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核のごみ最終処分問題、寿都町・神恵内村の文献調査とは?(核のごみ問題)高レベル放射性廃棄物(核のごみ)処分問題を巡る現状と課題

北海道の寿都町と神恵内村が高レベル放射性廃棄物処分場の文献調査に応募。人口減と財政難を背景に、交付金に期待。しかし、住民の分断、国の依存構造も。地層処分技術や国内外の現状、NUMOの取り組みを紹介。核のゴミ問題、今こそ議論を。

核のごみ最終処分問題、寿都町・神恵内村の文献調査とは?(核のごみ問題)高レベル放射性廃棄物(核のごみ)処分問題を巡る現状と課題

📘 この記事で分かる事!

💡 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に関する文献調査の概要

💡 核のごみ問題に対する地域社会への影響と、住民間の対立

💡 高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術的側面と世界各国の取り組み

本日は核のごみ問題について、様々な角度から見ていきたいと思います。

まずは、この記事で分かることをご紹介します。

核のゴミ問題を巡る始まりと地域社会への影響

核のごみ問題、交付金は地域を活性化する?それとも?

財政難の自治体が、交付金に依存する状況。

今回は、核のごみ問題を巡る始まりと地域社会への影響について掘り下げていきます。

核ごみ文献調査北海道、寿都町、神恵内村に報告書が提出:北海道新聞デジタル
核ごみ文献調査北海道、寿都町、神恵内村に報告書が提出:北海道新聞デジタル

✅ 寿都町と神恵内村で進められていた高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の結果報告書がNUMOから提出された。

✅ 文献調査は事実上終了し、今後は概要調査への移行が焦点となるが、北海道知事は改めて反対を表明した。

✅ 記事は核ごみ問題と東日本大震災からの復興に関する情報を扱っている。

さらに読む ⇒北海道新聞デジタル出典/画像元: https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1091399/

文献調査への応募は、地域活性化のためという側面がありながらも、住民間の対立を生み、国と地方の関係性も浮き彫りにしましたね。

時は2020年、北海道の寿都町と神恵内村は、高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場選定に関する文献調査への応募を表明しました

両自治体は、人口減少と財政難という課題に直面しており、交付金による地域活性化を期待しての決断でした。

この動きに対し、自治労北海道本部は住民の福祉を損なう可能性を懸念し、反対の声を上げました。

文献調査の応募は、国とNUMO(原子力発電環境整備機構)によって認可され、NUMOが実務を担当することになりました。

この背景には、原発の使用済核燃料の処分方法が確立されていないという問題があります。

文献調査に応募した自治体は、最大20億円の交付金を得ることができ、次の概要調査に進めばさらに70億円が交付されるというインセンティブがありました。

しかし、この状況は、東京工業大学の中島教授によって「自発的服従」と表現され、国が地方を依存させる構造が指摘されています。

寿都町では、文献調査の継続を巡って町長選挙が行われ、現職が勝利しましたが、住民の間には賛成派と反対派の対立が生じ、地域社会に分断が生まれています。

NUMOは、高レベル放射性廃棄物の地層処分事業を進めるためには、全国への周知が重要であると考え、文献調査が進んでいる地域や諸外国の状況を紹介しています。

核のごみ問題は、エネルギー政策と地域振興という、相反するテーマが絡み合っているんですね。非常に複雑な問題だと感じます。

高レベル放射性廃棄物と地層処分の技術的側面

高レベル放射性廃棄物の最終処分、最も有望な方法は?

地層処分と宇宙処分が人気。

地層処分という言葉はよく耳にしますが、具体的にどのような技術が使われているのか、詳しく見ていきましょう。

高レベル放射性廃棄物はどのように処分するのですか?
高レベル放射性廃棄物はどのように処分するのですか?

✅ 高レベル放射性廃棄物は、地下深くの安定した岩盤に地層処分され、放射性物質を長期間にわたり隔離する。

✅ 地層処分では、ガラス固化体、オーバーパック、緩衝材からなる人工バリアと天然の岩盤を組み合わせた多重バリアシステムを採用し、放射性物質の漏洩を抑制する。

✅ それぞれのバリアは、放射性物質の地下水への溶出防止、地下水との接触遅延、放射性物質の移動遅延という役割を果たし、地層処分における安全性を高めている。

さらに読む ⇒ニューモ原子力発電環境整備機構出典/画像元: https://www.numo.or.jp/q_and_a/100009.html

なるほど、多重バリアシステムですか。

自然と技術を組み合わせることで、安全性を高めているんですね。

実験や講義を通して、理解を深める取り組みも興味深いです。

高レベル放射性廃棄物、特に使用済燃料やガラス固化体は、原子力の利用に伴って発生するものです。

ガラス固化体は、使用済核燃料を再処理した後の高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜて固めたもので、放射能半減期の異なる様々な核種を含んでいます。

このガラス固化体は、青森県六ヶ所村の中間貯蔵施設で保管されています。

世界的に検討されている地層処分は、このガラス固化体を地下300m以上の安定した岩盤に埋める方法です。

地層処分は、人工バリアと天然バリアを組み合わせた多重バリアシステムを採用し、放射性物質の漏洩を防ぐことを目指しています。

人工バリアとしては、金属容器(オーバーパック)と緩衝材(ベントナイト)が用いられ、天然バリアとして岩盤が利用されます。

埋設作業には高い放射線レベルと温度への対策が必要であり、長期間を要します。

NUMOは、高レベル放射性廃棄物の処分方法について、次世代への理解を深めるため、芝浦工業大学柏中学高等学校で特別講義を実施しました。

講義では、地層処分に加えて、宇宙処分、海洋投棄、氷床処分、地上保管などの選択肢が提示され、生徒による投票が行われました。

その結果、半数が宇宙処分、30%が地層処分を選択しました。

講義では、ベントナイトの吸水性や吸着性を利用した実験も行われ、地層処分場の建設計画や、20年程度の段階的な調査を経て処分地を決定し、最終的な閉鎖まで100年以上かかる長期事業であることなどが説明されました。

高レベル放射性廃棄物の処理って、大変な技術と長い年月がかかるんですね。実験とか、なんかSFみたいで面白いな!

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高レベル放射性廃棄物(HLW)処分、世界の取り組みと日本の課題を徹底解説!フィンランド、スウェーデン、カナダ…各国の動向を比較。地域分断や国民的議論も。