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梨本宮妃伊都子とは?~激動の時代を生きた最後の貴婦人?(林真理子著『李王家の縁談』を中心に)?林真理子『李王家の縁談』に見る、梨本宮妃伊都子の生涯

旧皇族・梨本宮妃伊都子の波乱万丈な生涯。華族令嬢から皇室入り、戦争、戦後の苦難…77年間の日記から見えてくる激動の時代と、娘たちの結婚に込めた思い。林真理子の小説『李王家の縁談』も紐解き、現代の皇室にも鋭く切り込む、凛とした生き様を描く評伝。

娘・方子女王と李王家との縁談

『李王家の縁談』が描く、伊都子の結婚戦略とは?

国への貢献と家柄を重視した縁談です。

伊都子妃の娘である方子女王と、李王家との縁談について焦点を当てていきましょう。

いつの時代も、高貴な方々の結婚は難しい『李王家の縁談』林真理子
いつの時代も、高貴な方々の結婚は難しい『李王家の縁談』林真理子

✅ 美貌と聡明さで知られる梨本宮伊都子妃が、愛娘・方子を皇太子妃に望むが叶わず、朝鮮の王世子・李垠との縁談を成功させるべく奔走する姿を描いた歴史小説である。

✅ 明治から昭和にかけての女性皇族の視点を通して、華麗な世界と高貴な人々の知られざる内面を描き出す。

✅ 著者は林真理子で、2024年12月10日に文庫判で発売される。

さらに読む ⇒本の話~読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア~出典/画像元: https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167923068

娘の結婚を通して国に貢献しようとする伊都子妃の姿、そして当時の皇室や華族の世界観が、小説を通して鮮やかに描写されていますね。

伊都子の娘である方子は、大韓帝国の李垠に嫁ぎ、李王家との縁戚関係を築きました

林真理子氏の小説『李王家の縁談』は、伊都子妃の日記を基に、明治・大正・昭和の激動の時代を描いた作品です。

伊都子は、娘たちの結婚を通して国への貢献を目指し、家柄を重視した縁談を積極的に推し進めました。

小説では、伊都子の日記を通して、当時の皇室や華族の世界観、伊都子の心情や合理的な考え方、そして日本の西洋化や朝鮮併合といった歴史的背景が詳細に描かれています。

方子の夫となった垠は、幼少期に日本に渡り教育を受け、方子との結婚に至りました。

林真理子は、これらの出来事を詳細に描写し、伊都子の心情や方子の葛藤を、史料に基づきながらも、独自の視点で描き出し、読者を魅了しています。

方子女王と李王家との縁談、ドラマみたい!お母様の伊都子妃の思いとか、当時の皇室の様子とか、すごく気になる!

戦後の苦難と晩年

伊都子妃、皇籍離脱後の生活で一番大変だったことは?

財産税のための別荘売却など、経済的苦労。

戦後の苦難と晩年について見ていきましょう。

皇籍離脱後の生活は、どのようなものだったのでしょうか。

梨本伊都子
梨本伊都子

✅ 梨本伊都子は、旧皇族で梨本宮守正王の妃であり、鍋島直大侯爵の令嬢として生まれました。幼少期を鍋島家で過ごし、華族女学校を経て、梨本宮守正王と結婚しました。

✅ 日露戦争や太平洋戦争において看護婦としての活動を行い、皇籍離脱後も戦災孤児の慰問などを行いました。皇籍離脱後には巨額の財産税納付に苦しみながらも、旧皇族としての矜持を保ちました。

✅ 晩年は歌舞伎鑑賞などを楽しみ、1976年に94歳で逝去しました。明仁親王と美智子の婚約には当初反発していたものの、昭和天皇の意向を受け入れてからは表立って批判することはなくなりました。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.wikiwand.com/ja/articles/%E6%A2%A8%E6%9C%AC%E4%BC%8A%E9%83%BD%E5%AD%90

晩年まで品格を保ち、歌舞伎を愛した伊都子妃の生き方は、まさに最後の貴婦人という言葉が相応しいですね。

苦難を乗り越えた姿は、感動的です。

戦後、伊都子妃は皇籍を離脱し、梨本伊都子として生活を送ることになりました。

財産税のため別荘売却など苦労を重ね、苦難の道を選びます。

一方で、ミッチー・ブームには反発しましたが、昭和天皇の意向もあり、以後は批判を控えました。

鍋島藩出身で歌舞伎好きという一面もあり、晩年は歌舞伎鑑賞などを楽しんだといいます。

戦後の皇籍剥奪と財産没収という困難な状況下でも、凛とした生き方を貫きました

乳癌手術後の経過が悪く、94歳でその生涯を閉じました。

旧皇族としてのプライドを守りながら、戦後の厳しい現実を生き抜いた伊都子妃の姿に、深く感銘を受けました。まさに不屈の精神ですね。

美智子様への複雑な思いと現代皇室への視点

伊都子の誠実さとは?現代皇室への批判とは?

品格重視、税金やノブレス・オブリージへの批判。

美智子様への複雑な思いと、現代皇室への視点について、解説を加えていきましょう。

梨本宮伊都子妃が娘の嫁ぎ先を早く決めねばと焦ったのもよく分かる」林真理子がふりかえる゛皇族の縁談゛と゛身分制゛
梨本宮伊都子妃が娘の嫁ぎ先を早く決めねばと焦ったのもよく分かる」林真理子がふりかえる゛皇族の縁談゛と゛身分制゛

✅ 林真理子氏の新刊『李王家の縁談』は、韓国併合後の日本の皇族と朝鮮の王太子との縁談を描いた作品で、梨本宮妃伊都子の日記を参考に、大正から戦後までの激動の時代を描いている。

✅ 著者は、皇族や華族の閉ざされた空間での価値観を克明に描くことに挑戦し、歴史家の磯田道史氏もその描写のリアルさに感銘を受けている。

✅ 作中では、伊都子の家柄を重んじた縁談や、当時の世界史的状況下での彼女の行動を通して、日本の近代史が浮き彫りにされている。

さらに読む ⇒文春オンライン世の中の「ほんとう」がわかります出典/画像元: https://bunshun.jp/articles/-/50446

伊都子妃の現代皇室に対する見方は、興味深いですね。

林真理子氏の作品を通して、当時の社会状況や、皇室の役割について、改めて考えさせられます。

伊都子は美智子様の皇室への嫁入りに際し、品格を重視する考えから不快感を示したというエピソードも伝わっています。

記事では、現代の皇室と比較し、税金の使われ方や「ノブレス・オブリージ」の精神の欠如を批判し、伊都子妃の誠実な姿勢を称賛しています。

旧皇族の潔さ、そして彼女の生き方を通して、現代の皇室に対する批判的な視点が提示されています。

林真理子の作品は、梨本宮妃伊都子の人生と、娘の結婚に懸ける思いを描き、当時の社会状況や皇室の役割について考えさせられる作品となっています。

伊都子様の美智子様に対する複雑な思い、ちょっとドキドキしますね。現代の皇室に対する視点も、なるほどって感じ。

梨本宮妃伊都子の生涯を辿り、激動の時代を生き抜いたその姿から、多くの学びを得ることができました。

🚩 結論!

💡 梨本宮妃伊都子は、華族出身で、旧皇族の妃。娘の李方子女王は李王家に嫁ぎ、その生涯は激動そのものだった。

💡 伊都子は日露戦争や太平洋戦争で看護活動を行い、皇籍離脱後も社会貢献。自伝や日記は貴重な資料となっている。

💡 林真理子氏の小説『李王家の縁談』を通して、伊都子の生涯、娘の結婚、そして激動の時代を描いている。