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照屋勇賢の紅型アート作品が伝えるものとは?沖縄の文化と現代社会への問いかけ照屋勇賢の紅型作品に見る、沖縄の歴史、文化、そして未来へのメッセージ

沖縄出身の美術家、照屋勇賢の紅型作品が、大英博物館に収蔵!伝統技法と現代社会問題を融合し、基地問題や米軍統治への問いを投げかける。初期作品から最新作までを網羅した大規模個展も開催。消費社会と自然、戦争の記憶と未来、分断と共存… 彼の作品は、重厚な歴史とポップな視点で、私たちの生き方を問い直す。

照屋勇賢の紅型アート作品が伝えるものとは?沖縄の文化と現代社会への問いかけ照屋勇賢の紅型作品に見る、沖縄の歴史、文化、そして未来へのメッセージ

📘 この記事で分かる事!

💡 沖縄出身のアーティスト、照屋勇賢さんの紅型作品「結い、YOU-I」が大英博物館に収蔵された。

💡 米軍基地問題や沖縄の歴史をテーマにした作品が多く、紅型を通して社会問題を表現している。

💡 大規模個展やコミッションワークなど、幅広い活動を通して、人々に問いかけ続けている。

それでは、まずは照屋勇賢さんの作品を通して、何が読み解けるのか、そのポイントをいくつかご紹介いたします。

照屋勇賢の紅型作品「結い、YOU―I」が大英博物館に収蔵

照屋勇賢さんの紅型作品が収蔵されたのはどこ?

大英博物館

照屋さんの作品が、沖縄の文化と歴史を深く理解するきっかけになることは素晴らしいですね。

沖縄出身作家の現代アート作品、大英博物館に収蔵沖縄県:朝日新聞

公開日:2023/06/08

沖縄出身作家の現代アート作品、大英博物館に収蔵沖縄県:朝日新聞

✅ 沖縄出身の現代美術家、照屋勇賢さんの紅型を用いた作品「結い、YOU-I」が大英博物館に収蔵された。

✅ この作品は古典紅型の絵柄をベースに、米軍機から降下するパラシュート部隊やオスプレイなどを芭蕉布に描いたもので、沖縄の文化や歴史の豊かさ、辺野古新基地反対の思いが込められている。

✅ 大英博物館は、この作品について「琉球の何世紀にもわたる生地製造技術に現代の政治的批評をうまく融合させている」と評価している。

さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASR67632GR67DIFI009.html

紅型という伝統的な技法と、現代的なテーマが見事に融合していますね。

大英博物館が評価しているように、まさに革新的な作品だと思います。

南風原町出身の美術家、照屋勇賢さんの紅型作品「結い、YOU―I」が大英博物館に収蔵されました。

これは同博物館初の紅型作品収蔵となります。

作品は、芭蕉布に紅型で描かれた伝統的な柄を再構成し、オスプレイや兵士などを描き、基地問題という現代の課題を紅型の美しさと結び付けています

照屋さんは、作品収集が沖縄の人々の平和、人権、民主主義の実践の積み重ねによるものだと喜び、金城宏次さんらとの共同制作について、若い世代の紅型表現への刺激になると語りました。

大英博物館の学芸員は、照屋さんの作品を、現代の社会問題を反映した革新的な作品と評価しています。

なるほど。伝統と現代が融合した作品が、世界的に評価されるのは素晴らしいですね。紅型という技術そのものも、非常に興味深いです。

照屋勇賢の紅型作品「結い、You-I」が発信するメッセージ

照屋勇賢氏の紅型作品は何を訴えかけている?

沖縄と米国の関係

翁長氏の解釈、非常に興味深いですね。

ポップな表現の中に、深いメッセージが込められているというのは、まさにアートの力ですね。

照屋勇賢《結い
照屋勇賢《結い

✅ この記事は、2002年の「VOCA展」で展示された照屋勇賢の《結い, You-I》という作品について、作家と作品が生まれた背景、そして美術評論家である翁長直樹氏による作品の解釈と沖縄美術シーンについての考察をまとめたものです。

✅ 沖縄の伝統工芸である紅型を用いて米軍兵器を描いた《結い, You-I》は、一見ポップで美しい着物でありながら、沖縄の複雑な歴史と現状を象徴する作品として、翁長氏から「反戦や基地反対など、直接的な表現だけではいけないだろう、と少し引くところ、ポップ的なセンスが必要と思っていたら、こういう作家が出てきた」と評価されています。

✅ 翁長氏は、沖縄美術史に精通しており、照屋勇賢の才能を見抜いた人物として、作品を鑑賞する上で重要な視点を与えてくれます。また、沖縄の美術シーン、特に沖縄県立博物館・美術館の設立や「前島アートセンター」の設立など、現代美術の社会的な可能性を追求する活動について、自身の経験を交えながら語っています。

さらに読む ⇒–美術館・アート情報出典/画像元: https://artscape.jp/study/art-achive/10144441_1982.html

照屋さんの作品は、沖縄の抱える問題を、世界の人々に分かりやすく伝える力がありますね。

紅型という華やかな表現方法も、人々の目を引きます。

照屋勇賢氏の紅型作品「結い、You-I」は、沖縄の伝統的な素材を用いて、米国人に対して「沖縄」と「沖縄における憂慮すべき問題」を同時に発信しているという主張がなされています。

特に、戦闘機やオスプレイなどの軍事施設の存在が、沖縄における憂慮すべき問題として描かれており、紅型の鮮やかな色彩を用いることで、鑑賞者に強い印象を与えています。

さらに、瀬長亀次郎氏を描いた作品では、米軍統治に抵抗せざるを得なかった瀬長亀次郎という政治家を、沖縄という文脈で米国人に理解させようとしています。

また、オバマ大統領を描いた作品は、米国のオバマ大統領が、沖縄の伝統技術である紅型を用いた作品で描かれている理由を米国人に考えさせることで、沖縄と米国との関係、そして「あなたとわたし」の結びつきについて考えさせることを意図しています。

「結い、You-I」という作品名は、こうした「結びつき」を意味しており、沖縄と米国人を繋ぐ架け橋としての役割を担っています。

照屋氏の作品は、紅型作品だけでなく、琉球漆器を用いた作品「宙に浮くパトカー」も、米国人に「なぜこのような図案が描かれているのか?」という疑問を抱かせ、沖縄における米軍の存在と人権侵害の問題を認識させる役割を果たしています。

この作品は、コザでの米軍による人権侵害事件を、時を止めたかのように描写することで、鑑賞者に強い衝撃を与えています。

照屋氏の作品は、伝統的な素材を用いて、沖縄における問題を世界に発信することで、米国人に沖縄への理解を深めてもらうことを目指していると言えるでしょう。

いやあ、これはすごい。紅型でオスプレイ描くって、ある意味、めちゃくちゃパンチ効いてますやん!オバマ大統領描くのも、さすがやなあ。

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沖縄の出来事をピザボックスで表現!照屋勇賢の個展『結い、You-I』開幕。歴史と現代が交錯する作品群で、分断を超えた未来を描き出す。アートで生き方を問い直す。