日本酒造りにおける麹の役割とは?麹の秘密を探る!!
日本酒の奥深さを知る!米、麦、大豆を麹菌で発酵させた「麹」の秘密に迫ります。醤油や味噌、日本酒など、様々な発酵食品の風味を左右する麹の役割とは?製法から種類、酵素まで、麹の世界を深掘り!
💡 日本酒造りにおいて麹は、米のでんぷんを糖化し、酵母がアルコール発酵を行うための基質となる重要な役割を担います。
💡 麹の種類によって日本酒の味わいは大きく変化します。
💡 麹菌は、米を分解する酵素を分泌し、日本酒の風味や品質に深く関与しています。
それでは、日本酒造りの基礎ともいえる「麹」について、詳しく見ていきましょう。
麹とは?役割と製造
日本酒造りで麹は何をする?
蒸米を糖に変える
麹は360年の歴史を持つ種麹屋「菱六」で製造されているんですね。
公開日:2022/07/02

✅ 「菱六」は、360年の歴史を持つ種麹屋で、酒蔵や醤油蔵などのメーカーに種麹を卸している。種麹は発酵食品の出来を左右する重要な要素であり、メーカーの要望に合わせて、複数の種麹を組み合わせたり、カスタマイズしたりすることもある。
✅ 種麹屋は、醸造メーカーからの要望に応え、様々な麹菌を培養し、乾燥させた麹の種(種麹)を生産する。種麹となるのは、コウジカビという菌類の胞子で、種麹屋の目的は、できるだけたくさんの種をとることである。
✅ 菱六では、酒用の種麹は3~4月の春に作り、発芽率の高い状態の種麹を提供している。種麹の製造には、糠などの栄養素を残して3%ほど削った玄米を室に入れて、製麹する工程ではアルカリ度の高い椿や樫などの木炭を使用するなど、麹菌の繁殖を最適化する工夫が凝らされている。
さらに読む ⇒料理王国出典/画像元: https://cuisine-kingdom.com/hishiroku/なるほど、種麹屋の技術によって日本酒の味が大きく変わるんですね。
「ORYZAE」の商品に使用されている麹は、米、麦、大豆などに麹菌を繁殖させて作る発酵食品です。
麹菌はカビの仲間ですが、酵素を大量に作り出し、発酵食品の味や風味を決定づける重要な役割を担っています。
麹は、醤油や味噌などの発酵調味料の製造に欠かせないもので、日本酒のラベルに記載されている「米、米こうじ」は、日本酒造りの重要な工程である「麹」を指します。
日本酒造りにおいて、麹は蒸米を甘いブドウ糖に変える役割を果たします。
蒸米だけでは酵母が食べることができず、アルコールを生み出すことができません。
麹は、デンプンやタンパク質を分解する酵素を放出し、蒸米をブドウ糖に変えることで、酵母がアルコールを生成し、日本酒が生まれます。
麹は、もやし屋と呼ばれる専門の会社でつくられ、全国で10社ほどしか存在しません。
もやし屋は、醸造用種菌(種麹)をつくり、日本酒の品質に大きく貢献しています。
ええ、日本酒の品質は、まさに種麹にかかっていると言っても過言ではありませんね。
製麹工程:日本酒造りの基礎
日本酒を醸すために欠かせない「麹」は、どんな工程を経て作られるの?
精米から培養、粉砕まで、多くの工程を経る
製麹工程は、日本酒造りの根幹をなす重要な工程ですね。

✅ 記事は日本酒造りの重要な工程である「製麹」について解説しており、麹菌による米の糖化とタンパク質分解、日本酒の味に与える影響について説明しています。
✅ また、黒麹、白麹、黄麹の3種類の麹の特徴とその用途、麹の健康効果について解説しています。
✅ さらに、製麹の工程である「引き込み」「種切り」「床もみ」について説明し、温度管理の重要性を強調しています。
さらに読む ⇒theDANN media|お酒の総合メディア出典/画像元: https://contents.thedann.com/entry/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92%E3%81%AE%E9%80%A0%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%80%8C%E8%A3%BD%E9%BA%B4%E3%80%8D%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3%E8%AA%AC温度管理が重要なんですね。
高度な技術が必要だと感じます。
製麹の工程は、精米から始まり、蒸米、冷却、麹菌の接種、培養、乾燥、粉砕、選別、包装、出荷まで、多くのステップを踏みます。
それぞれのステップで、温度や湿度、時間などを厳密に管理することで、良質な麹が製造されます。
日本酒造りの工程「一麹・二酛・三造り」の中でも、麹は一番大切な工程です。
麹は、蒸米をブドウ糖に変え、酵母がブドウ糖をアルコールに変える、という複雑な発酵過程を経て完成します。
この並行複発酵と呼ばれる過程によって多様な日本酒が生まれます。
日本酒の原材料である米と米麹。
米麹は米をコウジカビで発酵させたもので、主に黄麹、白麹、黒麹の3種類があります。
従来は黄麹のみが日本酒造りに使われていましたが、近年では白麹や黒麹を使った日本酒も注目されています。
そうそう、温度管理がほんまに大事なんですわ。ほんの少しの温度変化でも、麹の出来が変わってまうほど繊細な作業やねん。
麹の種類と日本酒の味わい
日本酒の味わいを左右する麹の種類は?
白麹、黒麹、黄麹
白麹、黒麹、黄麹それぞれに特徴があるんですね。

✅ 記事では日本酒造りに使われる3種類の麹、「黄麹」「白麹」「黒麹」の特徴と、それぞれの特徴を生かした日本酒について解説しています。
✅ 特に近年注目されている「白麹」と「黒麹」は、黄麹に比べてクエン酸を多く生成し、日本酒に独特の酸味をもたらすことが特徴です。
✅ 白麹は焼酎造りで主流となっているため、白麹を使った日本酒は焼酎のようなキレのある味わいが特徴です。一方、黒麹は泡盛や焼酎造りに使われており、黒麹を使った日本酒は、イチゴや赤ワインのようなフルーティーな香りが特徴です。
さらに読む ⇒ プロも愛読の日本酒メディア出典/画像元: https://sakestreet.com/ja/media/learn-shiro-koji-and-kuro-koji日本酒の味わいを左右する麹の種類、ぜひ覚えておきたいと思います。
黄麹はデンプン分解力が強く、クエン酸をほとんど生成しません。
白麹は黒麹の突然変異で生まれ、黒麹同様、クエン酸を多く生成します。
黒麹はデンプン分解力が弱く、クエン酸を多く生成します。
白麹は、クエン酸による柑橘系の酸味を特徴とする日本酒を生み出します。
白麹を使った日本酒は、フルーティーで爽やかな味わいが特徴です。
黒麹は、リンゴ酸などの有機酸を多く生成し、複雑で深みのある味わいを生み出すのが特徴です。
黒麹を使った日本酒は、濃厚で、コクのある味わいが楽しめます。
へぇ~、白麹は焼酎っぽい味が出るんやね。今度、白麹の日本酒飲んでみようかな。
麹菌と酵素:日本酒醸造の科学
白麹・黒麹日本酒が増えたワケは?
酸味と品質管理に役立つから
麹菌が分泌する酵素の働きによって、日本酒が生まれるんですね。

✅ 麹菌は発酵食品の製造において、原材料に含まれるでんぷんやタンパク質を分解し、発酵に適した状態にする重要な役割を担っています。麹菌が分泌する酵素であるアミラーゼはでんぷんをブドウ糖に分解し、プロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に分解します。
✅ 味噌や醤油では、麹菌の酵素によって生成されたアミノ酸がうま味成分となり、日本酒ではブドウ糖が酵母による発酵の基質となります。
✅ 酵素はタンパク質であり、生物がつくる化学反応を促進する物質です。麹菌はアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素を分泌することで、でんぷんやタンパク質を分解し、発酵食品の製造を促進します。
さらに読む ⇒koji note三和酒類株式会社出典/画像元: https://www.sanwa-shurui.co.jp/kojinote/think-koji/lecture/vol03/酵素の働きは、日本酒造りにおいて非常に重要な役割を担っているんですね。
近年、白麹や黒麹を使った日本酒が増えているのは、これらの麹が生み出す酸味が、日本酒の味わいを豊かにするだけでなく、酒造りにおける品質管理にも役立つことが分かってきたからです。
また、日本人の食生活や嗜好の変化により、酸味のある日本酒が受け入れられるようになってきたことも要因の一つです。
麹菌は増殖する際に、様々な酵素を生産します。
酵素は、物質を分解したり、くっつけたりするタンパク質の一種で、日本酒、焼酎、醤油、味噌など、醸造食品の種類によって異なる麹菌が使われます。
日本酒の醸造に関係する主な酵素として、「デンプン分解酵素(アミラーゼ)」と「タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)」があります。
デンプン分解酵素は、「液化型アミラーゼ」と「糖化型アミラーゼ」に分けられ、それぞれデンプンを異なる大きさの物質に分解します。
「糖化型アミラーゼ」は、酵母がアルコール発酵に利用できるブドウ糖を生成するため、発酵速度に影響を与えます。
タンパク質分解酵素は、「プロテイナーゼ」と「ペプチダーゼ」に分けられ、それぞれタンパク質を異なる大きさの物質に分解します。
タンパク質が分解されてできたアミノ酸は、清酒の味の主成分となります。
酵素って、ほんまにすごいんやな。あんな小さなものが、こんなにも大きな変化を起こすとは!
麹の多様性と伝統:日本の食文化への貢献
日本酒造りに欠かせない麹の種類は?
主に黄麹菌
八戸酒造の駒井さんは、伝統にとらわれず、新しい方法を取り入れて酒造りをされているんですね。
公開日:2019/12/04

✅ 八戸酒造の杜氏・常務である駒井伸介さんは、伝統的な酒造りを学んでいないため、先入観なしに酒造りの工程を見直し、合理的な方法を導入した。
✅ その結果、看板商品である「陸奥八仙」の酒質が向上し、評判も高まった。
✅ 白麹を用いた酒母造りにおいて、白麹が持つ特性を活かし、乳酸の添加を必要としない強酸環境を実現することで、従来の酒造りよりも簡素化された、より合理的な方法を確立した。
さらに読む ⇒SAKETIMES | 日本酒をもっと知りたくなるWEBメディア出典/画像元: https://jp.sake-times.com/knowledge/sakagura/sake_g_hachinoheshuzo伝統を守りながらも、新しい挑戦を続ける姿勢が素晴らしいですね。
白麹、黒麹、黄麹はそれぞれ特徴が異なる麹です。
白麹は甘みが強く日本酒や甘酒に、黒麹は風味とコクがあり焼酎に、黄麹はうま味が強く味噌や醤油に用いられます。
それぞれの麹の特徴を知ると、より発酵食品の奥深い味わいを楽しめるでしょう。
日本酒の伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、酒類総合研究所が日本酒のこうじ造りを公開しました。
日本酒のこうじは、蒸した米にこうじ菌を生やしたもので、酒造りに不可欠です。
酒造りは、蒸した米にこうじ菌を振りかけ、混ぜ合わせ、発芽を促すという繊細な工程を要します。
こうじ菌には黄こうじ、白こうじ、黒こうじがあり、日本酒は主に黄こうじ菌を使用します。
こうじ菌は酵素を出し、米のでんぷんを糖化しブドウ糖を生み出すことで、酵母によるアルコール発酵を可能にします。
酒類総合研究所では、こうじ菌を均一に振りかけることや、米にしっかりと付着させることが重要だと説明しています。
伝統を守りつつ、進化していく…まさに、日本酒造りの醍醐味やね。
麹は日本酒造りにおいて、非常に重要な役割を担っており、その種類や製法によって、多様な味わいの日本酒を生み出していることがわかりました。
💡 日本酒造りの工程において、麹は米のでんぷんを糖化し、酵母がアルコール発酵を行うための基質となります。
💡 麹の種類によって、日本酒の味わいが大きく変化します。
💡 麹菌は、米を分解する酵素を分泌することで、日本酒の風味や品質に深く関与しています。