中村彝:人物画と主体性?没後100年を記念した大規模個展とは!!?
💡 中村彝は、西洋絵画の影響を受けながら独自の画風を確立した洋画家です。
💡 生と死、そして「私とは何か」という問いに向き合った中村彝の芸術に迫ります。
💡 没後100年を記念した大規模な個展が開催されます。
それでは、最初の章に移りましょう。
中村彝:人物画と主体性
中村彝の生きた時代背景や、彼の作品に込められたメッセージについて、詳しく解説していただきます。
✅ 中村彝は、茨城県生まれの洋画家で、肺結核を患いながらも数々の傑作を残し、37歳で夭折しました。
✅ 彼は白馬会研究所や太平洋画会研究所で学び、相馬愛蔵夫妻と交流し、西洋絵画の影響を受けながら独自の画風を確立しました。
✅ 中村彝は、相馬俊子をモデルにした少女像や、「エロシェンコ氏の肖像」などの肖像画で知られており、大正9年の第2回帝展で「エロシェンコ氏の肖像」が高評価を得ました。
さらに読む ⇒松原洋一・湯上がり美術談義出典/画像元: https://yuagariart.com/uag/ibaraki26/中村彝は、自分の内面を深く見つめ、それを作品に表現した画家だったんですね。
中村彝は、大正期の洋画家で、1920年に描いた盲目のロシア人作家、ワシリー・エロシェンコの肖像が有名です。
今年は生誕130年を記念して中村屋サロン美術館で展覧会が開かれており、彝の自画像に焦点を当てて、人物画における主体性の問題を検討します。
分析視点として、人物画を通して見つめられる主体性、彝の自画像の変遷による絵画的手法と自己認識の変化、死を前にした彝の『頭蓋骨を持てる自画像』と写真家メイプルソープのセルフ・ポートレイトの比較という3つの視点から考察します。
彝は結核に苦しみながら、生と死、そして「私とは何か」という問いに向き合いました。
生と死の対比として、彝の自画像と、彼の恋人でモデルとなった俊子の肖像画を比較することで、彝の生に対する問いの深さがわかります。
彝の作品には静物画や風景画も数多くありますが、彼の真のオリジナリティーは人物画にあります。
人物画には、彝自身の生への問い、そして個々の主体が持つ宿命的な差異が表現されていると言えるでしょう。
そうです。彼の作品からは、生と死、そして自らの存在への深い問いを感じ取ることができます。
彝の静物画とゴシック芸術の影響
中村彝の静物画には、ゴシック芸術の影響が見られるとのことですが、詳しく教えていただけますか?
✅ 茨城県近代美術館で開催される企画展「名作のつくりかた」では、同館所蔵の美術作品65点を展示し、構図や技法から作品の魅力に迫ります。
✅ 中村彝の「静物」は、セザンヌの影響を感じさせる俯瞰の構図が特徴です。同展では、実際に中村が描いたテーブルやポットを展示し、作品の構図を再現します。
✅ 浦田正夫の「砂丘」は、神栖市波崎の海岸を描いた作品で、同展では、浦田が描いた砂丘と実際の写真を並べて展示することで、作品の制作過程を考察します。
さらに読む ⇒東京新聞 TOKYO Web出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/38205ゴシック芸術の影響を受けた、中村彝の独特な表現方法が興味深いですね。
大正末期、中村彝は従来の静物画の描図法を破り、シンボリックな方法で絵画を創造しようとしていました。
彼は西洋カトリック教美術における象徴的モティーフを取り入れ、グレコやゴシック芸術の影響を受けながら、独自の絵画観を追求していました。
特に「カルピスの包み紙のある静物」や「髑髏を持てる自画像」では、教会建築やステンドグラスなどのモチーフが象徴的に描かれ、ゴシック芸術の神秘感や無限感を表現しようと試みていました。
晩年の彝は、病によって自己の宿命を悟り、物質的なものを超越した精神世界への憧憬を抱くようになったと考えられます。
彼の作品には、物質を精神に変貌させようとする、いわば練金術的な試みが見られ、セザンヌとは対照的に、柔らかい線描と透き通るような色彩が用いられています。
彝の晩年の絵画は、ゴシック芸術のように、精神的な高みに至ろうとする、真摯で悲愴な感情によって生み出されたものでした。
そうです。彼は、ゴシック芸術に見られる象徴的なモチーフを取り入れ、独自の絵画世界を構築しました。
没後100年 中村彝展:作品世界への深化
没後100年を記念して、貴重な作品が展示されているんですね。
✅ 水戸市出身の洋画家、中村彝の没後100年を記念した大回顧展「没後100年 中村彝展ーアトリエから世界へー」が、茨城県近代美術館で開催されています。
✅ 展示は約120点で、代表作に加え、国指定重要文化財「エロシェンコ氏の像」や中村が影響を受けたルノワールの「泉による女」も展示され、貴重な機会となっています。
✅ 展覧会では、中村と支援者たちの交流がわかる関連資料も展示されており、中村が短い生涯で絵を描き続けられたのは友人らの存在が大きかったことを示しています。
さらに読む ⇒よみうりタウンニュース出典/画像元: https://yomiuri-townnews.com/nakamura-tsutomu-exhibition/2024/12/01/中村彝の作品を通じて、彼の芸術への情熱と、周りの人々との深い繋がりを感じることができました。
2024年11月10日(日)~2025年1月13日(月・祝)に、茨城県近代美術館にて、洋画家・中村彝の没後100年を記念した大規模個展が開催されます。
本展では、重要文化財《エロシェンコ氏の像》をはじめ、約120点の作品が一堂に会します。
今回の展示では、前回展では出品されなかった《巌》や、約半世紀ぶりに公開される作品なども含まれ、彝の作品世界をより深く理解できる貴重な機会となっています。
また、彝が多大な影響を受けたオーギュスト・ルノワールの《泉による女》も展示され、彝の作品との比較を通して、西洋美術への影響や、彝の絵画における革新性をより深く体感できます。
さらに、本展では彝の支援者たちとの関係性にも焦点を当て、作品にまつわるエピソードや、彼らが彝の創作活動を支えた背景を紹介することで、より人間味あふれる彝の姿を浮かび上がらせます。
本展は、中村彝の芸術的業績を再認識し、その作品の魅力を広く伝えるとともに、彼の生きた時代背景や人々の交流を通して、現代美術への理解を深める機会となるでしょう。
彼の作品からは、彼の生き様と人々との温かい交流が伝わってきます。
没後100年 中村彝展:アトリエから世界へ
この個展では、中村彝の絵画だけでなく、関連資料も展示されているとのことですね。
公開日:2024/11/06
✅ 水戸市出身の洋画家、中村彝の没後100年を記念した大規模な個展が開催されます。
✅ 本展では、中村彝の代表作約120点が展示され、重要文化財《エロシェンコ氏の像》や、約半世紀ぶりに公開される作品も含まれます。
✅ また、中村彝に多大な影響を与えたオーギュスト・ルノワールの《泉による女》も展示され、貴重な機会となります。
さらに読む ⇒美術展ナビ出典/画像元: https://artexhibition.jp/exhibitions/20241026-AEJ2461495/中村彝の芸術は、西洋絵画の影響を受けながらも、独自の美しさを持っていますね。
茨城県近代美術館では、2024年11月10日(日)から2025年1月13日(月・祝)まで「没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ」を開催いたします。
本展は水戸市出身の洋画家・中村彝の没後100年を記念し、重要文化財「エロシェンコ氏の像」を含む代表作約120点を展示する大規模な回顧展です。
本展では、彝が西洋絵画から受けた影響や、パトロンとの交流を伝える関連資料なども多数展示され、彝が西洋絵画から何を学び、独自の芸術を築き上げたのかを明らかにします。
注目すべき点は、彝が影響を受けたオーギュスト・ルノワールの「泉による女」が、彝の作品とあわせて展示されることです。
本展は、彝の芸術を深く理解する貴重な機会となります。
彼の作品から、西洋絵画への深い理解と、それを超えた独自の表現方法を感じることができます。
今回の記事では、中村彝の芸術世界について、様々な角度からご紹介しました。
💡 中村彝は、生と死、そして自己の存在への深い問いを作品に込めた画家です。
💡 彼の静物画には、ゴシック芸術の影響が見られ、独自の表現方法が特徴となっています。
💡 没後100年を記念した大規模な個展が開催され、彼の芸術を深く理解する貴重な機会となっています。