EU難民問題の今、難民申請件数の増加と右派台頭?2023年EU難民申請の増加と、右派ポピュリスト勢力の台頭
2023年のEU難民申請は114万人、2015年以降最大に。シリアからの申請増に加え、ウクライナからの受け入れも増加。右派ポピュリスト勢力の台頭を招き、2024年欧州議会選挙への影響も懸念。ロシア・ベラルーシの「ハイブリッド戦」による移民問題の利用も。福祉支出への不満が高まり、難民排斥の動きも危惧される、EUの複雑な現状。
💡 2023年のEUへの難民申請は114万件を超え、2015-16年の危機以降最大。
💡 難民増加の背景には、シリアやアフガニスタンからの申請数の増加がある。
💡 難民問題は、右派ポピュリスト勢力の台頭を招く可能性も孕んでいる。
それでは、まず近年のEUにおける難民申請の現状について、詳しく見ていきましょう。
急増するEUへの難民申請
EUの2023年難民申請件数はどれくらい増えましたか?
前年比18%増
2023年のEUにおける難民申請件数は114万人を超え、増加の一途を辿っています。
その背景には、様々な要因が複雑に絡み合っているようです。

✅ 2023年にEU内で庇護申請をした難民希望者は、2015~16年の難民危機時以来の100万人を突破し、ウクライナからの避難民を含めると、2015~16年の難民危機を遥かに上回る規模となっている。
✅ 庇護申請者の出身地域は中東が最も多く、国別ではシリアが17%と最大で、アフガニスタンが10%、トルコが9%と続く。
✅ EU加盟国別では、ドイツが33万人とEU全体の約3分の1を占め、スペイン、フランス、イタリアと続く。庇護申請者の出身国によって、庇護申請を行う国が偏っている傾向が見られる。
さらに読む ⇒第一生命経済研究所ページ出典/画像元: https://www.dlri.co.jp/report/macro/327502.htmlシリアからの難民申請数の増加が顕著ですが、ウクライナからの避難民も増加しています。
受け入れ国の事情によって、対応が異なる点も興味深いですね。
2023年のEUにおける難民申請件数は前年比18%増の114万人に達し、2015~2016年の難民危機以降最大となりました。
この増加の主な要因は、シリアからの申請数の増加です。
しかし、ウクライナからの難民受け入れも増加しており、エストニアではロシア系住民が多い地域へのウクライナ難民の集中を防ぐため、首都や第2都市に滞在させています。
なるほど。難民申請者の出身国によって、受け入れ国に偏りがあるというのは、興味深いですね。各国の事情が反映されているのでしょうか。
難民受け入れと右派ポピュリスト勢力
難民受け入れは、どんな政治勢力の台頭を招く可能性がある?
右派ポピュリスト勢力
難民問題は、右派ポピュリスト勢力の台頭を後押しする可能性も秘めています。
情勢を注視する必要がありますね。

✅ ドイツで反移民・難民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、2023年には複数の自治体でAfDの首長が誕生しました。
✅ AfDの躍進の背景には、移民・難民の流入に対する国民の危機意識や不満があり、AfDはこうした感情を巧みに利用しています。
✅ しかし、AfDはネオナチまがいの思想や反民主主義的な姿勢を露呈しており、その台頭を懸念する声も強まっています。
さらに読む ⇒東京新聞出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/302946難民問題が、右派ポピュリスト勢力の台頭を招くというのは、看過できない問題ですよね。
2024年の欧州議会選挙の動向も気になります。
難民受け入れは、右派ポピュリスト勢力の台頭を招く可能性があります。
これは2015年の難民危機でも見られた現象で、2024年の欧州議会選挙では、フランスのル・ペン氏やドイツのAfDなどの右派勢力が台頭する可能性が懸念されています。
ほんま、移民問題って難しいんやけど、ポピュリストがこういう問題を利用するのは、ほんまいただけへんわ!もっと建設的な議論が必要や。
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ロシア・ベラルーシが移民を武器にEUを揺さぶる!ハイブリッド戦でEUの分断を狙う。福 祉不満が右派台頭を招く危機も。