回目の国政選挙となる参議院議員選挙を前に、10代を中心とした若者の投票状況と課題を、直近の衆議院議員総選挙のデータに基づき都道県単位で分析しました。2021年衆院選における10代投票率は京都府が62.30%でトップ、島根県が28.17%で最下位でした。10代投票率上位には京都府、埼玉県、東京都などがあり、ワーストには島根県、宮崎県、岩手県などがランクインしました。注目すべきは、2017年衆院選で10代投票率が上位だった都道府県でも、2021年には順位が大きく変動している点です。例えば、2017年10代13位だった京都府が2021年には1位になった一方で、2017年10代12位だった東京都は2021年には3位にランクダウンしました。また、山梨県や佐賀県では18歳投票率が10%以上低下するなど、投票率の維持が課題となっています。一方、茨城県、島根県、宮崎県は前回に引き続きワースト5に残っており、これらの県では10代及び18歳投票率が継続して低水準であることが課題となっています。これらの県では全年代の投票率は必ずしも低くないため、若者世代特有の要因が投票率低下の要因として考えられます。投票棄権者数は上位5都道府県で全体の30%を超えており、3人に1人が投票を棄権している状況です。棄権者数は東京都、神奈川県、愛知県、埼玉県など都市部で多く、これらの地域では人口集中の影響も考えられます。さらに、2017年衆院選で18歳有権者だった世代の投票率の落ち込みが顕著であることが判明しました。これらの分析結果から、政治参加の技術を学ぶ場への若者の参加をいかにデザインしていくか、投票率の維持・向上に向けた継続的な取り組みが必要であることが明らかになりました。また、若者の投票率低下の要因を分析し、効果的な対策を検討していく必要があります。
地域間の格差を解消するためには、政治参加の技術を学ぶ機会や、若者にとって関心のある情報提供が重要です。
地域差って、やっぱ都会と田舎の違いが大きいんかな?
地元の政治のこと、もっと知りたいんですけど、情報が少ないのが残念です。
若者の投票習慣化と主権者教育の課題
最後は、若者の投票習慣化と主権者教育の課題について解説していきます。
✅ 記事は、岐阜大学田中准教授が、主に岐阜県で行われた選挙に関する学生向けワークショップや政治分析に関するメディア掲載記事をまとめたものです。
✅ 掲載内容は、学生が選挙に関わる意識を高め、候補者の政策を分析し、独自の視点で評価する様子が中心です。
✅ 田中准教授は、学生の政治参加を促進し、選挙に対する関心を高めるために、積極的に活動していることがわかります。
さらに読む ⇒ 岐阜大学 田中伸研究室出典/画像元: https://www.nobolta.com/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E6%8E%B2%E8%BC%89/主権者教育は、従来の「ままごと」的なものから、より実践的なものへと変化していく必要があると感じます。
日本の少子化は深刻化し、投票者年齢の中央値も上昇傾向にあります。18歳選挙権導入により若者の投票率は一時的に上昇しましたが、2回目の投票では棄権率が高く、投票習慣化への課題が残ります。18歳選挙権導入後、10代の投票率は20代よりも高く、特に導入された参院選(2016年)では高い投票率となりました。しかし、2回目の投票では棄権者が多く、特に高校卒業後に投票率が低下する傾向が見られます。一方で、高校在学中は投票率が高いことから、学校生活の影響が大きいことが示唆されています。日本の若年層の投票率は他国と比較しても低く、課題は残りますが、直近の衆院選では改善傾向が見られます。18歳選挙権が若者の政治参加にどのような影響を与えていくのか、今後の動向が注目されます。18歳選挙権導入後、主権者教育は注目されましたが、若年層の投票率は依然低い状況です。岐阜大学の田中伸准教授は、従来の模擬投票や政策発表といった「ままごと」的な教育では、子どもたちの意識はなかなか変わらないと指摘しています。田中准教授は、主権者教育の新たな形として、「成功体験」の重要性を強調し、具体的な例として、ゴミ捨て場の移設や学校の図書館整備といった地域課題への取り組みを挙げています。これらの取り組みを通して、子どもたちは自分の意見が社会に反映される喜びや、政治参加の意義を実感できるようになるというのです。
若者の投票習慣化には、主権者教育の改革が欠かせません。
なーんか、学校で習う主権者教育って、現実と離れてる気がするねんけど。
主権者教育って、もっと身近な問題と結びつけたら、興味が持てるかもしれません。
今回の記事では、若者の投票率低下の現状と課題について解説しました。
💡 日本のZ世代は、政治への関心が低い一方で、社会課題には関心を持っている。
💡 投票率の低下の要因は、政治への信頼度が低いことや、政治的無力感を感じていることにある。
💡 若者の投票率向上のためには、政治教育の充実や、政治への信頼回復が重要である。