チェルノブイリ原発事故と福島原発事故、何が違う？2つの事故の真相とは！？
💡 チェルノブイリ原発事故と福島原発事故はどちらも深刻な事故
💡 事故の原因や影響、そして現状について解説
💡 2つの事故を比較することで見えてくるもの
それでは、最初の章に移りましょう。
チェルノブイリ原発事故とその影響
チェルノブイリ原発事故の深刻さを改めて感じました。
公開日:2021/07/02
✅ チェルノブイリ原発事故により立ち入り制限区域となった地域に、故郷への強い思いから避難を拒否し、戻って生活する人々「サマショール」がいる。彼らは、政府からの退避勧告にもかかわらず、放射能汚染された土地で自給自足に近い生活を続けている。
✅ 記事では、2009年と2017年に原発事故の影響を受けた地域を訪問した著者の体験を通して、サマショールの生活の様子や彼らの置かれている状況が描かれている。かつては200人ほどいたサマショールは、高齢化や生活環境の悪化により、現在では100人を下回るまでに減少している。
✅ 記事は、サマショールの減少や故郷の村の荒廃、そして失われつつある地域文化など、チェルノブイリ原発事故がもたらした長期的な影響について警鐘を鳴らしている。特に、原発事故によって失われた文化遺産の重要性を強調し、その保護の必要性を訴えている。
さらに読む ⇒
朝日新聞GLOBE＋：世界のいまを伝えるウェブメディア出典/画像元: https://globe.asahi.com/article/14383547故郷への強い思い、本当に頭が下がります。
1986年4月26日、チェルノブイリ原発事故が発生し、大量の放射性物質が放出されました。事故の影響は、ベラルーシ、ロシア連邦、ウクライナに深刻な影響を与え、特に原子炉周辺30km圏内で作業した24万人が高い放射線量を受けました。事故直後から数年間で11万6千人が周辺地域から疎開し、その後23万人が移住させられ、現在も500万人が汚染された土地に住んでいます。事故の教訓を伝える象徴として、廃炉作業の最前線として、多くの人がチェルノブイリを訪れます。事故現場には、４号機を背景に記念撮影をする観光客の姿も。事故で誰も戻れなくなった街「プリピャチ」には、学校や病院、遊園地など様々な施設が残っており、立ち入り禁止区域ですが、自身の判断で戻ってきた住民もおり、「サマショール」と呼ばれ、約160人が暮らしています。サマショールのバレンティーナ・クハリャンコさんは、「古里で暮らすことが一番楽しい」と話しています。ベラルーシの首都ミンスクでは、チェルノブイリ原発事故の影響で避難してきた人々が暮らしています。
そうですね。チェルノブイリ原発事故は、人類にとって大きな教訓となりました。
ほんまに、故郷を離れられへん気持ち、わかるわ。でも、放射能は怖いからなぁ。
サマショールの皆さんのことを考えると、心が痛みます。
チェルノブイリ原発の廃炉作業
新石棺の建設、長くかかりそうですね。
✅ チェルノブイリ原発事故から30年近くが経過し、事故を起こした4号機を覆う巨大なカバー「新石棺」の建設が進められている。しかし、溶けた核燃料などの抜本的な対策は未定で、廃炉は遠い未来の話となっている。
✅ 事故当時の「石棺」は老朽化が進み、雨水による放射性物質の漏出が懸念されている。新石棺は、石棺を風雨から守り、放射性物質の漏出を防ぐ目的で建設されている。
✅ 新石棺は2017年に完成予定だが、当初の計画より5年遅れている。事故により、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアで約40万人が移住を余儀なくされ、がんなどの犠牲者も出ている。核燃料の処理方法などは未定で、本格的な廃炉作業はこれから検討される。
さらに読む ⇒東京新聞 TOKYO Web出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/236659廃炉作業、まだまだ課題が多いんですね。
チェルノブイリ原発事故では、放射性物質の飛散を防ぐため、４号機にはコンクリートと鋼材でできた「石棺」が築かれました。しかし、老朽化が進んでいるため、新たなシェルターの建設が進められています。シェルターは高さ109メートル、長さ162メートル、幅257メートルで、４号機を覆う計画です。原発内部は白衣を着て見学でき、事故で亡くなった職員の慰霊碑があります。しかし、４号機内部には、高濃度の放射線のため、遺体があるにもかかわらず誰も近づけません。
チェルノブイリ原発の廃炉作業は、長期にわたる課題です。
新石棺って、ホンマに巨大やな。でも、これで放射能が抑え込めるんかな？
廃炉作業は、大変な作業だと思います。
チェルノブイリ原発事故の健康影響
健康被害の深刻さを改めて感じます。
公開日:2024/07/17
✅ チェルノブイリ原発事故から30年が経ち、FoE Japanは講演会を開催し、被害解明と救済の道筋を見つめる議論が行われました。講演会では、チェルノブイリ被害調査・救援女性ネットワークの吉田由布子さん、小児科医の黒部信一さん、写真家の飛田晋秀さんがそれぞれ自身の経験や見解を語りました。
✅ 吉田さんはチェルノブイリ事故後の健康被害について、甲状腺がんだけでなく、その他の病気の増加も調べるべきだと指摘しました。黒部さんはチェルノブイリ子ども基金の活動を通して、保養の大切さ、子どもたちへの希望を与えることの重要性、そして貧困層が環境汚染の影響を受けやすい現状を訴えました。飛田さんは福島原発事故の現状に触れ、復興はまだまだ遠いことを指摘し、甲状腺がん家族の会を立ち上げた経緯を語りました。
✅ 講演会ではベラルーシの現状についても触れられ、ベラルーシの牛乳から放射能汚染が検出されていること、ベラルーシ政府は復興を強調している一方で、実際には病気の多発や貧困層の健康リスク増加が深刻な問題として認識されています。また、ベラルーシの政治体制は独裁的で、市民活動が制限されている現状も指摘されました。講演会を通じて、チェルノブイリ原発事故から得た教訓を忘れずに、福島原発事故の教訓も活かしていくことの重要性が改めて認識されました。
さらに読む ⇒ 国際環境NGO FoE Japan出典/画像元: https://foejapan.org/issue/staffblog/2016/04/27/chernobyl_day_tokyo_report/講演会を通して、多くのことを学びました。
WHOは、チェルノブイリ事故の健康影響に関するデータを科学的に再評価し、2005年に報告書を発行しました。報告書によると、チェルノブイリ事故による健康影響は、事故直後の急性放射線症、甲状腺がんの増加、精神的な健康問題、心理社会的な影響など多岐にわたっています。事故直後に急性放射線症を発症した人は、主に原子炉の作業員や消火活動に従事した人々で、約200人が死亡しました。また、事故後、甲状腺がんが子どもたちを中心に増加しており、これは放射性ヨウ素の摂取によるものと考えられています。さらに、事故の影響は精神的な健康問題や、移住による社会的なネットワークの断絶、偏見など、心理社会的な影響も深刻です。WHOは、チェルノブイリ事故の健康影響を監視し、被害者の健康管理と支援を継続していく必要性を強調しています。2021 年 4 月に発表された研究によると、チェルノブイリ原発事故で被ばくした両親の子どもに、DNA の追加的な損傷は見られませんでした。この研究は、原発事故後の除染作業に参加した両親の間に生まれた子どもたちを対象に、初めて全ゲノム解析を実施しました。結果、両親の被ばくに関連した変異は見つかりませんでした。この研究は、高線量の被ばくを受けても、将来生まれる子どもへの影響は無いことを示唆する初めてのものです。また、チェルノブイリ原発事故で生まれた子どもの遺伝子に、親の被ばくによる影響は見られないことも確認されました。これは、放射線被ばくによる遺伝的影響への懸念を和らげる可能性のある発見です。さらに、チェルノブイリ原発事故による甲状腺がんは、他の甲状腺がんと同様、治療できることが明らかになりました。
チェルノブイリ原発事故による健康影響は、長期にわたって深刻な問題です。
チェルノブイリ原発事故は、ホンマに恐ろしい。
講演会で、色々な話が聞けて良かったです。
福島第一原子力発電所事故の環境影響
福島第一原発事故の環境への影響は、深刻ですね。
✅ 福島第一原子力発電所事故による放射性セシウムの森林への蓄積は、チョルノブイリ事故と比べて、森林から流出するセシウムの濃度が1、2桁低いことが特徴です。
✅ 土壌中でのセシウムの移動は、福島ではチョルノブイリよりも速く、特に耕作放棄された水田では年間約1.3 cmの速度で下方へ移動しており、表層土壌のセシウム濃度が急速に減少しています。
✅ 森林以外の土地では、セシウムの移動速度が速いため、空間線量率や河川水における放射能濃度が、チョルノブイリよりも早く低下しています。
さらに読む ⇒JAEA出典/画像元: https://fukushima.jaea.go.jp/QA/q318.html森林へのセシウムの蓄積、なかなか減らないんですね。
福島第一原子力発電所事故による陸域環境への影響を、210本以上の研究論文から分析した結果、放射性セシウム137（137Cs）の環境中での挙動と環境回復過程を明らかにしました。森林 常緑針葉樹林では事故後8年で樹木への137Cs蓄積は70%から2%に減少し、落葉広葉樹林では23%から21%に減少し、緩やかな減少傾向を示しました。一方、林床の137Csは表層土壌2cm以内に初期値の5割以上が残り、水溶性137Csの流出量はチェルノブイリ事故の影響地域より1~2桁低いことが明らかになりました。土壌 137Csの表層土中濃度は事故後大きく減少しました。人間活動、土地利用、除染作業の影響により、137Csは土壌中を下方へ移動しやすく、耕作放棄水田の表層2cmの137Cs濃度は事故後3年で約7割減少し、除染により事故直後の値の3%まで減少しました。耕作水田の表層土壌では事故3年後に事故直後の値の10%になりました。河川 阿武隈川では懸濁態の137Cs濃度は事故直後の数値の2%程度になりました。これは、137Csが陸域に多く残っているものの、地面に露出した137Cs濃度が劇的に低下したことで、河川への流入量が減少したことを示しています。本研究は、福島の環境回復の実態解明だけでなく、世界的に原子力発電が普及する中で重要な記録として位置付けられます。今後の環境モニタリングの継続と情報公開による国際的な科学者との共有が重要となります。
福島第一原発事故による環境への影響は、長期にわたって調査していく必要があります。
福島原発事故の環境への影響は、チェルノブイリ事故と比べて、どうなんかな？
環境問題、難しいですね。
チェルノブイリ事故と福島事故の比較
2つの事故の違いが、よく分かりました。
✅ 国際原子力事象評価尺度（INES）は、原子力施設で発生した事象や事故の深刻さを8段階に分類する指標であり、レベル7は最も深刻なレベルです。
✅ 福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故はどちらもINESでレベル7と評価されていますが、チェルノブイリ原発事故では福島第一原発事故の約7倍の放射性物質が放出されました。
✅ INESは放射性物質の放出量に基づいて評価され、レベル7はヨウ素131換算で数万テラベクレルを超える放出があった場合に適用されます。
さらに読む ⇒SYNODOS – 専門家の解説と教養のポータルサイト出典/画像元: https://synodos.jp/fukushima-report/21985/INESレベル7、どちらも深刻な事故だったんですね。
チェルノブイリ事故と福島事故の健康影響を比較すると、チェルノブイリでは原発作業員134名の急性放射線障害と、周辺住民の小児甲状腺がんが確認された。一方、福島では原発作業員に急性放射線障害は発生しておらず、周辺住民の被ばく線量は20ミリシーベルト以下で、健康への影響はみられない。チェルノブイリでは高線量汚染地の27万人が50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人が10～20ミリシーベルトの被ばく線量とされているが、健康への影響は認められていない。福島では、牛乳の暫定基準を設け、超える牛乳は流通していないため、チェルノブイリで発生した小児甲状腺がんのような問題は発生していない。IAEAはレベル7の放射能漏出は広範囲で確率的影響（発がん）のリスクが高まり、確定的影響（身体的障害）も起こり得ると指摘しているが、チェルノブイリと福島の具体的な状況を見ると、差異は明らかである。福島第1原発事故は、INESでチェルノブイリ事故と同レベルの「レベル7」に分類されました。しかし、事故の状況や放射性物質の放出量は大きく異なり、IAEAは両者を「全く違う」現象としています。チェルノブイリ事故は原子炉の爆発による大規模な放射性物質放出でしたが、福島事故は津波による冷却機能喪失が原因です。チェルノブイリ事故では大量の放射性物質が放出され、作業員を含む多数の死者が出ましたが、福島事故では死亡者は出ていません。福島事故の放射性物質放出量はチェルノブイリ事故の10%以下ですが、事故は収束しておらず、使用済み核燃料プールからの放出も懸念されるため、総量は今後チェルノブイリ事故に近づく可能性も指摘されています。
福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故は、どちらも深刻な事故ですが、その状況は大きく異なります。
福島原発事故とチェルノブイリ事故、どっちがヤバいんやろ？
2つの事故の比較、勉強になりました。
チェルノブイリ原発事故と福島原発事故、どちらも教訓になる事故でした。
💡 チェルノブイリ原発事故と福島原発事故は、深刻な事故
💡 事故による影響は、長期にわたって続く
💡 2つの事故から学ぶべき教訓は多い
