白鳥建二さんの、見えない世界を生きるアート鑑賞とは?言葉で紡ぐ、新たな感動とは!?
💡 白鳥建二さんは、全盲の美術愛好家です。
💡 白鳥さんは言葉を通して作品を鑑賞し、新たな発見をしています。
💡 白鳥さんの鑑賞スタイルは、視覚障害者だけでなく、健常者にも多くの気づきを与えます。
それでは、白鳥建二さんの物語からご紹介いたします。
見えない世界を生きる、白鳥建二さんの物語
白鳥さんの経験は、私たちに大切なことを教えてくれますね。
公開日:2022/04/04
✅ 白鳥建二さんは、美術館のアテンドを通して、言葉で作品を鑑賞する独自のスタイルを確立した。
✅ 白鳥さんは、鑑賞ワークショップを通して、参加者それぞれが「違和感」を感じながら作品と向き合い、言葉で表現することの大切さを伝えている。
✅ 白鳥さんは、作品に対する知識や情報よりも、鑑賞者自身の主観的な感想や意見を大切にし、多様な意見が飛び交うことで作品への理解を深めることを重視している。
さらに読む ⇒DIVERSITY IN THE ARTS TODAY出典/画像元: https://www.diversity-in-the-arts.jp/stories/25575白鳥さんの経験は、本当に感動的ですね。
白鳥建二さんは、生まれつき弱視で10歳までに視力を失いました。
周囲からは『見えない人は苦労する』と言われてきましたが、白鳥さん自身は『見えない』という状態こそが普通であり、『見える』状態が理解できないと感じていました。
盲学校で点字学習や白杖を使った歩行訓練などを経験した白鳥さんは、図工の授業で自由な創作活動を楽しむことで、自身の疑問や違和感を表現する術を模索していました。
高校時代には、電車に乗ったり、街を歩いたりすることで、周りの人々の会話や音声を聞きながら、世界が少しずつ広がっていく喜びを感じ、同時に『障害者』に対する社会の固定観念に疑問を抱くようになりましたが、当時の白鳥さんは、自分の気持ちをうまく表現することができず、自信を失っていきました。
転機となったのは、高等部卒業後に進学した盲学校の職業過程で、周りの期待に応えるようにマッサージ師の資格を取得したことでした。
その過程で、白鳥さんは『障害者はマッサージ師になるのが当たり前』という社会の固定観念に改めて気づき、自身の進むべき道を模索するようになります。
その後、白鳥さんは、美術館との出会いをきっかけに、自身の内面を表現する新しい道を見つけることになるのです。
白鳥さんの生き様は、まさに希望の光ですね。
言葉で紡ぐ、見えない世界の風景
白鳥さんの言葉は、作品理解を深めるヒントになりますね。
公開日:2019/10/04
✅ 全盲の白鳥建二さんが、視覚障害者向け作品鑑賞ツアー「セッション!」に参加し、水戸芸術館で開催中の「大竹伸朗 ビル景 1978-2019」展を鑑賞した体験レポート。
✅ 白鳥さんは、ニューヨーク在住ライターの佐久間裕美子さんや水戸芸術館スタッフの佐藤麻衣子さんらと、作品を言葉で鑑賞していく。
✅ 視覚障害者と健常者が共に作品を鑑賞することで、それぞれの視点から作品を解釈し、新たな発見や気づきを得る様子を描いている。
さらに読む ⇒ハフポスト - 日本や世界のニュース、会話を生み出す国際メディア出典/画像元: https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d75fda5e4b0fde50c294682想像力を掻き立てる言葉ですね。
白鳥さんは、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催されている『セッション!』という視覚障害者が鑑賞の中心的役割を担う作品鑑賞ツアーに参加しています。
ニューヨーク在住ライターの佐久間裕美子さん、水戸芸術館スタッフの佐藤麻衣子さん、ライターの川内さんと共に、『大竹伸朗ビル景1978-2019』を鑑賞した白鳥さんは、佐久間さんの右腕に触れながら、感覚を通して進むべき方角や段差を察知しながら鑑賞を進めました。
展示室内には、大竹伸朗が約40年間にわたり描きためた600点以上の作品が展示され、香港、ロンドン、東京といった様々な都市がミックスされた架空の風景が描かれています。
佐久間さんの「ビルの風景が多いんだねー」という発言に対して、白鳥さんは「全部がビルなんだよ。
展示タイトルも『ビル景』でしょ」と答え、佐久間さんは展示タイトルを見落としていたことに気付き、場は大爆笑に包まれました。
アメリカン・コミックスやチラシなどがコラージュされた小作品のセクションでは、白鳥さんと佐久間さんが作品をじっくり観察し、言葉で作品を再構築していく様子が描かれました。
例えば、作品『8月、荷李活道』について佐久間さんは「スーツを着ている男の人がいて、顔をハンカチで拭いているみたい。
右手でお盆を持ってるの。
背景にはたくさんテープが貼ってあって」と説明し、白鳥さんはその言葉を通して、作品を「様々なものが何層も重なり合っている感じ」だと理解し、街を描いたものだと捉えました。
このように、言葉を通して作品を理解していく白鳥さんと佐久間さんのやり取りを通して、見えない人にとっての美術館鑑賞とは、単に作品の説明を受けることではなく、言葉を通して作品の世界を共有することだとわかります。
今回の鑑賞を通して、視覚障害者と健常者が共に作品を鑑賞することで、それぞれの視点から作品解釈を深め、新たな発見や感動を得られることが示されました。
このレポートは、白鳥さんの視点を参考に、視覚障害者が美術館をどのように鑑賞しているのか、そのプロセスを具体的に示すことで、美術館鑑賞の可能性を広げているのです。
白鳥さんの言葉は、まさに視覚を超えた芸術ですね。
言葉で紡ぐ、新たなアートの楽しみ方
白鳥さんの感性は、本当に素晴らしいです。
✅ 「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」は、全盲の白鳥建二さんと共に美術館を巡るノンフィクションで、2022年Yahoo!ニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞しました。
✅ 著者の川内有緒さんは、白鳥さんと現代アートや仏像鑑賞を通して、これまで見えていなかった世界や白鳥さんの人生、美術鑑賞をする理由などを描き、温かい人間物語を紡いでいます。
✅ 本書は、美術館めぐりの追体験を通して、社会、人間、そして自分自身を見つめ直すことができる新しいノンフィクションであり、特設サイトでは音声朗読や鑑賞の様子がわかる動画も公開されています。また、白鳥さんの活動を記録したドキュメンタリー映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」も2023年3月より公開予定です。
さらに読む ⇒寺社Nowオンライン|出典/画像元: https://jisya-now.com/news-press/20221111-37360/アートと人生が結びついた感動的な物語ですね。
ノンフィクション作家川内有緒さんの著書『全国の書店員さんが選ぶ』は、全盲の白鳥建二さんと友人の佐藤麻衣子さんと共に、美術館を巡り、作品を前に会話をするという、一見シンプルながらも深い内容の本です。
本書は、白鳥さんの生き方やアートの素晴らしさだけでなく、私たちはどう生きるか、他者とどのようにつながっていくか、社会はどうあるべきかといった、普遍的な問いかけを読者に投げかけるものであり、それが書店員たちに支持された理由だと考えられています。
著者は、白鳥さんとの出会いを振り返り、目が見えない人がどのようにアートを鑑賞するのか、そして自分たちの会話を通してアートを楽しむ様子を詳細に描写しています。
白鳥さんの自由な解釈、佐藤麻衣子さんの「作品の見方は自由」という信念、そして著者の自身の経験を通して、アート鑑賞の自由さ、多様性、そして人間関係の重要性が強調されています。
本書は、ドラマやスペクタクルではなく、日常の会話が淡々と続く作品であり、障害を持つ人、持たない人、全ての人にとって共感できる普遍的なテーマを描いていると著者は述べています。
メディアで障害者は困難を乗り越える存在として描かれることが多い中、著者は日常における楽しみや喜びを描き、障害の有無に関わらず、私たちは皆、同じように日々を過ごし、その中で幸せを見出しているというメッセージを伝えています。
白鳥さんと川内さんの対話は、まさに心の触れ合いですね。
アートへの自由な解釈、新しい鑑賞の形
白鳥さんの言葉は、私たちに新たな視点を与えてくれますね。
公開日:2022/09/29
✅ ワークショップ参加にあたり、2週間前から当日にかけて体調不良者は参加を見合わせ、当日も受付で検温と健康調査を実施し、症状がある場合は参加を遠慮いただく必要があります。
✅ マスク着用など、感染対策への協力を必須とし、参加者にはサポートが必要な場合は事前に連絡するよう求めています。
✅ 当日は記録撮影が行われ、映像は関連イベントやTHEATRE for ALLのウェブサイトで公開されるため、映りたくない場合は参加を遠慮してください。
さらに読む ⇒ THEATRE for ALL出典/画像元: https://theatreforall.net/join/shiroitori-ws/白鳥さんの鑑賞法は、本当に自由ですね。
白鳥建二さんは、全盲ながら美術館鑑賞を楽しみ、言葉を通じてアートを鑑賞する独自の方法を確立しています。
彼は、美術館のアテンドや友人との鑑賞を通して、作品について語り合い、自身の感じた違和感や解釈を共有することで、新たな視点を発見しています。
白鳥さんの鑑賞法は、正しい解釈や知識を得ることを目的とするのではなく、作品に対する個人の主観的な感想や意見を自由に語り合うことを重視します。
作品に対する違和感や疑問を共有することで、参加者それぞれが自分の言葉で作品と向き合い、新たな発見や解釈を生み出す機会を得られると考えています。
白鳥さんは、鑑賞ワークショップを通して、参加者に対して、作品に関する知識や情報に囚われず、ありのままの感想や意見を共有することを促しています。
作品の解釈は多様であり、正解が存在しないことを理解し、受け入れることが重要だと考えています。
白鳥さんの鑑賞法は、アート鑑賞における従来の枠組みを超え、五感を通して作品と向き合う新しい可能性を示唆しています。
言葉を通して作品を解釈し、共有することで、人々は自身の経験や価値観に基づいた多様な視点を得ることができ、アートに対する理解を深めることができます。
白鳥さんの言葉は、アートの新しい可能性を感じますね。
語り合う喜び、新たな発見へ繋がる美術館
白鳥さんと佐藤さんの会話は、本当に刺激的です。
✅ 本書は、全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと、アートエデュケーターの佐藤麻衣子さんの「会話型美術鑑賞」を紹介した冊子です。
✅ 二人のこれまでの活動や、作品を介してコミュニケーションをとることの面白さを紹介し、実際に会話型美術鑑賞を行うためのコツや、紙上鑑賞会のための図版も掲載しています。
✅ 本書では、会話型美術鑑賞を通して、作品に対する個人的な解釈や思い出を共有することで、鑑賞者同士の距離が縮まり、新たな発見や共感を得られることを示唆しています。
さらに読む ⇒Tokyo Art Research Lab出典/画像元: https://tarl.jp/archive/shaberimi/言葉の力、そしてコミュニケーションの大切さを感じますね。
川内有緒さんと白鳥建二さんの対談は、2019年1月31日に三菱一号館美術館での出会いから始まりました。
白鳥さんは全盲で、美術鑑賞を始めた当初は「自分が美術館で何を楽しめるのか」という興味から、ガイドツアーの利用や学芸員への独自の依頼を通じて独自の鑑賞スタイルを確立していきました。
川内さんは、白鳥さんと一緒に美術館に行く中で「アートの意味」を考えるのではなく、ただ作品を楽しんでいくうちに、今まで見えなかったものが見えたり、作品の解釈が深まったりする経験をしました。
2人とも自分にとっての美術館の楽しみ方を模索していく過程で、美術館の多様性や「アートの見方は自由」という考えを共有し、互いに影響を与え合っていることがわかります。
2023年3月に出版された『しゃべりながら観る』は、全盲の美術鑑賞者である白鳥建二さんと、アートエデュケーターの佐藤麻衣子さんが、30以上の展覧会を一緒に鑑賞してきた経験をもとに、会話を通して作品を楽しむユニークな鑑賞スタイルを紹介する書籍です。
二人の出会いは、佐藤さんが勤務していた水戸芸術館現代美術センターでの研修。
白鳥さんを案内することになった佐藤さんは、白鳥さんの率直な意見や深掘りした質問に驚かされました。
白鳥さんは、佐藤さんのように感じたことを言葉にすることを好み、沈黙より会話で鑑賞することを楽しんでいます。
一方、佐藤さんは、白鳥さんの聞き上手な姿勢に安心感を覚え、安心して自分の考えを話せるといいます。
二人の鑑賞スタイルは、作品解説よりも、相手と会話すること、そしてその反応を楽しむことに重きを置いています。
会話を通して作品を理解したり、新たな発見をしたりすることで、鑑賞体験の幅が広がると考えています。
白鳥さんは、美術館との出会いを大学生のときのデートに遡り、その後、一人で美術館に通い始め、全盲でも美術館を楽しめることを実感しました。
美術館での知り合いが増え、鑑賞がより一層充実したものになったといいます。
本書は、美術館での鑑賞を「しゃべりながら」楽しむことで、新たな発見や感動を得られることを示唆しています。
二人ならではの視点から、美術鑑賞の新しい可能性を提案する一冊です。
白鳥さんと佐藤さんの関係は、まさに共感と理解の物語ですね。
白鳥建二さんの物語は、私たちにアートの自由な解釈と、人と人とのつながりについて考えさせられます。
💡 白鳥建二さんは、全盲の美術鑑賞家です。
💡 白鳥さんは言葉を通して作品を鑑賞し、新たな発見を続けています。
💡 白鳥さんの鑑賞スタイルは、アートに対する新しい可能性を示しています。