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国際プラスチック条約: 釜山会議の結果は? 企業連合の動きも?(プラスチック問題)INC-5 釜山会議の行方と、国際プラスチック条約の現状

世界を悩ますプラスチック汚染問題。法的拘束力ある国際条約成立に向けた交渉の舞台裏を追う。G7から国連、そして企業連合まで、多様なアクターの思惑が交錯。生産量削減で溝は埋まらず、合意は持ち越しに。2025年の条約成立へ、交渉の行方は?

国際プラスチック条約: 釜山会議の結果は? 企業連合の動きも?(プラスチック問題)INC-5 釜山会議の行方と、国際プラスチック条約の現状

📘 この記事で分かる事!

💡 プラスチック汚染の現状と、法的拘束力のある国際条約の必要性。

💡 2024年11月に韓国・釜山で開催されたINC-5会議での主な論点と、合意に至らなかった背景。

💡 企業連合の役割と、日本政府への提言、今後の条約成立に向けた展望と課題。

それでは、本記事でご紹介する国際プラスチック条約について、重要なポイントを3つにまとめましたので、ご覧ください。

国際プラスチック条約への道のり

🌏プラスチック汚染対策、国際条約の進捗は?

2024年末に向け、政府間交渉が進行中。

プラスチック汚染に関する国際的な取り組みについて、まずはその概要から見ていきましょう。

国際プラスチック条約とは

公開日:2024/11/01

国際プラスチック条約とは

✅ 国際プラスチック条約は、2024年を目標に、国際的なプラスチック規制の枠組みを作ることを目指す条約であり、2022年の国連環境総会で採択された決議に基づき、約170か国の政府間交渉委員会(INC)で具体的な内容が議論されています。

✅ 国際プラスチック条約 企業連合は、プラスチックのバリューチェーン全体に関わる企業、金融機関、NGOが参加し、法的拘束力のある世界共通ルールと対策を盛り込んだ条約を支持しており、日本では10社が立ち上げ企業として参画しています。

✅ 国際プラスチック条約には、法的拘束力による強制力、プラスチックの全ライフサイクルを規制、プラスチックによる人の健康への影響を防ぐことなどが期待されていますが、グリーンピースなどからは、プラスチック汚染の影響を最も受ける人々の問題への言及不足などが指摘されています。

さらに読む ⇒株式会社エスプールブルードットグリーン出典/画像元: https://www.bluedotgreen.co.jp/column/esg/plastics-treaty/

深刻な問題であるプラスチック汚染に対し、国際的な枠組み作りの動きが進んでいることが分かります。

深刻化するプラスチック汚染問題に対し、法的拘束力のある国際条約の制定を目指し、2015年のG7サミットでの問題提起、2019年G20大阪サミットでの「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン(OBOV)」共有を経て、2022年、国連環境総会(UNEA5.2)で約170か国が合意し、政府間交渉委員会(INC)が設置されました

INCは2022年から2024年末にかけて5回の会合を開催し、条約の詳細を議論。

日本も積極的に参加し、2040年までの汚染ゼロ目標やリサイクル推進を提案しました。

INC-1(ウルグアイ)、INC-2(パリ)、INC-3を経て、INC-4(オタワ)では具体的な行動計画策定と実施状況レビューの必要性が訴えられ、条約の具体化が進められました。

国際的な条約制定に向けた動きは、非常に重要ですね。各国の思惑が交錯する中で、どのような合意が生まれるのか、注視していきたいです。

INC-5 釜山会議の行方

INC-5で合意に至らなかった最大の争点は?

プラスチック生産量の国際的削減目標

INC-5 釜山会議では、様々な意見が出され、合意に至らなかったという事ですね。

プラスチックごみ問題関連ニュース:時事ドットコム
プラスチックごみ問題関連ニュース:時事ドットコム

✅ トランプ前米大統領が、環境対策として推進されていた紙ストローの導入を中止する大統領令に署名し、プラスチックへの回帰を宣言した。

✅ プラスチック汚染を規制する条約策定の国際交渉は、プラスチックの生産規制を巡る意見の対立により合意に至らず、協議継続となった。

✅ スターバックスが紙ストローを廃止し、植物由来のバイオマスプラスチック製に切り替えるなど、プラスチック使用に関する動きが見られる一方で、プラスチックの生産量減少や血中からの検出など、課題も存在する。

さらに読む ⇒時事ドットコム:時事通信社が運営するニュースサイト出典/画像元: https://www.jiji.com/jc/v7?id=201810plastic

プラスチック生産量の削減で意見が対立した結果、合意に至らなかったのは残念ですね。

今後の展開に注目です。

2024年11月、韓国・釜山で開催された第5回政府間交渉委員会(INC-5)では、条約案の骨格に基づき、プラスチックのライフサイクル全体を考慮した規制、科学的知見の共有、途上国への支援などが議論されました。

日本からは外務省、経済産業省、環境省、農林水産省の代表団が出席し、積極的に交渉に関与。

小野洋環境省参与はアジア太平洋地域の代表理事(副議長)として地域会合を主催しました。

しかし、最大の焦点であったプラスチック生産量の国際的削減目標では、EUや島しょ国など100か国以上が生産規制を条文案に盛り込むよう主張しましたが、石油産出国などが反対し、意見の溝が埋まらず、合意に至りませんでした。

最終日に議長が再度提示した条文案も合意に至らず、交渉は次回に持ち越されました。

いやー、プラスチック問題って、ホンマに難しい問題やなぁ。色んな思惑が絡み合ってて、話がまとまらんのも分かる気がするわ。

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プラスチック汚染根絶へ。国際条約交渉は難航も、企業・NGOが法的拘束力あるルールを要求。2025年早期合意を目指し、日本も積極参加。